ヨーロッパの公園などで見かけるストックを持ったウォーキング「ノルディックウォーキング」が日本にもやってきた。全国各地でイベントが開催されているので、ぜひ参加してみよう。 |
イベントに参加してみんなで皇居まわりを一周
マッターホルンやモンブランなどの名峰を望む壮大なスケールをもつゲレンデは、世界中からやってくるスキーヤーやスノーボーダーを惹きつける魅力にあふれていた。 コースが長く、変化に富んでいるばかりではない。 コースの途中にはレストハウスがあり、温かいポトフやワインなどが用意されている。そこでの休憩も海外リゾートの楽しみのひとつになった。 ヨーロッパのウインターリゾートの魅力は父、母にも何度も話していた。ある年の夏、父母はヨーロッパへ旅に出た。そして、帰国するなりぼくに言った。 「すべてが雪に覆われてしまう冬のツェルマットしか知らないなんてかわいそう。高山植物が咲き乱れる夏のツェルマットこそ素晴らしいのに……」 彼らは夏のツェルマットで、マッターホルンを眺めながらのんびりと散策し、レストハウスでグラスシャンペンをおおいに楽しんだというのだ。 初心者でも親切にレッスンしてくれるイベントが多い
「両手にストックを持って歩くのが流行り。ストックを持って歩くから安心だし、なんといっても足元を気にしないで歩けるから景色がすごく楽しめるのよ」 両手にストックを持つウォーキングをノルディックウォーキングと呼ぶのだそうだ。 |
ストックを持って歩くことに慣れることが第一歩
でも、北欧では一転、自転車での走行が難しい積雪時は自転車代わりになる。おとなも子どもも、近所まで買い物や遊びに行くのに、ヒョイッとクロスカントリースキーを履いて出かける。 クロスカントリースキーはスポーツというより日常生活の一部なのだ。 そのクロスカントリースキーの選手たちが、雪のない季節にトレーニングの一環として、ストックを持ってランニングやウォーキングを始めた。 背筋を伸ばし、大きく腕を振ってストックの先を突き、さらに腕を後ろに押すことで推進力を得る。 専用ストックはベルトによって手首に固定できる
「どうやら健康によさそうだぞ」「ぼくらもできる」と、一般の人たちもやがて真似をして、北欧の地でノルディックウォーキングは広まっていった。 普通の歩行と違って全身運動であること、メタボ対策にもってこい、さらにストックを持つことで視線があがるから景色が楽しめて散策に最適……という理由で、ノルディックウォーキングはあっという間にヨーロッパでブームになった。 |
先端はラバーのキャップがありアスファルトや石にも対応
首都圏だと皇居一周、お台場、井の頭公園などで、ストックを両手に颯爽と歩くノルディックウォーカーを見かけた人がいるかもしれない。 いまノルディックウォーキングのイベント(初心者歓迎、みんなで歩こう!というイベント)は、休日のたびに開催されている。 必要な用具は「歩きやすい服装」「歩きやすいシューズ」「ノルディックウォーキング専用ストック(手首に固定するバンドが付き、道に突く先はラバーが装着されている)」くらいだから簡単。 最初からストックを購入する必要もなく、全国各地で開催されているイベントにはレンタルも用意されている。 両腕を大きく振って、視線をあげて、気持ちよく歩こう!
気軽にお試しノルディックウォーキングができるのだ。 さあ、夫婦で、家族で。ノルディックウォーキングに挑戦してみよう。 |
●日本ノルディックフィットネス協会
国際ノルディックウォーキング協会が公認する協会。ノルディックウォーキングが詳しくわかる。
http://jnfa.jp/
●ノルディックフィットネスウォーキング
LEKIストックを輸入している㈱キャラバンが運営するサイト。イベント情報が満載されている。
http://www.caravan-web.com/nw/
< PROFILE >
木場 新
休日評論家。主な出版物に『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」を連載(http://www.yomiuri.co.jp/tabi/)
木場 新
休日評論家。主な出版物に『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」を連載(http://www.yomiuri.co.jp/tabi/)