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何かを撮影するときに、最初に“立った場所”でカメラに納め、それで満足ということはありませんか? 越カメラマンのアドバイスは同じ被写体を2カ所から撮影するという手法です。そのほかにおすすめ撮影スポットや写真コンテストもご紹介。


みなさんは写真に撮りたいと思ったものを見つけたとき、何カ所から撮影していますか? 1カ所しか撮っていないという方も多いのではないでしょうか。
数カ所から撮るという行為は、撮影ポジションを変えるという意味があります。撮影ポジションを変えることで背景や光線状態が変わり、仕上がりに大きな変化が現れます。
“撮影ポジション”については、これまでに何度か紹介しました。今回は、場所を変える手法で、被写体にどんな変化があるのかをまとめて紹介してみたいと思います。


一番端的な効果は、被写体の見え方が変わってくることです。写真AとBは同じ滝なのですが、撮影位置を変えて撮影したものです。
写真Aは2段の滝が離れているのに対し、写真Bは2段の滝が近づき、写真Aより落差があるように感じます。
写真を撮る位置(撮影ポジション)によって、被写体の雰囲気は異なって見えるのが理解できると思います。自分のイメージを大切にして、撮影ポジションを探るのが大切なのです。


写真A

写真B

大阪の阪急線池田駅前の植え込みに色とりどりの花が植わっていました。ある位置から見ると黄色い花が、別な位置からは紫色の花が、それぞれ手前に見える状況です。
どっちの色がいいかは個人の好みの問題ですが、ここで大切なのは撮影ポジションを変えると手前で“ぼかすもの”が変えられるという現実です。
この変化によって、写真が良くも悪くも見えたりするケースもあるのです。
ちなみに、駅舎よりも色が強い黄色より、淡い紫色のほうが個人的には良く感じますがみなさんはいかがでしょうか。


写真C

写真D

長野県の海野宿で撮影した写真です。中仙道の宿場町の雰囲気を今なお残す街並み。
ある方向から狙うと電線や電柱、家の雨樋などが目立っていました。そこで、同じ場所で回れ右。180度向きを変えると、そこはタイムスリップしたかのような昔の街並みそのもの。家の雨樋も目立たなくなっています。
前だけを向くのではなく、たまには後ろも振り返ってみましょう。きっと新たな発見があるはずです。


写真E

写真F

静岡県にある韮山反射炉を狙った写真です。透き通った青空をバックにした写真も爽快で素敵ですが、建物の反対側に回ってみると、まったく別の雰囲気になりました。
逆光になったために建物がシルエットになったのです。太陽を少しだけ見せながら格好良さを意識して狙ってみました。ローキーに仕上げ、建物の重厚さも引き出しています。
このように同じ被写体を撮影していても、撮影ポジションを変えることで狙いはまったく変わってきます。


写真G

写真H

写真I、Jは田んぼの中にある形のいい梅の木をコンパクトデジタルカメラで撮影した写真です。
同じ木を狙っているのですが、逆光の位置から狙った写真Iでは、その存在すらハッキリしません。それに対し写真Jは、サイド光になる(被写体の左側から光が当たる)場所から撮影したものです。左側からの強い光が木の輪郭を輝かせ、背景の緑との境界がはっきりしたため、梅の木が浮かびあがっています。全体の色の雰囲気も場所によって大きく変わっています。
前回の連載で「逆光写真を狙おう」というお話をしましたが、逆光がすべて正しいのではなく、違ったケースも存在します。それを見極めるためにも、撮影ポジションを変えることが大切なのです。


写真I

写真J

最後に“やってしまいがちな失敗例”を回避する方法を紹介します。
撮影会などの現場でよく耳にするのが、「あれもこれも撮りたいのですが……」という言葉です。
「狙いをひとつに絞る」はもっとも大切な要素なのですが、どうせ欲張って写したいなら、さまざまな撮影場所を探してみましょう。
駅前の民家でキレイなスイセンが咲いている場所を発見。「駅も撮りたいし、駅前のキレイな花も撮りたい」と思って、そのまま広角レンズで撮ってしまうと散漫な写真になってしまいます(写真K)。これが代表的な欲張り写真です。
そこから場所(撮影ポジション)探しを始めます。駅の背景に花が置けないか、駅の手前に花を入れられないか。この場所探しこそ写真をより良く見せる大切な作業です。
駅の左側に回り込んだところで待合室の前にスイセンがくる位置を発見。横位置(写真L)では左右の電柱や木の幹の印象が強かったので、縦位置(写真M)にして避けてみました。


写真K

写真L

写真M

大切なのはひとつの被写体を1カ所から撮って終わりにしないこと。最低でも2カ所、場所を変えて撮影してみましょう。この作業をするだけで写真は変わってきます。ぜひ試してみてください。

< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。





小田急電鉄片瀬江ノ島駅

越カメラマンは風景を得意としていますが、とくに鉄道写真に定評があります。昨年は『越 信行 信州 四季の駅旅』を信濃毎日新聞社より発行、写真展も開催して好評を博しました。

さて、明治5年10月14日に新橋-横浜間に日本初の鉄道が開通したのを記念して、平成6年に「鉄道の日(10月14日)」が定められました。
それに関連し、平成9年より3年をかけて『鉄道の日・駅百選』選定作業が運輸省によって行われました。
関東地区を舞台にした『関東の駅100選』では、JR、私鉄に関わらず歴史ある駅、個性的な山の駅、海の駅、さらに大都会の駅などバラエティに富んだ駅が選定されました。
そんな駅を撮影しに行ってみたらいかがでしょう。
越カメラマンの実例には駅の写真がたくさん出てきます。バックナンバーも見直して、それを参考に自慢の1枚をものにしてください。

●『関東の駅100選』
http://www.asahi-net.or.jp/~IV4H-YKYM/100sen/100sen.htm


第14回グランプリ・国土交通大臣賞受賞作品
撮影者:峯坂和彦さん 「晩秋の湖畔」北海道旅客鉄道 根室本線 東鹿越駅~金山駅
(応募ホームページより)

http://www.jrtt.go.jp/01Organization/publicity/publicity-contest.html

「おすすめ撮影ポイント」に関連して、鉄道風景写真を題材にした写真コンテストを紹介しましょう。
「鉄道の日」実行委員会、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が主催するのが、日本の四季折々の「鉄道のある風景」をテーマにしたこの写真コンテストです。
応募はアマチュア限定ですから、自信作を応募してください。

応募受付期間:2014年9月1日(月)必着
賞  品:
グランプリ[国土交通大臣賞](1名)賞状、トロフィー、副賞、記念品
四季賞(四季あり)[「鉄道の日」実行委員会委員長賞ほか、賞状、副賞、記念品
そのほかジュニア賞、入選あり。
発  表:2014年10月上旬ころオフィシャルサイトで発表


「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!

編集部が取材で出かけて撮影したたくさんの写真の中から、壁紙向きの写真をプレゼントします。お気に召されたら、壁紙などにお使いください。



10年以上前に筆者は母から「ポットの上に球根を置いて水を注ぐだけ」の栽培がとても簡単なアマリリスの球根をプレゼントされました。
それ以来、ベランダに置きっ放し。ときどき水を差すだけなのに、5月~6月になると大輪の花を咲かせます。しかも、今年は3輪もの花をつけました!
それがうれしくて、大アップで撮影してみました。
※今月のプレゼントはアマリリスの球根です。ぜひ、育ててください。ネットでは難しい栽培方法が掲載されていますが、筆者は水をときどきやるだけで、ほかには何もしていないのに毎年花を咲かせます。

< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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