島原半島は雲仙岳を中央に抱き、大自然を感じられる広大なエリア。個性豊かな農業体験を楽しんだら、夕日が美しい温泉街の小浜温泉へ行ってみよう。 |
源泉100%かけ流しの温泉と島原半島の食材にこだわった地物料理がおいしい、全9室の小ぢんまりとした宿。予約なしで何度でも入れる露天、ひのき、石の3種の貸切露天風呂が人気。女性限定で温泉エステもある
旅館國崎 所在地:長崎県雲仙市小浜朝南本町10-8 TEL:0957-74-3500 泉質:ナトリウム―塩化物泉 源泉:97度 湧出量:430リットル/分 いまでは全国各地で農作業体験ができるようになったが、温泉旅行を兼ねてすこし風変りな野菜の農業体験をしてみるというのはどうだろうか。 長崎県の島原市にあるNPO法人「がまだすネット」では、島原半島で体験できる農作業や自然歴史体験、創作文化学習など、約80種類の体験プログラムが検索できるようになっている。 たとえばこんなプログラムはどうだろう。
どのプログラムにも最少催行人数の設定があり、反対に定員がいっぱいになることもある。時期や天候に左右されることも。必ず5日前までにメールかファクス、電話で予約することが必要。また、受け入れ先の都合でキャンセルとなる場合もあるので、あくまでも「体験させてもらう」という気持ちで臨みたい。 NPO法人がまだすネット事務局 所在地:長崎県島原市平成町1-1 雲仙岳災害記念館内 TEL:0957-62-0655 FAX:0957-62-0650 島原といえば、その半島の中央部には雲仙岳が位置している。 雲仙岳は「三峰五山」からなる山体の総称だ。 なかでも有名なのは普賢岳(1359m)だろうか。主峰だが、1990年から95年にかけての火山活動で、平成新山(1483m)のほうが高い。 山岳信仰の地であり、飛鳥時代の701年(大宝元年)に行基により開山されたと伝えられているが、定かではない。当初は温泉山と書いて「うんぜんざん」と呼ばれていた。 島原から国道57号線を雲仙へ上がると次第に硫黄臭が漂ってくる。 今回取り上げる小浜温泉は、雲仙岳をさらに西へ下って、橘湾に面した海沿いにある。 小浜温泉観光協会 所在地:長崎県雲仙市小浜町北本町14-39 TEL:0957-74-2672 『日本鉱泉誌』(内務省衛生局編纂)には江戸時代の寛永年間(1624~1645)以前には発見されていたという記録がある、歴史のある温泉街だ。 小浜町歴史資料館のパンフレットによれば、慶長19年(1614)に三河から本多親能が小浜に赴任。本多家は湯小屋を建て、三男親次は島原藩主松平忠房公より湯太夫の称号を与えられ、代々その名を引き継いで小浜温泉発展の礎を築いたとある。 かつては浜辺の砂浜を掘るとお湯が湧き出すといわれるほど湯量が豊富で、源泉は30カ所ほどある。 見上げると建物の合間からいくつもの蒸気が立ち上り、町にはほんのりと硫黄の香りが漂う。 <立ち寄り温泉>
町営温泉 浜の湯 所在地:長崎県雲仙市小浜町北本町25-19 TEL:0957-74-2111 泉質:ナトリウム―塩化物泉 入館料:大人150円 利用時間:6:00~21:00 温泉街の入口に位置する市営の共同浴場。内湯だけだが料金が安く、地元の方々が利用し、会話から町の雰囲気が味わえる。 海上露天風呂 波の湯「茜」 所在地:長崎県雲仙市小浜町マリーナ20 TEL:0957-74-5656 泉質:ナトリウム―塩化物泉 入館料:大人300円、小学生以下200円 利用時間:7:00~19:00 橘湾内のテトラポッドの上に作った海上露天風呂で、満潮時には海面との差が20cmにも近づき、海に手が届くほど。漁火や夕日を眺めながら入浴できる。 泉質はなめるとほどよい塩味があるナトリウム―塩化物泉だ。 そしてもうひとつの魅力が夕日を眺めながらの露天風呂だろう。 夕暮れを狙って宿や日帰り温泉の湯船につかると、橘湾がオレンジ色に染まる美しい光景が目の前に広がる。 夜になると漁火が浮かび上がり、それもまた風情を醸し出している。 最近はご当地B級グルメの流れに乗り、「小浜ちゃんぽん」に力を入れている。洋食屋や寿司屋、居酒屋などあらゆる飲食店のメニューにちゃんぽんが存在。太くてもっちりとした麺、殻付きの小エビとあっさりスープ、たくさんの具の上に生卵がのるのが特徴で、温泉を使っている店もある。 温泉街には裏通りにある資料館や炭酸泉など、そぞろ歩きしたくなる散策スポットもいっぱい。小浜温泉には連泊したくなる魅力がたくさんある。 |
島原市内から小浜温泉へは国道57号線で雲仙を経て約1時間のドライブとなる。
海岸線から一気に1000mを上るワインディングロードで、雲仙に近づくにつれ硫黄の香りが漂ってくる。泉質は酸性硫黄泉。麓では天気がよくても、山頂付近には濃霧が立ち込めることもあるので注意が必要。