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八方除とはあらゆることに起因する災いや災難を取り除くこと。寒川神社は全国唯一のご神徳として知られます。訪れた日はまだ寒さが残る“年始”とは呼べない日。しかし、境内は参拝客であふれていました。

社殿で八方除の祈祷をする参拝者


天体の位置を観測する渾天儀のレプリカ


「八方塞がり」という言葉があります。

何をしても、どこに向かおうとしても先が見えず、どうしようもない状態をいいます。また、とるべき手段もわからずに、途方に暮れることでもあります。

こうなれば、まさにお手上げです。

パワースポットを巡ったり、ご朱印を集めるのは、このような状況に陥りたくないから、という人も多いでしょう。

「縁結び」には少々関係ない人生を送っている私は、むしろ先を照らしてもらうために、パワースポット巡りをしていると言っていいかもしれません。

一方で「八方除」があります。

地相、日柄、方位、家相などのすべてに起因する災いや、災難を取り除き、家業の繁栄や、福徳、円満、安全、幸福をもたらすための祈祷のことです。

寒川神社の社殿は、1997年に竣工しました。総桧造りの立派な社殿ですが、そのなかには八方除の祈祷を受ける参拝者たちが大勢いました。

全国各地よりわざわざ寒川神社を訪れ、八方除の祈祷をお願いするというのです。寒川神社も全国からお参りする人々に対応するために、1日も休むことなく祈祷を行っています。

なぜ、寒川神社はこれほどまでに八方除を願う人たちが集まるのでしょうか。

寒川神社は古来唯一の八方除の守護神として知られています。ご神徳はすべての悪事と災難を取り除き、福徳と開運をもたらすことです。

ご祭神は寒川比古命(さむかわひこのみこと)と、寒川比女命(さむかわひめのみこと)。

寒川比古命は相模國をはじめ関東地方を開拓、人々の暮らしの基本になる衣食住を指導した神様でもあります。

三の鳥居、手水舎の次にある神門


茅ヶ崎方面から訪れる時に通る参道


216名が一度に着席できるみごとな社殿


烏帽子岩が遠くに見える茅ヶ崎から、北に進むと寒川神社があります。

相模國一之宮と称されるだけに、社殿の建立は1600年ほど前と伝わっています。

現在は圏央道が開通して寒川北ICからすぐに行けるので、茅ケ崎に出なくても海老名方面からおでかけしやすくなりました。

しかし、茅ケ崎方面から産業道路を北上し、相模線を越える頃に左折、寒川神社に続く道を行くと一之宮の威厳ともいえる並木道を通ることになります。この参道が、どこか神秘的で“いい感じ”なのです。

参道の終わりが「寒川神社前」交差点です。その周辺に駐車場も完備しています。

駐車場にクルマを止め、参拝した後の人たちが寛いでいる休憩所の脇を抜けて社殿に向かいます。

手水舎を過ぎ、神門をくぐります。私が参拝した時は、年明けから日数が経っていましたが、まだ「迎春ねぶた」が神門に掲げられていました。もしかすると、掲げられた最後の休日だったかもしれません。

神門をくぐれば、正面に立派な社殿があります。

一般的に社殿は南を向いています。ところが、寒川神社の社殿は南西を向いています。

実は、寒川神社そのものが、江戸から見て南西の地。現在は皇居がある江戸のお城の裏鬼門に当たるというわけです。

寒川神社の位置と、社殿の向きは古来より関八州の守護神として、さらに江戸の裏鬼門を護る神社として信仰されてきた表れでもあるのです。

本殿に向かって右横にあるのが渾天(ごんてん)儀(ぎ)のレプリカです。

渾天儀とはギリシャや古代中国の天文家が用いた球型の天体器械です。角度を示す目盛を刻んだ環を組み合わせ、指針の回転によって天体の位置を知るのに役立てました。

星の“位置”は、古代より運勢を見るのに重要な役割を果たしています。占星術、六星占術などは有名です。パワースポットが好きなら、これまでに占星術の本を買った人もいるのでは。読めばわかるのですが、これらは天体の位置によって日々の吉凶が占われています。

八方除とも大いに関わりがあります。だからこそ、渾天儀が本殿のすぐ横に飾られているのでしょう。


お守りやおみくじを求める人たち


結び付けられたおみくじの数にびっくり


茅ヶ崎の海岸から望む烏帽子岩


全国から参拝者がやって来る寒川神社。もちろん、最大の目的は八方除です。

八方除の祈祷を希望するのなら、受付で「何を祈りたいのか」を告げるといいでしょう。

たとえば、家族のことや仕事のこと。縁結びもいいかもしれません。旅行や引っ越しのことも受け付けるとあります。

つまり、「八方」というだけに、身の回りのすべてのことが祈祷できるのです。八方除のご神徳は「転ばぬ先の杖」だそうです。

まずは、祈祷をする。それから先に進む。杖の役目が八方除なのです。

私も、今抱えている悩みを聞いていただきました。かなりプライベートなことですが。

祈祷の後は、やはりおみくじが引きたくなります。そして、それをしっかり読んで、おみくじによっては境内に結び付けて…。

結び付けられていたおみくじの数にも驚かされました。いかに、多くの方がここを訪れて八方除の恩恵に預かり、これから先の運勢を知るために、おみくじを引いているかという証拠でしょう。

すべての悪いことを一掃してくれる八方除の神社。相模國の一之宮は、ご利益がたっぷりでした。



寒川神社を参拝した後は、そのまま帰路についてもかまいません。しかし、せっかく烏帽子岩が遠くに見える茅ヶ崎まで来たのですから、湘南をドライブしてもいいのでは。

湘南海岸や江の島あたりでは、シラスを使った丼が人気です。また、女性なら喜びそうなイタリアンカフェの「イルキャンティ・カフェ」やパンケーキの名店「Eggs’n Things」も江の島に店舗を出しています。

さらに、おでかけマガジンの「体験」に掲載したクラゲの展示が美しい新江ノ島水族館もあります。

寒川神社のお参りと湘南を一緒に楽しむドライブ。とっておきのパワースポットめぐりになること間違いありません。

「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!

●寒川神社
http://samukawajinjya.jp/about/index.html

●クルマでおでかけ
圏央道寒川北ICを出たら右折。中里交差点より約2分。茅ヶ崎方面からは産業道路の利用が便利。駐車場は三の鳥居に向かって右側の先にある。
< PROFILE >
遠藤 里佳子
旅行雑誌ライター。国内外の旅を多く取材。全都道府県を制覇(通過ではなく宿泊をしてカウント)したのは32歳のとき。ハワイやカナダ、オーストラリア、東南アジア、中国など太平洋圏に詳しい。
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