秋は一年で最高のキャンプシーズン。 清々しい大地のにおい、木々の香り、澄んだ青空。夜はランタンや焚き火でムード満点! |
初秋は朝晩も清々しい
子どものころから刻まれている、夏限定の高揚感。アウトドアにおいても同じだろう。夏のフィールドを包む草や木々のにおい、清流の音、ヒグラシの鳴き声がテントサイトを包み込む。 夏のキャンプが「躍動」であるならば、秋のキャンプは「寛大」かもしれない。残暑厳しい日本の夏とはいえ、9月も半ばを過ぎればフィールドは少しずつ秋めいていく。 朝晩の冷たい空気や高い雲の青空が、秋の気配を見せ始める。 秋が最高のキャンプシーズンとよく言われるように、夏では感じられなかった空気感が感じられるのだ。アウトドア編集部にいたころ、秋のシーズンが待ち遠しかった。 夏の期間に秋号の撮影をしていたものだから、季節感がわからなくなることが多かったが(笑)、9月、10月に感じるキャンプ場のにおいは確実に秋の風情を見せていた。 朝起きたらさっそく湯を沸かし、コーヒーブレイク
特集の撮影では「グルメの秋」「収穫の秋」「秋の夜長を楽しもう」といった具合に、秋の魅力を伝えるのに事欠かないほど、企画のネタには困らなかった。とくに収穫物が豊富なシーズンだけに、アウトドアクッキングのレパートリーは豊富だ。 ダッチオーブン料理やスモーク、夜は酒の肴に焚き火料理……。 すべてを寛大に受け入れてくれる秋のフィールドは、最高のアウトドアクッキングの舞台でもある。キノコやサンマといった旬の食材を持ち寄り、「実りの秋」をフィールドで体感してみてはいかがだろう。 |
日が暮れてからが、秋のもうひとつの楽しいひととき
キャンプの秋の夜長を彩るランタンは、空気の澄んだ秋の夜空を静かに演出する。スズムシの音色を聞きながら、ランタンの灯りの下で、グラスを傾ける。 ランタンの光量を落として、ほのかな光で静かなひとときを楽しむのも秋のキャンプのぜいたくな過ごし方なのだ。 もちろん焚き火も忘れてはならない。 焚き火台を囲みながら、パチパチと燃える薪(たきぎ)の香りと小さな炎を眺めながら語り合う。 「火」が恋しくなる秋のキャンプは、焚き火台や小さな光を灯す小型ランタンなどを用意するといっそう楽しめるだろう。 山あいのキャンプ場は冬季閉鎖となるところが多いが、早くても9月末まで、遅いところでは11月末まで開いているところがほとんどだ。 秋キャンプのもうひとつの見どころといえば、紅葉に囲まれながら過ごすひととき。 秋は湖畔のキャンプ場も情緒たっぷり
秋のフィールドは、人間の心を癒してくれる贅沢な空間なのだ。 |
●毛呂山町ゆずの里オートキャンプ場
奥武蔵の大自然に囲まれる山あいのフィールド。周辺は毛呂川が流れ、せせらぎの音を聞きながら楽しめる。
所在地:埼玉県入間郡毛呂山町大字滝ノ入585
TEL 049-294-8812 利用期間:3月末~11月末
●ボスコ・オートキャンプ・ベース
丹沢大山国定公園のほぼ中央に位置。銘水や手つかずの自然で人気がある。渓流をそのまま活かしたフィールド。
所在地:神奈川県秦野市丹沢寺山75
TEL 0463-75-3273 利用期間:4月~11月末
●ACNあぶくまキャンプランド
家族風呂や給湯付き炊事場のほか、テラス付きバンガローなど施設が充実している。サイトは高原と雑木林の2つから選べる。
所在地:福島県田村郡小野町大字浮金字日影83-78
TEL 0247-73-2945 利用期間:4月中旬~11月中旬
●PICA富士西湖
西湖畔がフィールドの開放感抜群のキャンプ場。ログハウスやトレーラーハウスなど宿泊施設が充実している。
所在地:山梨県南都留郡富士河口湖町西湖2068-1
TEL 0555-20-4555 利用期間:通年
< PROFILE >
小幡 健
元アウトドア誌編集者。お金をかけずにキャンプを楽しむ「赤貧オートキャンプ講座」の連載経験がある。好きなエリアは伊豆。好きなシチュエーションは焚き火と日本酒。
小幡 健
元アウトドア誌編集者。お金をかけずにキャンプを楽しむ「赤貧オートキャンプ講座」の連載経験がある。好きなエリアは伊豆。好きなシチュエーションは焚き火と日本酒。