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キャンプ場などのアウトドアの場でも、最近はペットボトルのお茶が多いに幅をきかせている。確かに便利だし、冷やして飲もうと思ったら、クーラーボックスに入れておくだけだから申し分ない。でも、アウトドア通ならお茶にもこだわりたいものだ!

笹の葉を使ったお茶はとてもおいしく、黙って出せば笹とは思われないだろう
福島県・桧枝岐にアウトドア・ライフの取材に行き、鉄砲を持ったマタギの大将にずいぶんお世話になった。

彼のあとをついて山を歩き、野生動物たちが残した痕跡を見て歩いたのだ。
へとへとになるまで山を登り、沢を下り、ハードな取材だったのを思い出す。
休憩時間は大将が淹れてくれたお茶で一服。ただし、ペットボトルのお茶ではない。



ぼくの先輩たちがアウトドアに夢中だったころ、キャンプ場の飲み物といえばバーナーに火を灯し、ケトルやコッフェルを使って淹れたものが主流だった。
「おい、コーヒー飲むか?」と言われ、朝のいちばんに先輩がケトルのお湯で淹れたインスタントコーヒーを何杯も飲んだものだ。もちろん、お茶も同様だった。
現在ではそんな光景をキャンプ場であまり見なくなった。
もっとおいしい缶コーヒーやペットボトルのお茶があるからだ。
クーラーボックスの中には冷えた缶コーヒーやお茶のペットボトルがあり、それで十分なのだ。温かいコーヒーやお茶だって、寒い季節ならキャンプ場の管理棟の自販機で売っている。
でも、と思う。やっぱりアウトドアで飲むお茶は自分で淹れたい。



マタギの大将が淹れてくれたお茶は「クマ笹茶」だった。
「どっこいしょ」と腰を下ろした大将の手にはクマ笹が握られていた。
まずはバーナーを使って、まるで海苔を焼く要領でクマ笹を炙る。
炙られて乾燥したクマ笹をちぎってケトルに入れ、さらに水を加えてバーナーで沸かす。
できあがったのは、とてもおいしいクマ笹茶だった。
「アウトドアではこれだね」と、ぼくは強く思ったのだった。

柿の葉にはビタミンCが多く含まれている。健康茶としても評判がいい


ドクダミは匂いがきついけれど、お茶にするとよい香りになる。高血圧や動脈硬化にいいとされる
野草茶は茶葉(煎茶やほうじ茶などのいわゆる普通のお茶です)がないときの代用品のように思えるけれど、それはそれでしっかりした個性をもっている。
なにしろ遠い昔より野草の中の成分は注目されており、薬なども野草から多く作られている。
たとえば、高血圧にはドクダミ茶や松葉茶、高コレステロールにはスギナ茶やタンポポ茶など、効能があるとされる野草茶は数多くある。



野草茶の作り方はマタギの大将のような手順になる。
まずは野草を採集する。ただし、中には人体に悪影響をあたえる野草もあるので、図鑑などで調べて間違いのないように。
取った野草は水などで洗う。
時間があれば、その後に天日などで乾燥させてもいいが、焦がさないように注意しながらバーナーで丁寧に炙ってもいい。
それを細かく刻んで完成。野草茶は一般のお茶と異なるので、ケトルの中に入れて、じっくり煮て味を出す。
なかなか味わい深いものだ。



さて、野草茶の代表的なものは以下になる。

【イチョウ】イチョウの葉はうっすらとした香りの漂うお茶になる。
【柿の葉】写真は実が生っているが、若葉のほうがいい味が出る。
【クマ笹】これはマタギの大将が淹れてくれたものだ。血液をさらさらにする効能も。
【桑】桑の葉で作るお茶。糖尿にいいとされており、ドラッグストアでも人気になっている。
【スギナ】香りがほとんどない爽やかなお茶。
【ドクダミ】花が咲いている時期がよく、匂いが強いので初めてのときは不安だが、お茶にするととてもいい香りに変化して味もいい。
アウトドアで提唱する野草茶の飲み方は、あくまでも「シングルバーナー」と「ケトル」や「コッフェル」を使って、少量を楽しむものだ。
野草を大量に採集するのはどうかと思うし、あくまでも少人数で少量を楽しむのがアウトドア・スタイルだろう。
そこで手に入れたいのがこれらのアウトドア用具だ。
アウトドアの世界も用具が大型化しており、便利なツーバーナーや3バーナーが購入され、家庭用のヤカンなどが当たり前のように利用されている。
もちろん、それは否定しないが、アウトドアでの野草茶は個人的に楽しむような類のものでありたい。そのための用具をご紹介しよう。

イワタニ アウトドア専用シングルバーナー(カセットガス式) ジュニアバーナーCB-JRB-2

コールマン アウトランダーマイクロストーブ PZ203535

SOTO マイクロレギュレーターストーブ SOD-300

ユニフレーム トレイルケトルL

スノーピーク ケトルNo.1

エバニュー チタンウルトラライトクッカーセットM

コールマン パックアウェイ(TM)クッカーセット

キャプテンスタッグ ラグナ ステンレスクッカーMセット

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http://www.autocamp.or.jp/
< PROFILE >
浜口昭宏
雑誌やWEB編集を始めて数年の編集者。超がつくほどのアウトドア初心者だったが、猛勉強をしてそれなりに成長。アウトドアの中で大好きなシチュエーションは、ビールがおいしいBBQ。
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