「旅行したい街」として常に上位にランクインする博多は、“モツ鍋”“ラーメン”などが人気ですが、食べるだけが魅力ではありません。「学業の神様」として全国に知られる太宰府天満宮をはじめとするパワースポットも多いのです。 |
博多の人々の櫛田神社信仰は厚い。気軽に訪れて手を合わせていく 櫛田神社の境内に年間を通じて設置されている「飾り山笠」
館長にいろいろなお話をうかがったのですが、距離が近いこともあって、九州と大陸(いまの中国)の関係が非常に深いことを知りました。 遣隋使船や遣唐使船を含め、さまざまなかたちで大陸の文化が九州に上陸しているのです。 博物館にもそれに関する展示が多数ありました。 博多の街を散策していても、その痕跡が見つけられます。 「うどん」は市内の博多駅前1丁目にある承天寺を開いた聖一国師が中国から持ち帰ったと伝えられており、承天寺境内には「饂飩蕎麦(うどんそば)発祥之地」という石碑が建っています。 さらに、聖一国師は親切にしてくれた茶屋の主人に、中国で覚えた饅頭の作り方も伝授し、これが日本での饅頭のはじまりだったとか。 さまざまな“日本ことはじめ”が、博多にはあるのです。 ☆ 博多市内のなかで、昔の面影を残す上川端町の一角に、「櫛田神社」があります。 博多の総鎮守として「お櫛田さん」の愛称で博多の人々から親しまれている神社なのですが、ここがまさに博多最大のスピリチュアルスポットです。 創建は平安時代とも伝えられ、博多が町として整備される前からあった神社だけに、それほど大きな神社ではないのですが、市民の信仰も厚く、訪ねたときは結婚式が行われていました。 |
「博多町屋ふるさと館」にあった祭り時の姿をモチーフにした人形 全国にその名を知られる太宰府天満宮。梅の時期はとくに美しい
まずは5月の「博多どんたく」。 7月初旬の「注連(しめ)下ろし」からはじまり、大太鼓とともに一番山笠から順に櫛田神社に入り、その後に市内約5㎞の「追い山笠コース」を地域ごとの山笠が走る「追い山笠」まで、約2週間かけて行われる「博多祇園山笠」。このときは市内に壮大な「飾り山笠」も飾られます。 さらに、10月には「博多おくんち」が行われます。 つまり、博多の歴史的な例祭は櫛田神社を中心に行われているといっても過言ではありません。 櫛田神社の境内には博多市内で唯一、年間を通じて展示されている「飾り山笠」がみごとな姿を見せます。 その大きさにはきっと驚くでしょう。 櫛田神社では、博多市民同様に大きなパワーを授かることができます。 櫛田神社周囲にはレトロ感たっぷりの「博多町屋ふるさと館」があります。 ここでは博多織、博多人形などの工芸品の販売のほか、博多祇園山笠がわかる展示室などもあります。 |
吊るされた絵馬の数に圧倒される。受験生たちの想いが込められて 市内にもお店は多いが、やはり長浜地区に出かけて食べたい長浜ラーメン 中洲周辺を中心に数多く点在する博多の名物・屋台。ぜひ、ひとときを
その御墓所の上に造営されたのが太宰府天満宮です。 菅原道真公は「学問の神」「至誠の神」として尊敬を集めていましたから、やがてその御利益は広く伝わり、今では全国から受験生が訪ねるようになりました。 ちなみにホームページでは遠方や事情により参拝できない人のために、「学業祈願」として、御神符の送付を行っているくらいです。 全国の受験生たちや学業に励む人の太宰府天満宮信仰は絶大。それは、吊るされた莫大な数の絵馬からもうかがえます。 全国に知られるパワースポットだけに、博多の中心部からは多少離れていますが、ぜひ訪れたいものです。 ☆ パワースポットめぐりを終えたあとは、博多ならではの観光を楽しみましょう。 名物、長浜ラーメンは欠かせないでしょうし、モツ鍋や冬場なら巨大な魚“アラ”もたまりません。 でも、いちばんのおすすめは中洲周辺をはじめ、天神などにもある屋台です。 屋台は「一期一会」の場所。地元の人、遠来の旅人と席を並べ、お酒をいただき、“めんたいこ卵焼き”などをつつく。 至福のひとときです。 |
ご紹介したパワースポットと観光名所。
ぜひ覘いてみてください。観光した気分になりますよ!
●福岡・博多の観光案内サイト「よかなびweb」
http://www.yokanavi.com/jp
●博多祇園山笠
(歴史があり、壮大なお祭りだけに独自のホームページがあります。ぜひ、ご覧ください、すごいですよ!)
http://www.hakatayamakasa.com/index.php
●大宰府天満宮
http://www.dazaifutenmangu.or.jp/
< PROFILE >
遠藤 里佳子
旅行雑誌ライター。国内外の旅を多く取材。全都道府県を制覇(通過ではなく宿泊をしてカウント)したのは32歳のとき。ハワイやカナダ、オーストラリア、東南アジア、中国など太平洋圏に詳しい。
遠藤 里佳子
旅行雑誌ライター。国内外の旅を多く取材。全都道府県を制覇(通過ではなく宿泊をしてカウント)したのは32歳のとき。ハワイやカナダ、オーストラリア、東南アジア、中国など太平洋圏に詳しい。