縁結びにご利益のある神様にお願したい。どうせ神社に行くなら、素敵な旅行にしたい。旅先は「おいしさ」優先で選びたい。夏休みや秋の旅行シーズンにどこに行こうか迷ったなら、縁結びの神様にも、グルメの神様にも祝福された場所、能登半島に出掛けましょう! |
気多大社にかけられた多くの恋成就のお願い
気多大社の前は海、後ろには深い森が残されています
能登金剛の機具岩。夕陽の名所としても知られるスポットです
石川県の金沢からクルマを走らせて能登半島方面に向かう。途中で舗装道路を離れて世界でも珍しい砂浜のドライブコース「千里浜なぎさドライブウェイ」を走るころから気分は上々。 能登半島はパワースポットも、上質の温泉も、輪島塗に代表される伝統文化、さらには日本海の幸にも恵まれた至福の場所です。 海風に吹かれていい気持ちになったところで、最初のパワースポットである羽咋市の気多大社に。 能登国一宮であり、出雲から船で能登に入って国土を開拓した「大己貴命」を守護神として祀っており、『万葉集』にもその名を残しています。創建2100年を誇るとか。 さて、気多大社は「縁結び祭」も行うほどの縁結びの大社。 気多の神様、大国主神はお姫様と結婚するときに、スサノオノミコトから幾多の試練を与えられ、それを乗り越えて結ばれました。 それが縁結びの神様の所以で、境内には日本で唯一の縁結び専用の祈願所である「気麗(きれい)むすびどころ」があります。 おもしろいのはそのホームページ。 のぞくとちょっとびっくりしますよ。 トップページに踊るのは、「かなった恋話が53,300(毎日更新されます)奉納されました」の文字。 恋がかなった人たちの逸話がたくさん掲載されています。 さらに、ホームページを通じて願いごとも送信できてしまうのです。 歴史ある大社は、なかなかに斬新です。 |
能登金剛の遊覧船。断崖絶壁や洞窟を海上から散策します
総持寺祖院はかつて日本各地の僧侶が修行に来た名寺です
輪島漁港。朝早くにセリ市が開催され、地元の人が集まります
遊覧船もあり、能登の海と日本海ならではの景観が楽しめます。 でも、食いしん坊の私は、この海がおいしい甘エビやカニ、ブリなどの魚介類を育てるんだよね、なんて思ってしまいます。 その能登金剛には機具岩(はたごいわ)があります。 能登二見(のとふたみ)ともいわれる美しい夫婦岩。 もともとは能登に織物技術を広めた神様が山賊に会い、とっさに織り機を投げたという説が残るのですが、縁結びの気多大社にお参りしたあとですから、ここでは夫婦岩に見る夫婦愛に想いを馳せたいものです。 その後は門前にある総持寺祖院を巡ります。 明治44年に横浜・鶴見へ転移するまで、こちらが大本山。 現在の建物は焼失後の明治38年に再建されたものですが、堂々たる姿を見せます。 門前という地名だけあって、山門のそばには数軒のお店が並び、その先の海には北前船が寄った港があります。 かつて、日本各地から僧侶たちが北前船に乗って、総持寺祖院まで修行に来たほどの名寺。 まさに、伝統あるパワースポット。心の洗濯ができる場所です。 |
輪島のお寿司屋さんで。季節に応じた旬の魚介類が提供されます
七尾湾に面した名倉温泉。景観も湯も抜群です
春から夏にかけては、日本海の風が気持ちいい。 パワースポットや海を巡る旅をするのにもってこいの季節です。 もちろん、海の幸だって、うんと楽しめます。 冬は冬で観光にはちょっと寒さが厳しいのですが、反対に海の幸ははるかに豊富になります。 子持ちの甘エビ、解禁になった近海保証の「加能カニ」、寒ブリ、カキ……。 町の食堂、お寿司屋さんでも味わえますし、温泉旅館も海の味覚が中心になります。 能登を代表する温泉といえば、カキの養殖で有名な七尾湾に面する和倉温泉です。 日本屈指のパワースポットと温泉、みごとな景観を楽しめ、とことんおいしいもの三昧の能登の旅。いかがですか? |
< PROFILE >
遠藤 里佳子
旅行雑誌ライター。国内外の旅を多く取材。全都道府県を制覇(通過ではなく宿泊をしてカウント)したのは32歳のとき。ハワイやカナダ、オーストラリア、東南アジア、中国など太平洋圏に詳しい。
遠藤 里佳子
旅行雑誌ライター。国内外の旅を多く取材。全都道府県を制覇(通過ではなく宿泊をしてカウント)したのは32歳のとき。ハワイやカナダ、オーストラリア、東南アジア、中国など太平洋圏に詳しい。