江戸時代にもパワースポット巡りはブームになっています。その代表格といえるのが「四国八十八カ所巡り」、いわゆるお遍路さんでした。現在ではバスやタクシーを使うツアーもありますが、なんと1日で回る(?)特別な方法があるのです!! |
重厚な釣鐘が印象的な第七十二番「我拝師山 曼茶羅寺」は596年の創建。弘法大師の祖先の佐伯家によって建てられました
たとえば「熊野詣」、「善光寺参り」などがそうで、江戸時代の人々はご利益を受けようと巡礼の旅をしました。 そのひとつに「四国八十八カ所巡り」があります。 774年に讃岐の国に生まれて「唐の国(中国)」に渡り、のちに真言宗を開いた弘法大師(空海)は、人々の厄難を除くために四国に霊場を開きました。 「遍土を巡る」という意味がある「お遍路」は、弘法大師が修行した四国内八十八カ所の寺をまわることで、全行程は1200㎞にもおよびます。 第七十四番「医王山 甲山寺」。弘法大師は讃岐に池を整備、農業を安定させました。満濃池改修工事の無事を祈願した薬師如来が祀られています
現在でも「お遍路」の人気は衰えず、“弘法大師と一緒”という意味がある「同行二人」と刻まれた杖を持つ巡礼者をたくさん見かけます。 また、バスやタクシーを利用する効率的な「お遍路ツアー」も盛んに行われています。 現日本国総理大臣やスキャンダルを起こした芸能人がお遍路で心を清めたことも話題になりましたよね。 |
第七十五番「五岳山 善通寺」。加羅と呼ばれる東院と誕生印と呼ばれる西院に分かれており、広大な敷地内にはみごとな五重塔も
ところが、断然おすすめの特別な方法があるのです。 「足よわき人は 此印七り七カ所をめぐれば 四国巡拝にじゅんずといふ」とは、『四国八十八番寺社名勝』という絵図に書かれた言葉。 つまり、体力的な問題がある人は、7カ所の寺をまわれば、八十八カ所を巡ったときに準じるご利益が得られるというのです。 現在の社会では、この「足よわき人」を「休みとれぬ人」に置き換えたって、心広き大師さまは怒らないでしょう(!)。 その7カ所とは第七十一番の「剣五山 弥谷寺」から第七十七番「桑多山 道隆寺」までを指します。 火力が強く香りのいい「薪」にこだわるお店、地下水のよさを生かすお店など、讃岐うどんの人気店にはそれなりの理由があります
いずれも香川県の海岸線に近いところにあり、歩けば第七十一番から第七十七番まで多少のアップダウンはあるけれど約16㎞、1日あれば十分。 レンタカーやマイカーなら半日もかからずにまわれます。 |
讃岐うどんはシンプルに「麺」の旨味とコシ、のど越しを楽しみたいものです
七カ所巡りの地域にもたくさんの名讃岐うどん店が点在しています。 七カ所巡りでご利益とパワーをもらい、その合間に名物うどんを食べる。こんなに楽しいパワースポット巡りはそうそうありません。 本州から出かけるのなら、瀬戸大橋を利用するのがいちばん。今ならまだ休日は低料金で出かけられます。 日本に数多くある「パワースポット」ですが、江戸時代より特別なものと認識されていた「お遍路」を、1日で実行してしまいましょう、ちょっと調子いいですけどね(笑)。 |
七カ所めぐりのヒント
○まずは四国八十八カ所を知る
http://shikoku-net.co.jp/88/
○香川県の観光
http://www.my-kagawa.jp/kankoKyokai.php
○県外からの讃岐うどん巡りをサポート
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/seramun/hajisanu/
< PROFILE >
遠藤 里佳子
旅行雑誌ライター。国内外の旅を多く取材。全都道府県を制覇(通過ではなく宿泊をしてカウント)したのは32歳のとき。ハワイやカナダ、オーストラリア、東南アジア、中国など太平洋圏に詳しい。
遠藤 里佳子
旅行雑誌ライター。国内外の旅を多く取材。全都道府県を制覇(通過ではなく宿泊をしてカウント)したのは32歳のとき。ハワイやカナダ、オーストラリア、東南アジア、中国など太平洋圏に詳しい。