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アウトドア愛好家(キャンパー)たちにとって、雪の便りが聞こえるまでが“最高”のシーズン。長い夜を静かなキャンプサイトで楽しむために、アウトドアへ出かける人は少なくない。そんな特別な夜こそ「自家製果実酒」がいちばんなのだ!
さまざまな果実酒をキャンプのときに、ぜひ!
果実酒の歴史は古く、古代エジプトでも造られていたし、中国では2000年前から盛んだったという記録が残っている。

果実酒はリキュールの1種であり、蒸留酒や醸造酒などに香味成分を配合して仕上げたお酒のことだ。

難しく書けば、「蒸留法」「浸出法」「エッセンス法」などの製造方法があるが、日本の果実酒は「浸出法」で造られている。

また、リキュールには修道院の修道士たちがさまざまな果実や花のエキス、蜂蜜などを取り入れて、“薬用”の名のもとに造ってきたという歴史もある(修道士、飲んでたんですね!)。

日本では梅酒さえ造ることが禁じられていた時代もあったが、徐々に緩和されて自家製の果実酒が楽しめるようになった。



アウトドアの夜、自分が丹精込めて造った果実酒を持ち込む。

虫の声を聞きながらお酒を傾ける夜は、想像以上に素敵なひとときになるだろう。
造る過程もひとつの楽しみ
発酵酒や蒸留酒をベースに、果実や糖類を加えて造る加工酒が果実酒だ。

ベースにする酒は本格焼酎、甲類焼酎(ホワイトリカー)、ウォッカなどのアルコール度数が高い、無色透明な蒸留酒が初心者にはいいだろう。

1/砂糖について
糖分は甘味をつけるだけでなく、酸味や苦味を和らげて、果実の成分浸出を促す役目を果たしている。
氷砂糖が一般に使われるが、グラニュー糖や蜂蜜でも代用できる。各種トライして、味比べを試みるのも楽しい。
ヘルシー志向なら糖分を抑えてもいいだろう。甘味が足りなければ、飲むときに蜂蜜を加えればいい。

2/果実の完熟一歩手前
香りが豊かな旬の果実が果実酒造りには最適。
旬の時期に買って漬け込でいけば、さまざまな果実酒が楽しめる。
なお、酸味が強い果実ほどコクがあって、芳醇なお酒ができるのだ。
新鮮な果実を使うのがコツで、“熟し過ぎ果実”は崩れやすく不向き。完熟一歩手前の果実を使おう。

3/保存方法に注意
一般の焼酎や日本酒と同じで、直射日光、火のそばを避けて、温度差の少ない場所に保管するように心がけよう。
低温であればなおいい。
漬け込んだ日付を書いておくのも忘れずに。

4/漬け込み時間の目安は?
果実酒は漬け込めば漬け込むほどおいしくなる。それを考えると、3か月ぐらいが目安になる。
ただし、実の柔らかいものは浸出が早いので、1カ月ほどでも十分においしく飲める。反対に、実の堅いものは半年ぐらいの時間が必要。
自分の目で色を確かめ、舌で吟味し、漬け込み期間を調整していくのも果実酒造りの楽しみだ。

5/取り出したほうがいい果実もある
「果実酒はないけれど、梅酒なら造ったことがある」という人は多いだろう。梅酒の場合、ほとんどの人が梅を取り出さないままでいる。しかし、果実酒となるとそうはいかない。
果実の取り出し時期も重要なのである。
たとえば、柑橘類だと取り出さないでいると、徐々に苦味が出てしまう。
また、果実を入れたままにしたために、果実が溶け出して酒が濁ってしまう場合もある。(このときはキッチンペーパーなどを利用して漉すと美しい酒に戻る)。
果実酒は漬け放しにしないで、面倒を見るのがうまく造るポイントなのだ。
熟成後は崩れ出した果実をきれいに漉し、別の瓶に保存するといい
これまでを読んできて、「来月のキャンプに間に合わない」という人もいるだろう。 でも、果実を選べば、1カ月後のキャンプに、極上自家製果実酒を飲むのも可能だ。

ここでは、短期間でできる果実酒を紹介しよう。



ゆず酒

[材料]
ゆず3個、レモン2個、氷砂糖100g、ホワイトリカー900?

[造り方]
1、ゆずは皮をむき二つ割りにする。レモンは皮をむき、適当に輪切りにする。
2、ゆず、ゆずの皮1個分、レモン、氷砂糖を保存瓶に入れ、ホワイトリカーを入れる。
3、10日後に皮を出す。ゆずとレモンは1カ月後に取り出す。熟成には2カ月かかるが、1カ月後でもおいしく飲める。




ネーブル酒はわずかにオレンジ色で美しい
ネーブルオレンジ酒

[材料]
オレンジ(ネーブル)500g、氷砂糖200g、ホワイトリカー900?

[造り方]
1、オレンジはよく洗って、1cmぐらいの輪切りにする。へそとおしりは取り除く。
2、オレンジ、氷砂糖とホワイトリカーを保存瓶に入れる。
3、1カ月後にオレンジを取り出す。飲みごろです!


キウイ酒はなかなかに美味
キウイ酒

[材料]
キウイ5個、レモン1個、氷砂糖200g、ホワイトリカー900?

[造り方]
1、キウイは皮をむき、横半分に切る。レモンは皮をむき輪切りに。
2、キウイ、レモン、氷砂糖、ホワイトリカーを保存瓶に入れる。
3、1カ月後にキウイとレモンを取り出す。1カ月で飲めるが、熟成には2カ月かかる。


そのほか、レモン、グレープフルーツ、りんごなどもおすすめ。炒りたてのコーヒー豆でもおいしい自家製酒ができる。
ぜひ、チャレンジしてください。
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●大手お酒メーカー、サントリーの果実酒サイト
http://www.suntory.co.jp/wnb/kajitsushu/fruit/index.html

●果実酒造りに必要なものがわかります
http://www17.ocn.ne.jp/~ponton/kajitsushu/dougu.html
< PROFILE >
浜口昭宏
雑誌やWEB編集を始めたばかりの新米編集者。超がつくほどのアウトドア初心者のため、猛勉強中。アウトドアの中で大好きなシチュエーションは、ビールがおいしいBBQ。
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