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カーテンを開けたら雨…「どこにも行けないや」と、ゴロリとしてしまう休日。残念ながら最高の1枚を撮影するチャンスを逃しています。プロカメラマンたちは雨も狙っています。雨の街の写真展を開催したカメラマンもいるくらいなのです。 |
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スカッと晴れた初夏の日は爽快ですが、写真を生業とする私にとっては必ずしも「晴れ」は待ち望む天気ではありません。むしろ「雨」を望んでいます。もう少し正確に言うと「雨上がり」なのですが、雨の日や雨上がりには色々なドラマが待っているからです。
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写真A・Bは新緑とレンゲツツジを狙った写真です。
Aは曇りの日に、Bは雨の日に撮影しています。
雨の日に周囲一帯を霧が包み込み、背後にある木の幹がうっすらとしたことで、手前にあるオレンジの花が際立って見えます。画面全体で見ても幻想的な雰囲気が醸し出されています。
Aは曇りの日に、Bは雨の日に撮影しています。
雨の日に周囲一帯を霧が包み込み、背後にある木の幹がうっすらとしたことで、手前にあるオレンジの花が際立って見えます。画面全体で見ても幻想的な雰囲気が醸し出されています。
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写真A
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写真B
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写真C・Dは参道の石畳を撮影した写真です。
Cは晴れの日に、Dは雨の日に撮影しています。
石畳が雨によって潤ったことで、画面全体がしっとりとした落ち着いた雰囲気になりました。また、雨に濡れた紫陽花の葉の緑色が引き立ち、奥の杉木立もクッキリと見えます。
Cは影のでき方が面白いのですが、杉木立の様子や周囲の草の緑色なども暗く沈んでいます。
Cは晴れの日に、Dは雨の日に撮影しています。
石畳が雨によって潤ったことで、画面全体がしっとりとした落ち着いた雰囲気になりました。また、雨に濡れた紫陽花の葉の緑色が引き立ち、奥の杉木立もクッキリと見えます。
Cは影のでき方が面白いのですが、杉木立の様子や周囲の草の緑色なども暗く沈んでいます。
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写真C
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写真D
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写真E・Fは山間にあるローカル線の駅を狙ったモノです。
Fの写真を撮る10分くらい前までどしゃ降りの雨が降っていました。
山里に行くと、雨の間や雨が上がった時に山間から霧が湧き上がります。写真Fはその瞬間を狙ったものです。
その30分後、列車と絡めようと同じ場所に向かったときに撮影したカットがEです。
この時間帯には霧が晴れてしまい、雰囲気がなくなってしまいました。湧き上がる霧を狙える時間は思った以上に短いのです。
Fの写真を撮る10分くらい前までどしゃ降りの雨が降っていました。
山里に行くと、雨の間や雨が上がった時に山間から霧が湧き上がります。写真Fはその瞬間を狙ったものです。
その30分後、列車と絡めようと同じ場所に向かったときに撮影したカットがEです。
この時間帯には霧が晴れてしまい、雰囲気がなくなってしまいました。湧き上がる霧を狙える時間は思った以上に短いのです。
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写真E
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写真F
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写真G・Hは、紫陽花咲く駅のホームを狙った写真です。
Gは曇りの日、Hは雨上がりに狙っています。
列車を差し引いたとしても、Hの濡れたホームのほうがしっとりと落ち着いた風合いになり、紫陽花の花や緑に映えて見えます。
Gのホームは乾いて白っぽく、どうしてもそこに目が行ってしまい散漫に感じます。
Gは曇りの日、Hは雨上がりに狙っています。
列車を差し引いたとしても、Hの濡れたホームのほうがしっとりと落ち着いた風合いになり、紫陽花の花や緑に映えて見えます。
Gのホームは乾いて白っぽく、どうしてもそこに目が行ってしまい散漫に感じます。
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写真G
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写真H
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写真I
山間の道路脇にあった野池を撮影したものです。
梅雨時期ということもあり、朝から雨が降ったり止んだりの天気でした。
群馬県から長野県へと車を走らせているときに偶然に見つけました。池の畔には大樹があり、雨に濡れた周囲の緑にとても映えていました。幹も雨に濡れてしっとりとした雰囲気を醸し出してくれました。
雨でなければ、このしっとりとした雰囲気は出なかったと思います。
梅雨時期ということもあり、朝から雨が降ったり止んだりの天気でした。
群馬県から長野県へと車を走らせているときに偶然に見つけました。池の畔には大樹があり、雨に濡れた周囲の緑にとても映えていました。幹も雨に濡れてしっとりとした雰囲気を醸し出してくれました。
雨でなければ、このしっとりとした雰囲気は出なかったと思います。
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写真J
長野県乗鞍高原で朝の木道を撮影したものです。
この日は未明まで雨が降り、夜明けとともに太陽が顔を覗かせました。
前日、雨が降っていたので、湿原に通じる木道には霧が立ちこめ、そこに差し込んだ木漏れ日が美しい光芒を作り出してくれました。
木道を歩いてきた人がアクセントになっています。
この日は未明まで雨が降り、夜明けとともに太陽が顔を覗かせました。
前日、雨が降っていたので、湿原に通じる木道には霧が立ちこめ、そこに差し込んだ木漏れ日が美しい光芒を作り出してくれました。
木道を歩いてきた人がアクセントになっています。
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写真K
JR磐越西線の津川駅です。レンガ敷きのホームに小洒落たベンチがあったので、雨でホームが濡れたとき、街灯の明かりがホームに反射し、メルヘンチックな雰囲気になるだろうと思っていたポイントです。
たまたま雨の日に新潟へ向かう途中、磐越自動車道を途中下車して撮影した1カットです。思い通りの雰囲気に仕上がったことはいうまでもありません。
たまたま雨の日に新潟へ向かう途中、磐越自動車道を途中下車して撮影した1カットです。思い通りの雰囲気に仕上がったことはいうまでもありません。
ザーザー降りの雨の中で撮るのは少し難しいと思います。雨の日といっても、ずっと雨が降っていることは珍しく、雨が小降りの時間帯があります。
写真撮影をするのは、そのときがチャンス。また、雨上がりの朝を狙うこともよい写真をモノにできるコツです。
これから梅雨の時期に向かって雨の日が多くなり、出かけるのが億劫になりがちですが、重い腰を上げれば、そこには素敵な出会いが待っているはずです。
雨の日のドライブもなかなか風情があって面白いものです。
写真撮影をするのは、そのときがチャンス。また、雨上がりの朝を狙うこともよい写真をモノにできるコツです。
これから梅雨の時期に向かって雨の日が多くなり、出かけるのが億劫になりがちですが、重い腰を上げれば、そこには素敵な出会いが待っているはずです。
雨の日のドライブもなかなか風情があって面白いものです。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
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名所といえば関東近郊では北鎌倉の明月院でしょう。別名「紫陽花寺」として広く知られています。
しかし、アジサイ名所はほかにもたくさんあります。
雨に日にはカメラを積んで、紫陽花ドライブに行きませんか?
●鎌倉の紫陽花スポットをガイド
http://www.kamakuratoday.com/plan/ajisai.html
●関東の紫陽花名所をガイド
http://30min.jp/guide/557
●関西の紫陽花名所をガイド
http://30min.jp/guide/571
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テレビCMも数多く流され、今年は日本発着のクルーズの旅が話題を呼んでいます。
海外においても瀬戸内海や横浜などのクルーズは人気で、時折豪華な海外客船が神戸港、横浜港に入港します。
そんな背景もあるのでしょう、「横浜港とクルーズ客船」をテーマにした写真コンテストが実施されます。
コスタなどの海外客船や日本が誇る飛鳥Ⅱなども8月までに横浜港に寄港予定。撮影のチャンスは数多くあります。
ぜひ、豪華客船と横浜港をファインダーにとらえてください。
応募期間:2013年9月2日(月)~9月17日(火)
対象作品:2012年9月1日より2013年8月31日(土)までに横浜港で撮影した作品
特選1点、準特選1~2点、入選など。いずれも賞状と副賞。
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編集部が取材で出かけて撮影したたくさんの写真の中から、壁紙向きの写真をプレゼントします。お気に召されたら、壁紙などにお使いください。
☆
4月中旬に福島の山間部を旅しました。そのときに見つけた小さな春です。
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4月中旬に福島の山間部を旅しました。そのときに見つけた小さな春です。
< 著者PROFILE >
構成と写真
篠遠行彦
東京都生まれ。雑誌編集長などを経てカメラ&ライターになる。かつてはパキスタンの日本総領事館に勤めていたという異色の経歴をもつ。
構成と写真
篠遠行彦
東京都生まれ。雑誌編集長などを経てカメラ&ライターになる。かつてはパキスタンの日本総領事館に勤めていたという異色の経歴をもつ。