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日本列島自分で"やる"旅 見るだけではつまらないから Experienceの世界へ体験
少々変わった体験ハウスのお話
自動車道の整備によって首都圏からも栃木や東北方面からもアクセスしやすい茨城県に、少々変わった体験ハウスがふたつも誕生。そこは童心に戻って遊ぶのにぴったりの場所で子どもも大人も大喜び間違いなし。さあ、どんな家なのでしょう!?
思い出深きわが母校
生まれ変わった「たかはら自然塾」。元々は小学校校舎
ぼくは3歳から22歳までを東京郊外にある学校で過ごした。

幼稚園、小学校、中学校から大学まで一貫教育で育ったというわけだ。

「試験が簡単なエスカレーター方式」とずいぶん周囲から陰口を叩かれたけど、心の中では「エレベータだよ、すぐ屋上」なんて思っていたくらいである(あ、母校の名誉のために書きますが、最近はきちんと試験があるそうです)。

さて、母校自慢は尽きないのだが、とくに声を大にしたいのはその環境の素晴らしさ。

学園内には樹木が多く、池や芝がみごとに配置されている。校舎そのものも大谷石をうまく使った特色のある設計だ。

学校の場所を東京郊外に移してからは日本人建築家が設計したのだが、目白に最初に完成した校舎はその日本人建築家の師匠ともいえるアメリカが生んだ名建築家フランク・ロイド・ライトの設計だった。

大人も子どもも精を出したお米づくり体験。刈り入れは大仕事
旧帝国ホテルやニューヨークのグッゲンハイム美術館などを設計した奇才は、三角形の屋根と幾何学模様をうまく取り入れた窓枠、六角形をした椅子の背もたれなどを学校建築に取り入れた。

ぼくは幼稚園時代、ここで育った。ライトの建築の建物で3年間を過ごしたなんて、なんて贅沢なのだろう。

この校舎は今、有形重要文化財となり、多くの人が見学に来る。生徒たちがいなくなった校舎は壊されずにすんだのだ。

一方、少子化にともなって廃校になった校舎が取り壊されるニュースが多い。しかし、工夫次第で校舎は再生できる。

茨城県でそんな体験型校舎を見つけた。
友と学び、遊んだ校舎をリニューアル
そば畑では肥料まきを行った。収穫できる日が待ち遠しい
日立市民からの募集により「たかはら自然塾」と名付けられて平成21年7月にオープンしたその建物は、昭和41年に完成して平成19年3月をもって廃校になった「高原小学校」校舎である。

日立というと大手メーカーの工場などを連想するが、茨城県は広大な田畑を有する日本有数の農産地。

生産量日本一のメロン、栗、レンコンをはじめ米やさまざまな野菜、フルーツの栽培が盛んだ。町の中心部を離れれば、雄大な田園地帯が広がる。

高原小学校の周囲も里山の素晴らしい環境が整っていた。

「廃校は仕方ないにしても校舎を失くすのはもったいない」という声があがったのは自然の成り行きだったのだろう。

校舎は市内外から“里山体験”や郷土料理を提供する場所に衣替えした。食堂などは増築、宿泊室や研修室を整備した。
そして、体験メニューもスタートしたのである。

来年の春になったらぜひ田植えから参加しよう
●米づくり体験/田植えから稲刈りまでを体験。最後は収穫したもち米で餅つき(5~12月)。

●そばづくり体験/こだわりのそばづくり体験。仕上げはもちろんそばの試食(7~12月)。

●しいたけほだ木づくりと菌打ち体験/山に入って「ほだ木」づくりと菌を打ち込む作業(12~3月)。

●里山づくり隊員/「里山づくり隊」は荒れた雑木林を手入れするボランティアスタッフだ(9月~里山ができるまで)。

上記は長期の例だが、そば打ち、豆腐づくり、こんにゃくづくりなどの日帰り体験も行っている。

校舎はみごとに復活を遂げたのだ。
絶景沼を眺めるツリーハウス
涸沼湖畔でできたツリーハウスの完成予想図
廃校校舎の再生に引き続き、茨城県からこんな情報も入ってきた。それが「ツリーハウス」だ。

かつて、水戸藩侯(斉昭)が湖水に映る名月を眺めるために小舟を浮かべた涸沼は、満潮時に海水が流れ込む汽水湖。海水魚と淡水魚が混棲する珍しい湖。

景色もよければユニークな自然環境も申し分ない。家族で自然と触れ合い、自然を観察するには絶好のアウトドアポイントだろう。

その湖畔に2009年11月28日にツリーハウスができたのだという。

木の上の家……。アニメや映画で見て、どれだけ憧れただろう。景色のいい秘密基地はぼくの夢だった。大人になった今、そこで遊べるなんて……。

体験プログラムもフィッシングやカヌー、バーベキューなど、アウトドアを存分に遊べるものが揃っている。

廃校校舎を利用する田舎体験や、ツリーハウスで行うアウトドア体験。パパ、ママには童心に戻れる最高の機会、子どもにとっては農業に触れ、アウトドアを知り、生きた勉強ができるとっておきの場所。ぜひ、出かけてみては。
茨城県での自然体験情報はこちら
●たかはら自然塾利用案内
たかはら自然塾を利用して田舎体験してみよう
http://www.city.hitachi.ibaraki.jp/viewer/info.html?id=2122&bcn=genre

●いばらきさとやま生活
大いなる大地、いばらきの県北地域を研究してみて
http://www.satoyama-life.pref.ibaraki.jp/

●涸沼とツリーハウス
涸沼とツリーハウスへのお問い合わせはこのサイトから
http://www.hokotamachi.net/
< PROFILE >
木場 新
休日評論家。主な出版物に『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」を連載中(http://www.yomiuri.co.jp/tabi/
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