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「オート設定」でカメラ任せにするのではなく、シャッター速度を調整してさまざまな写真に挑戦しましょう。今回、越カメラマンが教えてくれるのは、「低速シャッターの極意」です。低速シャッターで大胆なカットをものにしてください。


前回、前々回と中高速シャッターによる表現を解説しましたが、シャッターによる表現でもっとも大きな変化が起きるのは“低速シャッター”です。概ね1/4秒以下のシャッターやB(バルブ)を使った写真を指します。
低速シャッターを使うときこそ、写真が「時の芸術」だと実感できる瞬間でしょう。
例えば、30秒間に起こる出来事を、1枚の写真として表現するわけです。ある程度目に見えているものを写真にする中・高速シャッターと違い、目に見えていない絵柄を写真にするのが低速シャッターを使った表現です。早速、具体例で見ていきましょう。

低速シャッターを使うケースは大きく分けると2通りになります。
ひとつは動いているものを長時間かけて表現することで、雰囲気を変えるケース(写真A)。一方は光の動きの跡(光跡)をとらえて作品にするケース(写真B)です。
前者(写真A)は低速シャッター(1/4秒)で滝を撮影したものです。水の流れの様子や勢いはなくなりますが、滝を“流れるなだらかな白筋”としてとらえ、初夏の森の清々しさを表現してみました。
後者(写真B)は光跡写真の代表的なもののひとつ、花火の写真です。
シャッターはB(バルブ)にしておき、花火が打ち上がる瞬間にシャッターを開け、ISO100で約30秒間露光しています。

写真A

写真B

写真C、Dは同じ水の流れを1/4秒(写真C)と1/250秒(写真D)で撮影した比較写真です。低速シャッターにすることで清涼感が増し、渓谷の清々しさを高める添景として働いています。
低速シャッターで雰囲気を変えるケースとしては、渓谷の流れの美しさを表現する場合、岩場に打ち寄せる波の荒々しさを表現する場合などがあります。
目に見えている動きを大きくぶらすだけなので、フレーミングに関しては見たままでOK。適宜シャッタースピードを変えて撮影してみましょう。

写真C

写真D

前項目の雰囲気を変えるケースに対し、光跡を狙うケースは少し事情が変わってきます。見た目には、光は点でしかないため、光の動きを予測してフレーミングしたり、シャッターを切らなければなりません。
写真E、Fは高知県の四万十川で行なわれる「火振り漁」の写真です。
ポイントは振られた漁り火の形が数字の「8」の字に見えるかどうかでした。
写真Eの場合、ひとつは完璧に、もうひとつもかろうじて「8」の字に見えています。
写真Fはシャッターのタイミングが合わずに失敗した例です。
このように光跡を写真にする場合は、点にしか見えない光が描く道筋を考えシャッターを切らなければなりません。ココがポイントで、人それぞれ個性が表れるところにもなります。

写真E

写真F

夏の風物詩である花火写真も、スローシャッターを使った光跡写真の代表といえるでしょう。しかし、花火は、簡単そうに見えて意外と奥が深く、難しい被写体です。失敗写真はつきものと言っていいでしょう。
まずは、撮影方法を簡単に説明しておきます。

●シャッターはB(バルブ)にして露出を絞り、ISO感度で調整する。
●三脚にカメラを固定し、花火が打ち上がる場所、形、高さ、色を考えてフレーミングを決める。
●花火が打ち上がる瞬間にシャッターを開け、花火が開ききったところでシャッターを閉じる(写真G)。
B(バルブ)を使うのは、以下のような失敗を防ぐためです。
失敗例① 花火が開ききる前にシャッターが閉じてしまう(写真H)。
失敗例② シャッターが開いている間に想定以上の花火が打ち上がり、露出オーバーになってしまう(写真I)。
このような失敗は、B(バルブ)を使うことである程度回避できます。しかし、タイミングが合わないとB(バルブ)でも同じような失敗が起きます。
なお、花火の色をきちんと出すには露出が肝心。絞りとISO感度で露出を調整して、露出オーバーにならないようにしましょう。



もうひとつの失敗例が、花火の大きさや高さを読み間違えて、フレームからはみ出してしまうケース(写真J)です。花火は、打ち上がるまで形が存在しないため、“予測”が大切になってきます。何度か打ち上がる花火を見てから、フレーミングを決めるくらいの心の余裕も大切です。

写真G

写真H

写真I

写真J

そのほかにも星の軌跡であったり、列車や船などの光跡であったり、スローシャッターを生かした光跡写真があります。
写真Kは鉄橋を行く列車の光跡と星の光跡を同時に写したものです。
見た目には点にしか見えない星やライトも、時間を凝縮できる写真なら、見た目とは別の絵(写真)を作ることができます。低速シャッターを活かして色々な表現を楽しんでみてください。

写真K
【写真展のお知らせ】
駅旅写真家 越信行 写真展
「駅彩」~信州メルヘン駅街道
2013年8月21日(水)~26(月)
10:00~18:00(最終日16:00)入場無料
大阪府池田市 いけだ市民文化振興財団ギャラリー ギャルリVEGA にて
(阪急宝塚線池田駅下車 池田駅構内を西へ徒歩2分)

昨年7月に発売した「信州 四季の駅旅」(信濃毎日新聞社)の中から厳選した作品と、その後撮り下ろした新作も交えた、四季折々の信州の駅写真約40点を展示します。
サイン入り写真集の販売ほか、「日本メルヘン駅街道」と題した日本各地の駅のミニ作品展&ポストカードの販売も行なわれます。

< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。


越カメラマンから花火を撮る方法を伝授してもらったばかりですから、ぜひ、花火大会にでかけたいものです。
まだまだ花火大会は開催されます。三脚を持って、バルブを使う秘策を用いて、最高の花火写真を撮影してください。

●「ウォーカー+」の花火大会カレンダー2013
http://hanabi.walkerplus.com/

さすがの角川マガジンによる「ウォーカー+」サイトは内容も豊富。
全国の花火大会や編集長、ライターさんのおすすめ情報まで満載です。


2012年のグランプリ、「晴れ女」。富樫淳さんの作品

http://bestsmile.jp/apply/

日本歯科医師会がロッテを協賛に迎え、8020運動の一環として、歯科医療の正しい理解促進などのために実施しているコンテストです。
8020とは、80歳で20本以上の歯を残そうという意味があります。
コンテストのテーマは「とびきりの笑顔」。
ベストスマイルをキャッチして応募してください。

応募期間:2013年9月30日(月)
発  表:11月8日にオフィシャルサイト内で。さらに同日に授賞式を開催
賞  品:グランプリ1名 ロッテホテルに泊まる韓国旅行ペア2泊3日
入賞:「1108㎞笑顔の旅」、1108㎞の旅分の旅行券など


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編集部が取材で出かけて撮影したたくさんの写真の中から、壁紙向きの写真をプレゼントします。お気に召されたら、壁紙などにお使いください。



蓼科高原をドライブしたときに、高原野菜を売るお店に立ち寄りました。そこには、豊かな土地で育った、大きな野菜やフルーツがたくさん並んでいました。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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