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風景写真などを撮るとき、つい“立ったまま”の構えで撮影してしまうものです。しかし、低い姿勢で撮影するだけで、新しい世界が覗けるのをご存じですか? 今回、越カメラマンが教えてくれるのはローポジションで撮影するコツです。


カメラを構える場合、皆さんはどのように構えますか? 多くの皆さんが、立ったそのままの目線の位置で、カメラを構えているのではないでしょうか。
カメラを構える場合、大きく分けて2つの要素があります。
ひとつはカメラの上下方向の向きのことで、これを「カメラアングル」といいます。
もうひとつはカメラを設置する場所のことで、これを「カメラポジション」といいます。
「カメラアングル」については、次回以降に解説するとして、今回は「カメラポジション」について解説したいと思います。



カメラポジションにも大きく分けて「場所」と「高さ」の2つの要素があります。
「場所」は読んで字のごとくカメラを設置する位置のこと。同じ被写体に対して、右側から狙うのか、左側から狙うのかといった違いを指します。
それに対し「高さ」は、同じ場所から狙うのですが、カメラそのものの高さの違いを指します。
今回、皆さんに実践していただきたいのは、立って写真を撮ったその場所で、「しゃがんで撮る」ことです。
どのような違いができるのか、具体例で見ていきましょう。


写真AとBは同じ場所で、田んぼと青空を撮影したものです。
写真Aは立ったまま、写真Bはしゃがんでカメラを構えています。
つまり、カメラを構える高さが違います。田んぼの奥のほうの遠景まで見渡せる写真Aに対し、写真Bは手前の稲穂が大きく入り、田んぼの奥のほうは見えません。
同じ場所で撮ったにも関わらず、2つの写真の雰囲気は全く異なっています。


写真A

写真B

写真C、Dも立った状態で撮った写真Cに対し、写真Dはしゃがんで撮影しています。
カメラを構えた場所やアングルも少し違っていますが、注目してほしいのは手前のルピナス(花)と、その後ろにあるホームのかぶり具合です。
ほとんどホームにかぶっていない写真Cに対し、写真Dはかなりかぶっていることが分かるかと思います。
このように、カメラの高さを変えることで、メインの被写体と他の被写体との絡み具合を調整することができるのです。


写真C

写真D

写真E、Fも立ったままと、しゃがんで撮った写真の違いです。
立ったままの写真Eは、手前の田んぼに奥行き感があり、列車が遠くを走っているように見えます。
それに対し写真Fの田んぼは、手前の稲穂が大きく入ってボケていることや、田んぼの前後が圧縮されたため、すぐ間近を電車が走っているように見えます。


写真E

写真F

いつでもしゃがめばよいかというと、ダメな場合もあります。その作例が写真G、Hです。
写真Gはしゃがんでしまったために、レンゲソウの部分が圧縮されて面積が小さくなってしまいました。
これに対し、立ったままの高い位置から撮影したHは、レンゲソウの面的な広がりがあり、ピンクの部分の面積が広くなっています。面的な広がりを見せたい場合は、できるだけカメラポジションは高くしたほうが有利です。
メインの被写体と、手前や奥の被写体とはどう絡めるのか。それによってカメラの構える高さは決まってくることがお分かりいただけると思います。


写真G

写真H



さて、写真G、Hで高さを決めた後に撮影したのがこの写真です。カメラの高さも決まり、いいポジションで撮影できました。


写真H(完成形)

応用として、しゃがんで撮影することで写真のイメージが大きく変わる例を紹介したいと思います。
立ったままの高さで撮影した写真Iは、前後の稲の重なりが少ないため、ボケが少なく、そのぶんトンボが浮き上がっていません。
それに対ししゃがんで撮影した写真Jは、前後の稲が重なり合ってボケたうえに、そのボケがトンボの周囲の稲も柔らかくし、トンボの存在感が高まっています。
このように、前後関係をうまく利用し、写真をすっきり見せたいときにも低いカメラポジションが役立ちます。


写真I

写真J

最後に実践例を紹介したいと思います。
写真Kは風鈴が飾られた駅の改札口を立ったままの高さで狙ったカットです。改札の奥も見え、これはこれでよいのですが、奥の自動販売機が気になり、手前側も殺風景に思えました。
そこで、駅の右脇にあったプランターの花をボカして入れようと、カメラを右方向へ少し移動させ、高さを下げて撮影したカットが写真Lになります。
自動販売機も気にならなくなり、夏の昼下がりの駅の雰囲気が表現できました。


写真K

写真L



お気に入りの場所を見つけて、カメラを構えたその場所で、ちょっとしゃがんでみるだけで、雰囲気のある写真が撮れるかも知れません。 ぜひ、「しゃがんで撮る」を実践してみてください。

【写真展のお知らせ】

駅旅写真家 越信行 写真展

「駅彩」~信州メルヘン駅街道

◆2013年9月18日(水)~29(日)
◆10:00~18:00(最終日15:00)入場無料
◆タチカワブラインド銀座スペース Atte
(JR・都営・東京メトロ新橋駅より徒歩5分)
http://www.news.blind.co.jp/news/index.php?itemid=129&ref=rss20

昨年7月に発売した「信州 四季の駅旅」(信濃毎日新聞社)の中から厳選した作品と、その後に撮り下ろした新作も交えた、四季折々の信州の駅写真約40点を展示します。 また、「日本メルヘン駅街道」と題した日本各地から厳選した駅のミニ作品展も行います。

< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。



越カメラマンの見本写真でも、田んぼはモチーフのひとつになっています。

「美しい日本のむら景観百選」という、日本のまさに美しい原風景だけをセレクトした百選があるのをご存じでしょうか。

1991年に農林水産省によって選出されたもので、100か所ちょうどではないのですが、美しい農村風景が選ばれています。

これからの季節、日本の田畑はさまざまに彩られます。ぜひ、おでかけして最高の写真をものにしてください。

●美しい日本のむら景観百選
http://j100s.com/nousonkeikan.html


http://www.hoken-clinic.com/photo/

「わが家のほっとショット賞」、「わが家の元気! ショット賞」、「わが家のすご! おもしろ! ショット賞」の3部門があり、それぞれからベスト作品1点を選出、さらにその中から大賞が決まります。
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応募期間:2014年1月13日(月)
発  表:入賞者への直接通知とホームページ上にて。
賞  品:上記の3つの入賞者には10万円(大賞以外)。その中から保険クリニックわが家のフォトコンテスト大賞に選ばれた作品には賞金総額25万円を贈呈。


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イタリアのフィレンツェを訪れたときは、あいにくの曇天でした。ときおり、雨さえ落ちてくる始末です。しかし、高台からしばらく眺めていると、この空が印象派の画家たちが絵具を重ねて描いた風景に見えてきました。ヨーロッパの街並みは、青空より曇り空が似合うかもしれません。

< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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