アウトドア派の憧れの一つは、「キャンピングカーを所有して自在に国内旅行を楽しむ」こと。そこで、これからキャンピングカーを買い換える、あるいは新規導入を計画する人の声に耳を傾けてみましょう。キャンピングカー導入のヒントがあります。
キャンピングカーの国内保有台数は10万台を突破。中古車を含めると年間販売台数は1万台に達するというデータが出ています。
これまで“憧れ”でしかなかったキャンピングカーが、近年では身近なものになりつつあります。
それは、たとえばキャンピングカーでも気軽に安価で駐車泊できるトイレなどが完備された「RVパーク」の全国規模の設置なども要因です。キャンピングカーを保有すれば、宿泊施設に泊まるほどの出費もなく、さらに事前に予約などの面倒もいらずに気軽に泊まり旅ができるのです。こういった環境が整いつつあるのも、キャンピングカーの保有台数があがってきた理由でしょう。
☆
RVパークとキャンピングカーの普及活動、情報公開などを積極的に行っている日本RV協会は、アンケートも盛んに実施しています。
去る3月に発表されたアンケート結果は、日本RV協会のホームページを利用した、「キャンピングカー購入、ニューモデルへ期待すること」に関する調査でした。
日本RV協会のアンケートだけに、すでにキャンピングカーを保有している方がアンケート回答者には多くいます。だからこそ、買い換えに対する希望などは、「キャンピングカー憧れ層」にとっても参考になるでしょう。
まずはアンケート回答者200名弱に関しての情報をお伝えしましょう。
●キャンピングカーを所有していますか?
YES:82% NO:18%
やはり、8割を超える方がすでにキャンピングカーを所有しています。
●お住まいはどちらですか?
1 関東:34.5%
2 東海:14.3%
3 関西:13.1%
4 九州・沖縄:11.9%
以上が10%を超え、北陸・甲信越(7.1%)、中国(6%)、東北(6%)、北海道(4.8%)、四国(2.4%)と続きます。
●年齢はいくつですか?
1 50代:73.9%
2 40代:23%
3 30代:2.4%
4 20代:0.6%
ある程度生活に余裕がある層がキャンピングカーユーザーになっているのがわかります。
ただし、このアンケートには反映されていませんが、60歳を超えたリタイア世代が、軽キャンピングカーを購入してふたり旅を楽しんでいるという報告もあります。
●職業は?
1 会社員:42%
2 自営業:15.4%
3 会社役員:11.2%
4 公務員:8.4%
5 そのほか:23.1%
キャンピングカーは特別な人たちのものではありません。アウトドア派なら誰でも手にできるクルマなのです。
キャンピングカー所有者が回答者に多いので、ある意味では当然の結果といえますが、「次のキャンピングカーの購入時期」について、以下の結果となりました。
●キャンピングカーの購入時期について
1 1年以上経ってから購入したい:74.4%
2 1年以内に購入したい:12%
3 今すぐ購入したい:9.4%
4 半年以内に購入したい:4.3%
現在、キャンピングカーを保有している人でも、そのうちに買い換えたいという希望があるのが見え隠れします。
また、近年のキャンピングカーフェアの頻繁な開催によって、キャンピングカー保有者ではない人が、1年以内に買いたいという希望をもっていることもうかがえます。
キャンピングカー憧れ層にとって、どんなキャンピングカーを選んでいいのかは見当が付かない課題です。
そこで、キャンピングカーの先輩たちの声に耳を傾けてみてください。買いたいキャンピングカーがイメージできるのではありませんか。
●国産車か輸入車か。新車か中古車か。
1 国産の新車:65.9%
2 国産の中古車:16.7%
3 輸入車の新車:13.8%
4 輸入車の中古車:3.6%
編集室の考察です。一般的に輸入車は大きなタイプが多く、ベッドなどが固定されている、トイレやシャワーがあるなど居住性には申し分ありません。豪華な内装からキャンピングカーの王様のような印象すらあります。
しかし、そのぶん狭い山道などが多い日本の道路では運転しずらかったり、燃費の問題が生じます。
その点、日本の曲がりくねった坂道にも強く、運転しやすい国産車は経済面でも優位性がありそうです。
ただし、ベッドは組み立て式、トイレやシャワーが付いていないタイプがほとんどで、居住性には輸入車より劣るケースが見られます。
●キャンピングカーの購入予算は?
1 1000万円以下:40.8%
2 500万円以下:31%
3 1000万円以上:18.3%
4 300万円以下:9.9%
上記の国産車か輸入車かにも関連します。近年はキャンピングカーフェアが各地で開催されますから、そこで相場を見ればアンケート回答者の予算設定に納得できます。
国産の新車である程度の設備を整えたら500万円以上が相場になります。また、中古市場も活発になっていますから、そこでは500万円あるいは300万円以下の掘り出し物も期待できます。
大きくて居住性のよいキッチン、ベッドルーム、シャワールームなどを備えた輸入車を購入したいのなら、1000万円以上の予算になるのもうなずけます。
☆
●キャンピングカー購入の際にサイズは重要視しますか?
YES:96.6% NO:3.4%
キャンピングカーを購入したら何がしたいかというアンケート結果が以前発表されました。「秘湯を訪ねてみたい」なども目的の一つになっていました。
秘湯に行くのなら大型車ではむずかしい面もあります。
また、道路だけでなく保管場所も多いに関連します。自宅に駐車できるのか否か。
サイズの大きな輸入車を購入した人の中には、自宅から離れた郊外の高速道のインターチェンジ近くに、大型車可能な駐車場を契約している人もいました。
さらに、観光地での駐車場事情を考慮する必要もあります。加えて島国・日本では移動の際にカーフェリーを利用するケースも少なくありません。カーフェリーは全長で乗船料金が変わります。
広い道路がどこまでも続いているアメリカとは異なり、日本の道路事情、駐車スペース、日本の観光地の実態を考えるとサイズを重要視するのは当然でしょう。
☆
●どんな車種を次の購入で考えていますか?
1 キャブコン:41.7%
2 バンコン:25%
3 バスコン:11.1%
4 フルコン:6.9%
5 セミフルコン:6.3%
5 キャンピングトレーラー:6.3%
7 軽キャンパー:2.8%
キャブコンとはトラックをベースにした車両です。定員が多く、運転席の上などに常設ベッドを備えているケースも多く、居住性がいいのが特徴です。ただし、トラックベースだけにサイズは大きめ。山道運転などでストレスがある場合も。
☆
バンコンはバンタイプの車両を使用したタイプ。キャブコンに比べて居住空間は限られます。しかし、運転が楽で、走行時も快適です。
☆
バスコンはバスを利用したタイプ。居住空間も広いし、定員の多さも特徴です。また、もともと客を乗せるために開発されているので、運転時の乗り心地も安定しています。ただし、サイズは大きめです。
☆
フルコンとは専用のシャーシーを用いて、キャンピングカービルダーが室内のすべてを架装するタイプをいいます。
もちろん、トラックやバスを用いる場合もあるので、バスコンやキャブコンなどともいえますが、それよりも室内空間にビルダーの個性が出るのが特徴です。また、事前に希望をビルダーに出せば、オリジナル性の高いキャンピングカーも期待できます。
☆
キャンピングトレーラーはヘッド(一般車)に連結させて使う移動式居住部分です。ベッドなどが固定されている場合も多く、目的地では切り離して一般車だけでの行動も可能です。
比較的低価格なのが魅力ですが、運転には慣れが必要です。
☆
軽キャンピングカーは軽自動車ベースのものです。リタイア後のふたり旅などの新たな需要を生んでいます。また、渓流釣りのための単独行動のためなど、趣味を充実させる手段として、価格が安いので気軽に求める人もいます。
駐車スペースも小さくて済むので、趣味を充実させるためのセカンドカーとして軽キャンピングカーを購入する方も多いようです。
●安全かつ安心な走行性を実現するための強化を期待しますか?
YES:93.7% NO:6.3%
近年、一般車の自動停止装置などのさまざまな安全機能が注目されています。トラックやバスをベースにしたキャンピングカーでも同様に、話題の安全機能が望まれているのがわかります。
☆
●キャンピングカーのベッドについての期待
1 ぐっすり眠れる寝やすさ:40%
2 ベッドスペースの広さ:30.7%
3 ベッド展開のしやすさ:27.9%
4 そのほか:1.4%
キャンピングカーユーザーがアンケートに多く回答していることを考慮すれば、「最初はベッドが付いている」だけで満足してキャンピングカーを購入したけれど、今度はベッドにもっと気を遣いたいということでしょうか。
初めての購入の際にも注意したいポイントとなりそうです。
☆
●外装についてはなにを期待しますか?
1 安全かつ機能性を重視したデザイン:55.3%
2 軽量で堅牢なボディ:22%
3 第一印象のカッコよさ:14.2%
4 後付けできるアイテムの充実:7.1%
フルコンなどではビルダーがグラスファイバー素材などを使用して組み立てる場合が多く見られます。そのような場合でも安全性が高いのかどうか、運転操作に居住空間の重量やバランスが影響しないかどうかなどが問われているようです。
☆
●キャンピングカーの電気系統の充実について望むことは?
1 バッテリーの性能向上:34.8%
2 ソーラーシステム充電:32.9%
3 発電機の静粛性:16.1%
4 走行充電:15.5%
キャンピングカーでは普通車よりはるかに電気が重要になります。たとえば、エンジンを切った状態でのエアコン(快適に眠るために)、キッチン関連の電化製品(冷蔵庫、電子レンジ、湯沸かし器など)、室内灯など、電気が必要なものだらけです。
しかし、バッテリーが弱かったとしたら、満足な車中泊はできません。また、従来の音が大きな発電機を使えば周囲に迷惑をかける場合もあります。
その点、走行時やソーラーシステムでたっぷり充電し、それを蓄えて夜間などに使えれば、快適性は申し分ありません。
キャンピングカー初心者もクルマ選びの時に重要視したいポイントです。
☆
さて、アンケートを見てきました。
どんな車種がいいのか、なにに注意してクルマを選べばいいのかが「先輩たち」の意見をもとに、多少見えてきたのではありませんか?
理想のキャンピングカーに、クラリオン製のカーナビを装着して全国を“くるま旅”すれば、新しい世界が広がること間違いありません。
さて、アンケートを見てきました。
どんな車種がいいのか、なにに注意してクルマを選べばいいのかが「先輩たち」の意見をもとに、多少見えてきたのではありませんか?
理想のキャンピングカーに、クラリオン製のカーナビを装着して全国を“くるま旅”すれば、新しい世界が広がること間違いありません。
< PROFILE >
浜口昭宏
雑誌やWEB編集を始めて数年の編集者。超がつくほどのアウトドア初心者だったが、猛勉強をしてそれなりに成長。アウトドアの中で大好きなシチュエーションは、ビールがおいしいBBQ。
浜口昭宏
雑誌やWEB編集を始めて数年の編集者。超がつくほどのアウトドア初心者だったが、猛勉強をしてそれなりに成長。アウトドアの中で大好きなシチュエーションは、ビールがおいしいBBQ。