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コンパクトカメラでも現在のものは、いろいろな設定ができるようになりました。でも、撮影のたびに設定を変えるとなると面倒です。そんなときの知恵や、恒例の木下カメラマンが語るプロの世界の変化、壁紙のプレゼントなど多角度から“写真”を遊んでいきましょう。

福岡・中州の屋台街です。こちらはISO設定800で撮影しました。カメラが自動的にシャッター速度などを調整、ほぼ静止した状態で人物をとらえています


こちらはISO設定200で撮影しています。中央にいるカップルがうまくブレて、深夜にかけて混雑する中州屋台街をとらえた動きのある写真になりました
デジタルカメラでも一眼レフカメラであれば、ボディ外側に付いている各種ボタンの操作で、比較的容易にISO感度、シャッター速度、露出、ピントの設定などが変更できます。

しかし、コンパクトカメラの場合、望遠と接写の操作はワンタッチで簡単にできても、そのほかは「MENU」から入って、画面を複数回押して各種設定を変えないといけません。

これが案外面倒なのです。
ただし、コンパクトカメラの場合、「シーン」などを選んだら、その後はカメラ任せにしてしまう人が多いでしょうし、カメラもそれに応じてくれるような仕組みになっています。各種設定を気にしなくても、カメラが自動的にうまく撮影してくれるのです。
ですからコンパクトカメラで設定にこだわり過ぎるのも疑問ですが、ごく簡単な操作で仕上がりの違いが楽しめる方法があります。

筆者の場合は「ISO感度」の変化で写真を楽しんでいます。
コンパクトカメラは「自動的に上手に撮影しよう」としてくれますから、その特性に存分に甘えるわけです。
たとえば、ISO感度を100にしたとしましょう。
この場合は暗いところではあまり光をとらえてくれません。それを自動的に補正しようとして、シャッター速度は遅くなります。

一方、ISO感度を1600などにした場合は、光をずいぶんとらえ、その状況のなかでうまく撮影しようとカメラが補正してくれてシャッター速度が速くなります。
こんなワンタッチの操作でも写真は変わるものです。


プロカメラマンをしていると、多くの人に「何を意識して撮影するのですか?」と尋ねられます。私の回答はひとつだけ。「撮りたいものをよく観察しましょう」です。
人物でも物でも風景でもすべて同様なのです。
撮影したいものをいかに表現(撮りたいか?)したいのか? ファインダーを覗きながら悩んでください。



と、ここで、いきなり前言を撤回します(笑)。
「悩んでください!」と書きましたが、実はこれは昔の話なのです。
カメラがデジタルになったので悩む必要はありません! これだ!と思ったらどんどん撮るのがいい写真への答えなのです。
フィルムカメラの時代ですと、なんでもかんでもシャッターを切ることはできませんでした。プロが使用するスライド用のフィルムが36枚撮りで1000円前後、現像代も1000円前後。たった36枚の写真を撮影するのに2000円もかかっていたのです。
しかし、デジタルカメラなら経済的な心配はありません。
どんどん撮っちゃう。そして後からじっくり選べばいいのです。



僕らのような写真を仕事にしているプロの世界でもそうなのですから、デジタル時代の今、以前ほど撮影の前にあれこれ考えるケースは少なくなりました。
もちろん、プロの世界なので撮影前にもいろいろ考えますが、まずは撮ってみる。そして、出来上がった写真から選び出すという仕事の形も増えています。
この方法が案外おもしろい写真を生んでいます。プロの世界もデジタルになってかなり変化しているのです。



今回の写真は奄美大島のパイナップル畑にお邪魔した時の写真です。
仕事ではなく、プライベートで行ったときの撮影ですが、A~Fの順番が実際に撮影した順番でもあります。
パイナップル畑での写真がどのように変化していくのか、私の視線がどう変わっていったのかが理解できると思います。撮影の方法、表現の違いで同じパイナップル畑の写真でも変化するものなのです。
写真A
写真B
写真C
写真D
写真E
写真F
< PROFILE >
きのした けんじ
1955年東京生まれ。国際スポーツプレス協会会員。スポーツ、海、山を中心に世界を舞台に撮影を続ける。写真集『栄光 サッカーWCメキシコ大会』、『熱狂 サッカーWC日本韓国大会』、『Last Snow』など。



豪雪だった冬もひと段落してめっきり暖かくなりました。

地面の中や木の枝で寒さに耐え、芽を出す準備をしていた草花たちも出番です。

日本はフラワーパークが多い国でもあります。

これまでにもこの欄で「夏の花を撮りにいく」、「コスモスを撮る」でもフラワーパークをご紹介しましたが、各地の名フラワーパークをご紹介します。

調べてみると自然が豊かな北海道や東北には案外フラワーパークと呼べる存在がありません。自然の花を楽しんで!ってことなのでしょうか。


○あしかがフラワーパーク(栃木県足利市)
1年間を8つの季節に分けて見どころを作っています。4月中旬から5月中旬は「ふじのはな物語」。名物の600畳敷の大藤がみごとな姿を見せます。その後はバラ、シャクナゲと続き、6月上旬からは花菖蒲、あじさいが美しく咲き誇ります。
http://www.ashikaga.co.jp/index2.html

○茨城県フラワーパーク(茨城県石岡市)
バラのテラス、花壇、花木見本園、大温室、展示温室などが整備されるフラワーパークで、さまざまな彩の花を楽しめます。たとえば4月なら花壇でシバザクラ、花木見本園でシャクナゲやボタン、大温室でインドソケイといった具合です。
http://flowerpark.or.jp/index.html

○ぐんまフラワーパーク(群馬県前橋市)
広大な敷地と種類豊富な草花を誇るパーク。魅力は「7大まつり」で季節によってチューリップ祭り(4月中旬~)、バラ祭り(5月上旬~)、ダリア祭り(7月初旬~)、日本一のサザンカ祭り(11月初旬~)などが開催されます。
http://www.flower-park.jp/index.html

○京王フローラルガーデン アンジェ(東京都調布市)
「京王百花苑」がリニューアルして欧風庭園としてオープン。フラワーグッズを豊富に揃えているショップも人気。また、定期的に「アンジェ写真コンクール」を開催しているので、ぜひ応募してみてください。
http://www.keio-ange.info/index.html

○白浜フラワーパーク(千葉県南房総市)
「春が早い房総でポピー摘み」はまさに春先の定番ドライブコース。ポピー、菜の花、キンセンカ、ストック、マーガレットなどで迎えた春をマリーゴールドやサルビア、アメリカ芙蓉、ひまわりの夏が引き継いでいきます。
http://flowerpark.awa.jp/

○掛川花鳥園(静岡県掛川市)
花だけでなくて花鳥園。ふくろう、インコ、ペンギンといった愛嬌のある鳥類にも会えます。また、「雨の日デートはここで!」とPRしているだけに、敷地内のほとんどが温室。天候に左右されずにドライブができます。
http://www.kamoltd.co.jp/kke/index.html

○はままつフラワーパーク(静岡県浜松市)
珍しいのは「メキシカンガーデン」や「バリガーデン」などの砂漠の中の個人庭園や南国バリのホテルの庭をイメージした展示。さまざまな工夫を用いて花を美しく見せています。花散歩、花ウォーキングなどのイベントも開催。
http://www.e-flowerpark.com/index.html

○なばなの里(三重県桑名市)
中京地区が誇るレジャースポット「ナガシマリゾート」にある長良川の水辺の美しい施設。日本最大級の1万3000坪の「花ひろば」は5月上旬まではチューリップが咲き乱れます。あじさい・しょうぶ園も8000坪と広大です。
http://www.nagashima-onsen.co.jp/nabana/index.html

○七尾フラワーパークのと蘭の国(石川県七尾市)
七尾市の丘陵地にあるフラワーパーク。日本海側最大級ドーム型展示温室「蘭遊館」では蘭が咲き誇ります。約800種、1万株の蘭を栽培しており、季節ごとに蘭の入れ替えも行っています。蘭の魅力に惹きつけられるでしょう。
http://www.notorannokuni.com/

○神戸市立フルーツ・フラワーパーク(兵庫県神戸市)
パーク内の花壇では年間を通じて四季折々の花が眺められます。また、フルーツも園内で栽培しており春には桃の花、梨の花、りんごの花に見とれ、夏以降はフルーツ狩り体験ができるという二重の楽しさを提案しています。
http://fruit-flowerpark.jp/

○とっとり花回廊(鳥取県南部町)
花ももちろん美しいのですが、とっとり花回廊から眺望する大山の素晴らしさにうっとりしてしまいます。温室のフラワードームを中心に回廊のように構成されており、四季折々の花が楽しめます。ホームページには壁紙サービスもあります。
http://www.tottorihanakairou.or.jp/

○フラワーパークかごしま(鹿児島県山川町)
さすがに南国・鹿児島。ブラジルやオーストラリア、南アフリカなどの世界の国々からハイビスカスやブーゲンビリアなどの亜熱帯植物を中心に栽培、展示しています。花と樹木を一体化した構成も訪れる人々を癒してくれます。
http://www.fp-k.org/
「Smart Access」おでかけマガジン 読者プレゼント
「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!
『2013年カレンダー・フォトコンテスト』

NHKの海外向けサービスが「NHKワールド」です。
四季折々の日本の魅力を世界に伝える広報活動の一環として開催されるフォトコンテスト。入賞作品はカレンダーになって世界各地へ届けられます。
http://www.nhk-sc.or.jp/photocon/
応募締切:2012年4月13日
賞品など:金賞1点20万円と副賞
銀賞1点10万円と副賞、そのほか優秀作品賞、佳作など。
※金、銀、優秀作品賞は壁掛けカレンダー、佳作は卓上カレンダーに掲載されます。
編集部が取材で出かけて撮影したたくさんの写真の中から、壁紙向きの写真をプレゼントします。お気に召されたら、壁紙などにお使いください。
日本各地を取材旅行に出かけると、随所で「水」がある情景に出会います。海、川ではなくもっと小さな水です。そんな写真を集めました。

秋田に出かけたときです。近くには湧き水の郷があり、そばには田んぼがありました。

全国を旅すると水に恵まれた土地が多いのに気づきます。水のミネラルで疲れが飛びます。

こちらも名水のある土地で撮影したものです。美しい水はお料理もおいしくします。

奥飛騨の山間にある温泉旅館の玄関横にありました。冷たい水が野菜を宝物に変えました。
< 著者PROFILE >
構成と写真
篠遠行彦
東京都生まれ。雑誌編集長などを経てカメラ&ライターになる。かつてはパキスタンの日本総領事館に勤めていたという異色の経歴をもつ。
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