2010年は、藤原宮から平城京へ遷都されてちょうど1300年にあたる。 奈良では歴史をめぐるイベントが県内各地で催され 神社仏閣の秘宝・秘仏が御開帳される。 |
平城遷都1300年祭 ホームページ
http://www.1300.jp/ 平城遷都祭(ならせんとさい)2010 公式ホームページ http://www.sentosai.jp/ 吉野山観光協会 http://www.yoshinoyama-sakura.jp/ “ゆるキャラ”登録商標の版権をもつ提唱者のみうらじゅん氏をゲストに招き、全国のゆるキャラが一堂に会する「キグるミさみっと」も行われた。 ところで、ひこにゃんと並び、断トツの人気を2分する「せんとくん」だが、そもそも何がきっかけでゆるキャラとして登場したのか、覚えているだろうか。 「なんと(710年)大きな平城京」 そう、今年は藤原京から平城京へ遷都されて1300年にあたる。 奈良で平城京遷都1300年を記念するイベントが行われ、「平城遷都1300年祭」のマスコットキャラクターがせんとくんなのだ。 2010年の年明けとともに、県内各地を会場にオープニング祭が催された。 四神に合わせて4つの方角に会場を設け、東の青龍には女人高野の室生寺、西の白虎は信貴山朝護孫子寺、南の朱雀は金峯山寺、北の玄武は奈良公園にて、1年間にわたる記念祭が幕を開けた。 メインとなる会場は、奈良市平城宮跡会場で行われる「平城遷都祭2010」。 文化庁によって大極殿正殿の復元が行われ、4月24日から11月7日まで入場無料で一般開放される。 この会場では朱雀門や遣唐使船も復元され、遺構とともにこれから保存していくべき建築物を間近に見ることができる。 そしてなんといっても大きな出来事になるのが、「奈良大和路秘宝・秘仏特別開帳」。50カ所を超える社寺で、国宝級の秘物がこの期間中に公開される。 その国宝拝観のほんの一例を掲載しよう。 春日大社 「平安の正倉院Ⅰ ~春日大社神殿の秘宝」 4月1日~7月19日 元興寺 「禅室内部特別拝観」 10月1日~11月30日 東大寺 「重源上人坐像」 4月2日~4月15日 唐招提寺 「金堂内陣の三尊」09年11月より一般拝観中 法華寺 「十一面観音立像」 3月20日~4月7日、5月1日~9日ほか 海住山寺 「五重塔初層開扉」 10月30日~11月14日 朝護孫子寺 「信貴山縁起絵巻」 4月22日~5月5日(延喜加持の巻)ほか 法隆寺 「大宝蔵殿での法隆寺秘宝展」 3月20日~6月30日ほか 石上神宮 「七支刀拝観」 5月17日~6月11日の平日(事前申込制) 當麻寺 「東塔・西塔の初層開扉」 5月20日~6月20日 室生寺 「五重塔初層開扉」 3月13日~3月28日ほか 7世紀中頃、役行者(役小角/えんのおつの)が葛城山や熊野での山岳修行を経て、ここ吉野の金峯山で一千日の修行に入る。役行者は修験道の基礎を築いたといわれる。 国宝の蔵王堂は、木造建築としては東大寺大仏殿に次ぐ大きさ。高さ34メートル、四方36メートルの巨大建築で、檜皮葺きの建物としては世界一の大きさになる。 その蔵王堂内陣の巨大な厨子が開かれ、3体の金剛蔵王権現像(重要文化財)が9月1日から12月9日までの100日間にわたり特別開帳される。 本尊の金剛蔵王権現は過去、現在、未来にわたる衆生の救済を誓願して現れた秘仏。ユネスコ世界遺産に登録された平成16年7月から1年間、特別に御開帳された。 3像の顔は青い極彩色で、高さは7メートルを超える。 口を開けて咆哮する、釈迦如来(過去世)、千手観音(現在世)、弥勒菩薩(未来世)の圧倒的な威圧感。まさに一見の価値ありだ。 役行者が桜の木で蔵王権現の像を刻んで守り本尊としたことから、吉野山では桜が保護、献木されてきた。 4月上旬から下旬にかけて、シロヤマザクラを中心とした3万本の桜が麓から山頂にかけて咲き上がっていく様子が素晴らしい。 中千本の桜のなかに浮かぶ蔵王堂
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毎年3月下旬から4月末にかけての桜のシーズンは吉野山周辺の道路は駐車禁止となり、通行規制が行われる。下千本から金峯山寺を経て中千本、奥千本にかけては歩行者天国となる。4月上旬~中旬の週末は、バイパス側もクルマへの乗り入れができなくなるのでシャトルバスを利用しなければならない。吉野神宮駅付近の郊外駐車場がシャトルバスの発着場となる。料金は1日1500円だが、シャトルバスの利用は無料だ。
< PROFILE >
長尾嘉津友
雑誌や書籍、ウェブなど、活字にまつわるメディアのプロデュースを手がけるエディトリアル・ディレクター。
旅行や写真が趣味であり、仕事。最近はクルーズに注目しています。
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