「冬の遊びといえば、やっぱり雪山」というわけで、前回は家族対応ばっちりのスキー場にファミリーで出かけようと書きました。今回は雪山遊びの第2弾。ちょっとワイルドに行きましょう! |
スノーシューを履いて雪に覆われた森の中へ
文化とか流行とかが優先された質問の場合は「ニューヨークかパリ」。美術館やシアターめぐりも楽しいし、ショッピングだってグルメだって圧倒的。夜の社交場も素晴らしい。 でも、ワイルドさがテーマだったら、エジプトかアラスカだな、やっぱり。エジプトではピラミッドやルクソール遺跡に人間の“すごさ”の原点を見た気がしました。 アラスカはまさに自然大国、ここには地球のすごさがある。いろいろな体験をしたなぁ。 たとえば、港町のホテルに泊まったときは、朝食のときに窓越しの港にプカリと浮かぶラッコを眺めていたし、道行けばムースや鹿、大きな鷲と出合える。 温泉露天風呂に缶ビールを持ち込んで、満天のオーロラを明け方まで眺め続けたこともあったっけ。 アラスカで相当興奮したのが、スノーモビルツアーだった。ガイドに先導されて大雪原を行く。 動物の足跡を発見!
やがて、森林の山岳地帯に入り、太い木々をよけながら凸凹の雪を上ってゆく。 スタートしてから約3時間、視界が開けた丘の上に出た。正面にはマッキンレーの雄姿。あの感動は忘れられない。 このときに、もうひとつ感じたのが冬の自然のおもしろさだった。 木の幹にクマの爪跡を見つけたり、動物たちの足跡を追ったり、静かに閉ざされたように思える雪山にも、自然の息吹はたくさんあったのだった。 |
ナイトツアーでもウサギの足跡を見つけました
安比高原には自然をたっぷり遊ぶ「イーハトーヴォ安比高原自然学校」があり、文明さんはそこの校長も兼務しているのだった。 学校の雪山プログラムは豊富だ。「テレマークスキー」「スノーシュー」、幻想的な夜の森を探検する「ナイトプログラム」、子どもたちが野外体験できる「キッズプログラム」などなど。 安比高原に出かけた僕は、文明さん自らがガイドするスノーシューツアーに出かけた。 いわゆる“西洋かんじき”をつけて雪山をめぐるのだ。ウサギの足跡や、幹につけられたクマの爪跡など、アラスカで見たような自然が安比高原の森にも残っている。 雪に覆われているようでも、春に向けて新しい小さな芽が出ていたり……。雪山は新しい発見の宝庫なんでした。 ツアーの途中で“ティーブレイク”。とても優雅なひとときです
文明さんに「なんで?」と質問して叱られた。 「ここはね、子どもも大人も自分で考える場所なんです。どうしてこんな妙なかたちになってしまったのか、聞く前に考えてみてください」というわけだ。 ぼくは取材で旅することが多い。つい、なんでも質問してしまう。知らないうちに身に付いた習性をちょっぴり反省しました。 で、たどりついた回答は「雪」だった。雪の重みで一度は倒れてしまった幹が、自然の生命力で再び天をめざす。その繰り返しのうちに他の木も巻き込んで「勿」になったり、倒れても天をめざしたので「h」になったのだ。 それを文明さんに言うと「正解!」と笑顔。なんだか子どものようにうれしくなってしまったのだった。 |
木々たちも雪の下でじっとしているだけではありません。春への備えが進んでいました
暖房のきいた室内を飛び出して、冬だからできる遊びを体験してみない? |
□安比高原(岩手県)
http://www.appi.co.jp/index.html
□光徳牧場(栃木県)
http://www.tobuhotel.co.jp/nikkoastraea/007xc/index.html
□picchio ピッキオ
http://picchio.co.jp/sp/
< PROFILE >
木場 新
休日評論家。主な出版物に『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」を連載中(http://www.yomiuri.co.jp/tabi/)
木場 新
休日評論家。主な出版物に『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」を連載中(http://www.yomiuri.co.jp/tabi/)