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「構図が大事!」と写真を趣味にしている人やプロカメラマンは口にします。では、どんな構図がいいのでしょうか。今回はしばしば悪い構図の例として用いられる「日の丸構図」について考えてみましょう。

写真の構図の話をするときに、「日の丸構図だからよくない」と決めつけている人がいます。しかし、被写体を中央部に置く「日の丸構図」って、そんなに悪いのでしょうか……。
私は「悪い」とは思いません。むしろ大歓迎でさえあります。では、その違いとはどこにあるのでしょう。
突き詰めて考えていけば、「日の丸構図が悪い」のではなく、むしろ被写体の“狙い方”に問題があると思うのです。


そもそも、写真の善し悪しの決め手は、自分が撮りたい、人に見せたいと思った被写体を、いかにして引き立たせるかです。
目立たせたいと思った被写体をど真ん中に配置するのは決して悪いことではありません。真ん中が一番目立つからです。
では、なぜ画面中央にメインの被写体を配した「日の丸構図」が悪いと言われるのでしょうか。その原因は、周囲の情景の生かし方にあると思います。
写真A/Bを見ていただければ一目瞭然です。
シンプルな情景の中に輝く列車を入れた写真Aは人目を引きつけるのに対し、周囲のごちゃごちゃしたモノが写っている写真Bではメインの列車が周りの情景に押し潰されています。列車もこれといって目立つ状況にはありません。この差が大きいのです。


写真A

写真B

緑色の大地に映える1本の木を被写体にした写真です。
写真Cは画面の中央に、写真Dは画面右上に配して撮影しました。
どちらの写真がいい写真でしょう? 
恐らく本質的な内容は一緒で、メインの木の目立ち方もほぼ同じと言っていいでしょう(強いていうと大きさの違いくらいでしょうか)。
むしろ、木の部分に消失点のような効果が現れ、周囲の情景として雲も入った写真Cのほうが奥行きを感じられます。
こういった点を考慮すれば、「日の丸構図が悪い」と言うことは決してありません。


写真C

写真D

A~Dと写真を見てきました。決して日の丸構図が悪い写真ではないというのが、おわかりいただけたと思います。
それでは、なぜ日の丸構図の写真が悪く見えてしまうのでしょうか。
私が考える一番の要因は周囲の情景の生かし方にあります。ピントの合わせ方に原因があると思っています。
皆さんは、ピントをどこに合わせますか? 画面の中央で、しかもシャッターを半押ししてピントを合わせていませんか? 
その結果、必然的に撮りたいと思っている被写体が真ん中に来てしまう。そしてピントが合うとそのままシャッターを切ってしまう。周囲の情景にまで目が行き届かない。
これが日の丸構図の写真を悪くするのです。



いくつか例を挙げてみましょう。
画面の真ん中にピントを合わせ、花に飛んできた蝶が中央に来たときに、そのままシャッターを切ってしまった例(写真E)。
夕暮れの海に浮かんだ船を中央にしたまま撮った例(写真F)。
動きのある列車や人物などの被写体が画面の真ん中に来るとついシャッターを押してしまう(写真G)。


写真E

写真F

写真G



こうして撮られた写真の多くは、メインの被写体の回りに目障りなモノがあったり、被写体の上下左右に無駄な空間ができていたりします。
シャッターを切るときに忘れてはいけないのは、どこから撮ると被写体が目立つのかということです。
いろいろな角度から被写体を眺め、ここぞという場所を見つけて改めて被写体を見つめ直す。そして、画面中央が目立つのか、それとも端が目立つのか、周囲の情景との絡み具合を考えながらフレーミングの中でベストの配置を決めればいいのです。
仮にその結果が「日の丸構図」であったとしても、なんら問題はありません。

最後に、いい日の丸構図の作り方の例を紹介したいと思います。
写真H/Iは花に来た同じ昆虫を上からと横から、ほぼ日の丸構図で撮影した写真です。
上からそのまま撮ってしまった写真Hに対し、写真Iは横から撮ることで少し離れた緑をぼかして背景にし、昆虫を浮かび上がらせました。ちょうど、触覚が立っていたので、その端が画面一杯に入ることを計算してシャッターを切りました。
画面全体を有効活用したことで、日の丸構図であっても、見せたい被写体が引き立って見えています。
今後はそんなフレーミングを心がけると写真撮影はもっともっと楽しくなるでしょう。


写真H

写真I
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。

日本列島の魅力、美しさを発見、創出するとともに景観や文化、地域資源を活かした国民的な原風景を創成する運動を促し、地域活性化と観光振興に寄与…という目的のもとに、「日本風景街道」が2005年に提案されました。
2007年に「風景街道」第1回の登録が行われ、2014年4月には全国の134ルートが登録されるまでになっています。
大きな特徴は「観光スポット」という点ではなく、「観光スポット」と「観光スポット」をつなぐ線になっているところです。
たとえば「千変万化の筑波山 まち さと 周遊ルート」では、筑波山だけでなく、景観資源の「つくば道」「真壁の街並み」「茅葺き屋根の民家」、歴史資源の「平沢官衛遺跡」「亀城公園」、文化資源の「石岡のおまつり」などがルートで結ばれています。
撮影ドライブを企画するなら、ひとつのスポットだけでなく、ルートで名所をめぐるのがおすすめです!

●『日本風景街道 全国マップ』
http://www.mlit.go.jp/road/sisaku/fukeikaidou/index-map2.html#map_4


http://www.agris-seijo.jp/info/index.html#87

「アグリス成城」は安心して野菜づくりを楽しめる貸菜園をモットーに、野菜や花を身近に感じるカルチャースクールやフラワーショップを展開しています。
写真コンテストもその一環として開催されるものです。
日々の生活の中から「野菜」をテーマにした写真を募集しており、家庭菜園の模様や野菜を使った料理、野菜と触れ合う人々などの明るくほのぼのとした作品が対象です。
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応募受付期間:2015年1月31日(土) 当日消印有効
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バルセロナには建築家アントニ・ガウディ(1852年~1926年)の作品が点在しています。未だ完成していないサグラダ・ファミリア教会、独特の曲線で構築されたカサ・ミラ、カサバトリョなどをはじめ、市街を見下ろすグエル公園もガウディのアイデアが散りばめられた特徴あるつくりです。
そのグエル公園にはさまざまな建造物があります。入口の門衛の小屋と東屋をサルバドール・ダリは「砂糖をまぶしたタルト菓子のようだ」と評しました。モザイク装飾や粉砕タイルを使用したデザインがそう言わせたのでしょう。

< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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