「川崎大師」は1128年に開創されました。開基は尊賢上人、創建功徳主は平間兼乗師で、全国的に厄除けの名所として知られています。川崎大師は参道も充実。古人たちが楽しんだ“お参り+参道遊び”を味わってみませんか? |
「大山門」から「大本堂」を見る。右側には「お水屋」や「お護摩受付所」がある ご夫婦で参拝している姿を多く見かけた
赤穂浪士の生き残り2人の武士を描いた『最後の忠臣蔵』、そろばんでお家を救った侍が主人公の『武士の家計簿』、スマップの稲垣吾郎がなんとも憎らしい『十三人の刺客』、江戸時代からやってきた武士がお菓子作りを覚える『ちょんまげぷりん』(子役はあのマルマルモリモリの鈴木福くんです)。 これだけ多くの武士映画が製作される背景には、女子のあいだで時代小説がブームになったこともあるのでしょう。 私の場合は時代小説といえば、最初に思い浮かべるのが司馬遼太郎と池波正太郎です。 まあ、司馬遼太郎の場合は、『竜馬がゆく』、『燃えよ剣』などを代表に、坂本龍馬、土方歳三などの実在の人物を取り上げた作品が印象的です。 一方の池波正太郎は、『仕掛人藤枝梅安』や『剣客商売』などを代表に、「痛快娯楽時代小説」といった感が強く、読んでいてずんずん引き込まれてしまいます。 さらに、池波小説のおもしろさは主人公たちが食べる当時のご馳走(レシピまで)や、主人公たちが休日にお参りをして、参道でお菓子をほおばる様子が伝わることです。 主人公がお参りに行き、その後でお餅やお団子に舌鼓を打ち、おみやげに“だるま”などの縁起物を買う姿がリアルに描かれています。 さて、日本有数の厄除け寺として知られる川崎大師ですが、その参道には昔ながらのお店が勢ぞろいしています。 カップルで、ファミリーで、もちろん女の子同士でも、厄除けと参道散策に出かけてみませんか? きっと、古人たちの休日の姿が想像できるはずです。 |
境内で売られていた。「鎌で刈り、箒で掃き、熊手で掻きよせ、鍬で鋤よせ、箕の中に宝をよせる」 川崎大師名物といえば「久寿餅」。参道には何軒ものお店がある もうひとつの名物は「飴」。のど飴、きなこ飴など種類は多い
川崎大師は正式には「真言宗智山派金剛山金乗院平間寺」といい、ご本尊は厄除弘法大師です。 わたしが川崎大師の名前を知ったのは小学校のころでした。 バスで通学していたのですが、運転席の横に「川崎大師」の御守りがぶら下がっているのを何度も目撃しました。 もろもろの災厄をことごとく消除する厄除大師だけに、運転手さんが川崎大師に祈願に行って御守りを授かってきたのでしょう。 現在でもさまざまな厄を除いてくれる「お護摩」や、自動車交通安全祈願などのために訪れる人はあとを絶ちません。 「Smart Access」の読者はクルマの運転が好きな人でしょう。 ならば、「事故は無理と迷いの心が招きます。 弘法大師さまのご加護をいただき、穏やかな心でハンドルをにぎり、その心を持ち続けられますよう祈願…」という、川崎大師の自動車交通安全祈願は断然のおすすめです。 ちなみに祈願料は1台5000円ということです。 |
だるまも縁起もの。両目を描き込める日はいつ来るのでしょうか さまざまな名物が並ぶ参道は活気があります。江戸時代も同様の賑わいだったのでしょう
川崎大師の参道にもさまざまなお店が並びますが、売られているものはそれほど多くはありません。代表的なものをあげてみましょう。 まずは「久寿餅」でしょう。 川崎は小麦の産地でした。 あるとき、雨に濡れた小麦を樽に移して水に溶いて放置しておいたところ発酵し、それを加工して蒸したところ、久寿餅ができあがったと伝えられています。 その餅の名は、餅を作った久兵衛の久の字に、無病長寿を祈念して寿をとって久寿餅となり、いつしか川崎大師の名物になりました。 今では川崎大師久寿餅組合が結成され、参道には数多くのお店が並びます。 そのほかには、飴屋さんも参道の名物です。名物の「のど飴」など種類も多く、飴を包丁でリズミカルに刻む姿が見かけられます。 さらに、「だるま」屋さん、お煎餅屋さん、お香のお店などが並びます。 参道の土産店らしく“縁起もの”が多く、まさに大師土産にはぴったりです。 江戸の時代の昔から参拝者たちが、大師で厄除を祈願し、久寿餅で休憩をとり、飴やだるまをお土産にして帰りました。 川崎大師への小さな旅は、パワースポットめぐりだけでなく、江戸の昔を知るお出かけでもあります! |
ご紹介したパワースポットと観光名所。
ぜひ覘いてみてください。観光した気分になりますよ!
●川崎大師
http://www.kawasakidaishi.com/index.php
●久寿餅関連のページ
http://www.kuzumochi.com/kumiai.htm
< PROFILE >
遠藤 里佳子
旅行雑誌ライター。国内外の旅を多く取材。全都道府県を制覇(通過ではなく宿泊をしてカウント)したのは32歳のとき。ハワイやカナダ、オーストラリア、東南アジア、中国など太平洋圏に詳しい。
遠藤 里佳子
旅行雑誌ライター。国内外の旅を多く取材。全都道府県を制覇(通過ではなく宿泊をしてカウント)したのは32歳のとき。ハワイやカナダ、オーストラリア、東南アジア、中国など太平洋圏に詳しい。