動物はほとんどが美しい毛皮に包まれて、のそのそ動いていたり、大きなあくびをして寝ていたり。だから動物園の動物たちはあんなに可愛いのですよね。でも、「骨」を見ることで想像が広がる世界もあります。そう、恐竜です。 |
内装はどんどん進化してとても展示が見やすくなった国立科学博物館
小さい時から土いじりが好きで、その中から土器の破片や化石を見つけることに大きな喜びを感じていたそうです。 アメリカ本土に勉強しに行く予定で船に乗ったところ、立ち寄ったハワイでの発掘作業に魅入られ、そのままハワイに住んでしまったという人で、それ以来約50年、太平洋のさまざまな島々での発掘、研究をしてきました。 タヒチ島のネイティブたちは「博士がまた土を掘りに来た」という歌まで作ってしまったほどです。 ティラノサウルスの顔の大きさと歯の鋭さにびっくり
木製のものもあれば、骨で作ったものもある。これらを発掘、研究することで太平洋における人々の海上移動や、民族について調べたのです。 おじさんが研究した成果はオアフ島のビショップ博物館などで見られますし、太平洋の島ごとの文化や民族性の違いは同じくオアフ島のポリネシア文化センターで見ることができます。 そして、おじさんとその息子は、今日も太平洋のどこかの島で発掘していることでしょう。 |
世界的に貴重なトリケラトプスの実物標本
東京・上野にある国立科学博物館の地球館には、恐竜の化石などが展示されています。 発掘された化石を複製したものもありますが、アパトサウルス、ステゴサウルスなどは実物標本で、なかでもトリケラトプスの実物標本は世界的に価値がある世界に2例しかない全身骨格のひとつです。 その大きさ、肉食恐竜の歯の鋭さなど、恐竜の化石には驚きがたくさんあります。 私はそれらを眺めながら、自分なりに骨に肉をつけてみて、どんな風景の中で、どんな風に生きていたのかを想像してみます。 国立科学博物館ならではのおみやげもいっぱい。
サイや象がいるから、なんとなくグレーの恐竜が多いけれど、もしかしたら違う色の恐竜もたくさんいたかも……。カラフルな恐竜が草の上を走りまわっていたかも……。 想像する時間が楽しいんです。 自分だけの想像時間を楽しんだら、今度は「シアター36○」へ。 ここ、驚きの上にも横にも、下にも映像が映る、360度の映画館。いくつかのプログラムがありますが、恐竜をテーマにしたものも。前に後ろに現れるティラノサウルスやトリケラトプス。その迫力は相当なもの。この作者の想像力もみごとです。 |
フタバスズキリュウ。これを高校生が発掘したのですよ!
長野県野尻湖や北海道などでナウマン象の化石が見つかっています。 また、九州などでは日本固有の古代象・アケボノ象の化石も見つかっています。 さて、日本の代表的な巨大化石は「フタバスズキリュウ」でしょう。中学のころから地質調査の記事や参考図書を読み、「ここだ」と思ったところを調査していた鈴木直少年がフタバスズキリュウの化石を発見したのは高校生のとき。場所は福島県のいわき市でした。 日本からは出ないとされていた中生代の大型爬虫類の化石が発見されたことに、大きな意味がありました。 それにしても、と感心します。高校生の鈴木さんが一躍有名になり、多くの恐竜学者たちが羨望の眼差しを送ったに違いない大発掘。それは単なる「ラッキー」ではなく、何年も自分なりに研究し、毎日のようにコツコツと調査をしたからだといいます。 鈴木少年も、ハワイのおじさんも、結局は信念を持って地球に向き合っているから、大きな成果を残せているんですね。 |
●国立科学博物館
http://www.kahaku.go.jp/index.php
世界の恐竜化石やフタバスズキリュウを展示
●野尻湖ナウマンゾウ博物館
http://www.avis.ne.jp/~nojiriko/
ナウマン象の化石などを展示
●北海道幕別町「ナウマン象記念館」
http://www.makubetsu.jp/kyuchuhp/vt.html
こちらはバーチャルサイトでナウマン象がわかる
●いわき市アンモナイトセンター
http://santa.cside.com/hakubutu/iwaki_anmonaito.htm
フタバスズキリュウの発掘地に程近く、発掘現場などの見学も
< PROFILE >
石井 喜代美
ご主人がアウトドア・旅行雑誌の編集者をしており、その関係で国内外の旅に同行。ブランドショップより地元の市場、高級レストランより庶民の味、そして動物園と水族館には必ず行く主義だとか。キャンプや温泉にも詳しい。
石井 喜代美
ご主人がアウトドア・旅行雑誌の編集者をしており、その関係で国内外の旅に同行。ブランドショップより地元の市場、高級レストランより庶民の味、そして動物園と水族館には必ず行く主義だとか。キャンプや温泉にも詳しい。