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これからの季節、さまざまな花が咲き乱れ、私たちの生活に一層の楽しみを与えてくれます。もっと花に親しんでみようとネットで検索すれば、「フラワーアレンジメント体験」、「ガーデニング体験」がたくさん。一度、学んでみませんか?

フラワーパークに定期的にお出かけすると季節の移り変わりがわかります


ドライフラワーと細かく切った樹木に染色して作った造花を組み合わせます(途中の段階)
もう20年ほど前のことだ。僕はある雑誌の副編集長だった。

雑誌のページは著者や編集者自身が取材したことを基に、担当編集者がキャッチ文や写真を構成して“ラフ”を作り、それをグラフィックデザイナーがきれいなページに仕上げている。

“ラフ”とはページの設計図に当たるものだ。
編集者になって5~6年も経つとラフ作りには慣れるのだが、マンネリというジレンマに陥る。どうしても好みの色、好みのスタイルが多用され、無難な形式に落ち着いてしまうのだ。

「なんとかしなくちゃいかん!」と思った僕は、新しい世界で学んでみようと思った。

そして、入門したのが華道の池坊だったのだ。

月に二度だけだったが、池坊流内でもかなり著名な高齢の女性師範に約3年間学んだ。

これが案外、僕に合っていて、自分自身でもとても驚いた。

花に触れ、生けていくのが楽しいのだ。師範も飽きないように工夫してくれたのだろう。季節に合わせた花を選んでくれたし、クリスマス用の生け花、正月用の生け花も学んだ。

自由に生ける「自由花」では色の組み合わせと、全体のバランス、バランスを保つために何を省くかという「+」だけでなく「-」の重要さを覚えた。

とくに僕が好きだったのは、池坊の特色のひとつである「生花」だった。花の特徴を知り、その植物の自然の姿を連想しながら生ける様式だ。剣山に対する花の生け方に池坊ならではの流儀があるが、それを守ったうえで生けるのがおもしろかった。

こうして楽しく花に触れ、数枚のお免状を手にした。

このときに学んだ数々は、その後の編集者としてのページ作りに大きな影響を与えたと僕は思っている。

ピンセットやハサミを用いてていねいに仕上げていきます


完成作品の一例。イエローの造花と白いドライフラワーがみごとにマッチしました
桜の花が散ると、周りはさまざまな花が咲き乱れる季節になる。

僕は暇な休日は近所の木場公園に出かける。

この公園にはボランティアの人が大事に育てたガーデニング広場があり、そこに行けば季節の花が理解できるのだ。

「菜の花が咲いたか」「水仙がきれいだな」「チューリップが花開いた」と、微妙な花の変化が毎週楽しめるのがうれしい。

今では生け花の道具すら自宅内に見当たらないくらいだが、花を眺めるのはいいものだ。

あるとき、近隣を散策していたら、「出張ドライフラワーアレンジ」というイベントに出会った。

あらかじめ用意されたドライフラワーと木の実、さらには東南アジアの樹木を染めて作った造花をアレンジして飾りつけていく教室で、参加者はハサミやピンセットを用いて細かいところにまで気を配っている。

華道に入門するのと異なり、すぐに「体験」ができるし、それでいてどんなバランスで飾るのか、配色はどうしようかなどと、まるで華道の門下生になったのと同様に悩む。

できあがったものを見て、参加者が思わず微笑む姿に、池坊で学んでいたときの自分が重なった。

教室では「苔玉作り」体験も行っていました


花はさまざまなことを教えてくれます。ぜひ、体験教室にお出かけください
インターネットで検索すると、フラワーアレンジメントと入れるだけで全国のさまざまな教室がヒットする。

その多くは毎週通うスタイルだが、なかには体験教室もあり、「まずは始めてみませんか」というものだ。

でも、僕がお勧めしたいのは全国にあるフラワーパークだ。

たとえば茨城県にある「茨城県フラワーパーク」ではプリザーブドフラワー体験教室、押し花体験教室ほかの体験教室が不定期で開催されている。

お出かけ可能な範囲のフラワーパークを検索し、体験教室を見つけてみよう。

季節の花を楽しみ、花と触れるひとときを過ごす。

僕がそうだったように、新しい世界で学んだことは、大袈裟に言えば、それからの人生にもいい意味で生きてくるだろう。

●全国のフラワーパークやレジャー施設がわかるサイト

[全国レジャー施設ガイド]
http://www.pocketmate.net/leisure_guide/
「ジェットコースター徹底比較」などの特集も人気のサイトです。このなかに「フラワーテーマパーク」の欄があり、全国のフラワーパークにアクセスできます。
それぞれのフラワーパークのHP内には「イベント情報」があるので、そこから体験教室を探してください。
< PROFILE >
木場 新
休日評論家。主な出版物に『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」を連載
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