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  3. 連載第17回 「絞り」を変えて「ボケ」を作りメインの被写体を引き立たせよう
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プロカメラマンは常にファインダーの中で「主人公」を引き立てることを考え、そのために背景をぼかすなどのさまざまなテクニックを用いています。その一部をご紹介しましょう。


秋が深まってくると、気軽にドライブに出掛けた先でも紅葉が見られるようになります。綺麗な紅葉を見つけて思わずパチリ。でも思ったほど綺麗に写らない。そんな経験がありませんか? 
写真を撮るときに失敗しがちなのは、色々なものを入れすぎて、散漫な写真になってしまうこと。ではどうしたら、散漫にならないのでしょうか。
画面から余分なものを切り捨てるという手法も以前に紹介したひとつの方法です。しかし、方法はこれだけではありません。 以前このコーナーで、コンパクトデジタルカメラは焦点距離が短くてボケにくい。だからごちゃごちゃしてしまう……そんな話をしました。
今回の話も同じように「ぼかす」という方法です。ただし今回は、「絞り」と「前後関係」の観点からお話ししたいと思います。

写真A・Bは同じ撮影位置から同じ被写体を同じカメラ、レンズで撮影した写真です。違うのは「絞り」です。
写真AはF5.6、写真BはF16で撮影しています。
ここで注目したいことが2点あります。
ひとつは絞りによってボケの大きさが変わること。絞りを開ける(数字を小さくする)とボケが大きくなり、絞りを絞る(数字を大きくする)とボケは小さくなります。この辺りは皆さんもご存じかと思います。
もうひとつ注目したいのが、前後の関係です。つまり、写したいメインの被写体があって、その前後に別な要素があって、はじめてボケを生かせるのです。それが見てとれると思います。

写真A

写真B

まずは、絞りとボケの大きさについて見てみましょう。
写真C~Eは、同じ場所から同じレンズで、絞りを変えながら撮影した写真です。
わかりやすくするために、写真の背景になる風景をイメージして、わざとピントが合っていない状態で撮影してみました。
見ていただきたいのは、ボケの大きさです。
写真CはF2.8、写真DはF5.6、写真EはF11で撮影しています。
見ていただいておわかりの通り、絞りを開けた写真Cは大きくぼけ、写真Eになるほどボケが小さくなっています。
言い換えると、写真Cは模様のようになり、写真Eに近づくほどディテールがはっきりしてきます。当然、「ボケ」として画面背景に入れるのであれば写真Cということになります。絞りを開け、前後を大きくぼかし、メインの被写体に視線が向くようにしてあげるのがポイントです。

写真C

写真D

写真E

次に前後の関係について見てみましょう。
最初に覚えてほしいのは「前後関係があるからボケが生かせる」ということです。ここではあえてボケが生きてこない例を見たいと思います。
写真Fは、紅葉を狙った写真です。注目すべきは遠くにある平面的な紅葉をとらえているため、前後関係がなく、ボケとはあまり関係のない写真になっている点です。
撮り方が悪いというのではありません。平面的な被写体(遠くの風景など)はいくら絞りを変えても写真が変わらないということです(このような場合は、周囲の邪魔ものを排除する方法が有効です)。
一方、写真Gはごちゃごちゃ感を避けるために周囲を全て省いてしまい、撮りたい被写体だけを狙っています。結果として図鑑写真、あるいは記録写真のようになってしまう場合があります。前後関係もなく、平面的でボケもあまり関係のない写真になっています。
ごちゃごちゃするからといらないものを排除するのではなく、ボケを生かして、立体的で雰囲気のある写真を狙ってほしいと思います。以下にいくつか具体的な作例を紹介したいと思います。

写真F

写真G

紅く染まったカエデの葉を、まだ紅葉していない緑の葉のボケと対比して狙ってみました。背景もできるだけ黒っぽい場所を選んでぼかし、視線が紅葉に向くようにした写真です。ちなみに、後ろの白いものは、張り紙のようなものです。

写真H

お寺の境内にあった紅葉です。ただ紅葉だけを撮影したのではどこで撮っても同じモミジになってしまいます。かやぶき屋根の建物をぼかして入れることで、古刹で色づくモミジを印象づけています。建物をぼかすことで遠近感を残しつつ、モミジのほうに視線が集まるようにしています。

写真I

牧場で撮影した写真です。牧場をただ撮るのではなく、牧場を象徴する牧柵に注目して、前後のボケで引き立てています。絞りを絞って全体を写したのでは単なる牧場の記録写真です。前後を大きくぼかし、牧場を連想させるように撮影して、自分がイメージする「牧場」を表現しています。

写真J


このように前後のボケを生かすことで、メインの被写体を引き立てたり、自分のイメージをより強く引き出せるようになります。私も常に「ボケ」を意識しながら撮影に挑んでいます。秋の紅葉でぜひ実践してみてください。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。


旅の写真やパーティの写真などは多くの方が撮影しているでしょう。
また、運動会やゴルフ、野球などのスポーツ写真もずいぶん撮影しているのでは。
今回のおすすめ撮影ポイントはスポーツシーンです。
近年ではコンパクトデジタルカメラにも「連写」機能が付いているものが増え、それだけスポーツシーンが撮影しやすくなりました。
筆者もコンパクトデジタルカメラでスポーツシーンを撮影するケースが多くなっています。
旅などで撮影した写真は「思い出」としていいものですが、スポーツシーンを撮影すると、その後に被写体になってくれた友人とのメールのやりとりが活発になります。
「あのとき撮影した写真、くださいね」などとお願いされ、帰宅後にパソコンに取り込んで写真を友人にメール送信する。通常のメール送信なら写真サイズをある程度小さくして、フォルダに入れてから「送る」→「圧縮」で数枚なら送付できます。
大きなサイズや枚数が多いときなら、インターネットの「宅ふぁいる便」などの大型フォルダを送受信できるサイトを利用すると便利です。



さて、スポーツ写真を撮影するときに筆者が注意している点を整理しましょう。
  • シャッター速度を早く設定して、被写体がブレないように注意する。
  • 上記のためには早いシャッター速度を保てるように、ISO感度を設定する。
  • 手ブレを注意する。
  • ゴルフなどではシャッター音を嫌がる人がいるので、遠目から望遠レンズなどを用いて撮影する。
こんなところでしょうか。 下は筆者が撮影したゴルフとスキーの写真です。
上記したように設定して撮影しました。

快晴のスキー場です。カメラはどうしても光を感じすぎ、ともするとアンダーな写真になりがちなので、ISO感度とシャッター速度に注意しました。

望遠レンズを使用してシャッター音が聞こえないように配慮しました。シャッター速度を早めにして連写したら、ボールをとらえることができました。

http://c11po2lc.securesites.net/photo/

コンテストの告知を見たときに、なんともいえないほのぼのとした気持ちになってしまったのは筆者だけでしょうか。
お茶をテーマにしたフォトコンテストです。
湯呑に注がれたお茶、茶器、茶畑、家族のだんらんなど、お茶に関わっていればどんな写真でも応募できます。
しかも、賞品も「茶袋」! なかなか風流ですね。

応募締切:2012年12月15日(土)

入賞者には、本人が撮影した作品を使用した「オリジナルパッケージ入りプレミアム日本茶」を進呈。そのほか、フォトジャーナリスト長倉洋海賞、日本茶業中央会賞、日本茶インストラクター協会賞などあり。
編集部が取材で出かけて撮影したたくさんの写真の中から、壁紙向きの写真をプレゼントします。お気に召されたら、壁紙などにお使いください。



今回のテーマは阿蘇ドライブです。筆者が運転して熊本県の阿蘇周辺をまわったときに撮影したものです。
阿蘇の山を背景に走る豪快なドライブ
阿蘇山麓の農場はいつも長閑
湧き水はやがて川になって海へ
南阿蘇の湧水地帯を行くトロッコ列車
< 著者PROFILE >
構成と写真
篠遠行彦
東京都生まれ。雑誌編集長などを経てカメラ&ライターになる。かつてはパキスタンの日本総領事館に勤めていたという異色の経歴をもつ。
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