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木々の間から差し込む光。暑い季節に涼しげで、とても気持ちのいいものです。そして、その光は写真を一層魅力的にしてくれます。そんなテクニックを越カメラマンから学んでください。絶好の撮影ポイントガイド、写真コンテスト情報や壁紙プレゼントも取り上げています!
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暑~い夏。高原の避暑地など緑目映い場所がドライブに最適です! 暑さを避け、木漏れ日溢れる木立の中を散策するのは、実に気持ちのいいものです。
ところで、この「木漏れ日」。写真を撮るときに一役買ってくれるのをご存知ですか?
ところで、この「木漏れ日」。写真を撮るときに一役買ってくれるのをご存知ですか?
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写真Aをどこで撮ったと思いますか? 神秘的な森深く…ではありません。答えは高原にあるリゾートホテルの玄関前です。
前日に雨が降ったため、この日は朝から霧が立ち込めていました。やがて山の向こうから日が差し始めると、木漏れ日が霧を照らし、美しい光芒となって木立の下に姿を現しました。
ホテル前の木立ですが、ヨーロッパの森をイメージさせるような爽やかな作品に仕上がりました。このように、夏の木漏れ日は写真を素敵に変えてくれるのです。
前日に雨が降ったため、この日は朝から霧が立ち込めていました。やがて山の向こうから日が差し始めると、木漏れ日が霧を照らし、美しい光芒となって木立の下に姿を現しました。
ホテル前の木立ですが、ヨーロッパの森をイメージさせるような爽やかな作品に仕上がりました。このように、夏の木漏れ日は写真を素敵に変えてくれるのです。
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写真A
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「木漏れ日」なら、いつでも撮れる…そう思っている方もいるでしょう。でも、木漏れ日を狙うなら断然“夏”なのです。
私が考えるその理由は次のふたつです。
①木漏れ日は葉と葉の間から漏れてくる光で、葉が生い茂る夏でないと木漏れ日は出現しない
②太陽高度の高い夏の光でないと、木立の奥まで光が届きにくい
そして、葉と葉の間から差す光は、まんべんなくあたりを照らす光と違い、スポットライトのようにある部分だけを照らし、周りに陰になる部分を作り出してくれます。この状況が写真には好都合なのです。
冬の雑木林は全体的に光があたりますが、夏のようなスポット的な光はなかなか現れません。写真Bを見ていただくとその様子が分かると思います。
渓谷美を撮る場合にも、春~夏にかけての光が最適と言えます。
私が考えるその理由は次のふたつです。
①木漏れ日は葉と葉の間から漏れてくる光で、葉が生い茂る夏でないと木漏れ日は出現しない
②太陽高度の高い夏の光でないと、木立の奥まで光が届きにくい
そして、葉と葉の間から差す光は、まんべんなくあたりを照らす光と違い、スポットライトのようにある部分だけを照らし、周りに陰になる部分を作り出してくれます。この状況が写真には好都合なのです。
冬の雑木林は全体的に光があたりますが、夏のようなスポット的な光はなかなか現れません。写真Bを見ていただくとその様子が分かると思います。
渓谷美を撮る場合にも、春~夏にかけての光が最適と言えます。
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写真B
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木立の中で撮影しても、曇っていたのでは元も子もありません。木漏れ日が現れず、しかも陰の部分ができないためにフラットな状態になり、画面全体が“緑色”をした写真にしかならないからです。
夏の青葉を光に透かして狙うような場面(写真C/写真D)でも、森や林を下から仰ぎ見るように狙う場面(写真E/写真F)にも、同じことが言えます。
写真Dは木漏れ日によって生まれたスポットライトのような光が、まだ若い青葉を照らし、背景の陰の部分に浮かび上がっています。
また、写真Fに見られるように、燦々と降り注ぐ太陽光が遮られ、木の枝や幹の部分が陰となることで、明るく透ける緑の葉を際立たせています。
夏の青葉を光に透かして狙うような場面(写真C/写真D)でも、森や林を下から仰ぎ見るように狙う場面(写真E/写真F)にも、同じことが言えます。
写真Dは木漏れ日によって生まれたスポットライトのような光が、まだ若い青葉を照らし、背景の陰の部分に浮かび上がっています。
また、写真Fに見られるように、燦々と降り注ぐ太陽光が遮られ、木の枝や幹の部分が陰となることで、明るく透ける緑の葉を際立たせています。
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写真C
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写真D
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写真E
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写真F
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太陽光が強ければ強いほど、暗い陰の部分と明るい日が当たる部分との差(これを「輝度差」と言います)が出ます。そのぶん、画面のメリハリもハッキリ現れます。
写真Gと写真Hはまさにその例です。
光が弱く、木の幹の影もぼんやりとしている写真Gに対し、道の先の田んぼが輝き、雑木林が濃くハッキリと写った写真Hのほうがメリハリは強くなります。しかも、写真Hの道の部分に木漏れ日が差しているため、画面に奥行きが感じられます。
写真Gと写真Hはまさにその例です。
光が弱く、木の幹の影もぼんやりとしている写真Gに対し、道の先の田んぼが輝き、雑木林が濃くハッキリと写った写真Hのほうがメリハリは強くなります。しかも、写真Hの道の部分に木漏れ日が差しているため、画面に奥行きが感じられます。
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写真G
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写真H
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今回見てきたように、夏の木陰の中は魅力的な場面が目白押しです。特に葉と葉の隙間から細く差し込むスポットライトを活かさない手はありません。
写真Iもそんなスポットライトを浴びたトチノキの葉を、下から仰ぎ見るように逆光でとらえたものです。
今年の夏の高原ドライブでは、ぜひ森の中を散策しながら、自分だけのスポットライトを探してみてください。
写真Iもそんなスポットライトを浴びたトチノキの葉を、下から仰ぎ見るように逆光でとらえたものです。
今年の夏の高原ドライブでは、ぜひ森の中を散策しながら、自分だけのスポットライトを探してみてください。
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写真I
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
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越カメラマンが教えてくれた“木漏れ日”を活かす技術を実践するために、日本の森にでかけてみましょう。
「森林浴の森 日本100選」は、緑の文明学会と緑の文明総合研究所が当時の環境庁、林野庁、建設省の協力を得て、1986年に選定されたものです。
多少、選考時期が古いので、現在では姿を変えているところもありますが、「日本の森滝渚全国協議会」に加盟して、森をしっかりと保全しているところも少なくありません。
美しい森に行き、木漏れ日を生かした写真に挑戦する。森は暑い時期にも涼風が感じられる場所、ぜひ撮影旅行にでかけてください。
●森林浴の森 日本100選
http://www.mori-taki-nagisa.jp/100/forest/
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http://www.birdfesta.net/jbf/b1.html
このフォトコンテストは、日本最大級の鳥のイベントである「ジャパンバードフェスティバル」実行委員会が主催する野鳥写真の公募展です。
2016年のジャパンバードフェスティバルは11月5日(土)、6日(日)に千葉県我孫子市手賀沼周辺にて開催される予定です。自然環境に関する研究発表、鳥の彫刻・絵画・写真展、子ども工作教室、バードウォッチング、スタンプラリーなど、鳥と自然を楽しめる2日間になるでしょう。
写真コンテストには①生態・行動部門、②環境部門があります。ぜひ、自然の中で撮影した野鳥の写真で応募してください。
このフォトコンテストは、日本最大級の鳥のイベントである「ジャパンバードフェスティバル」実行委員会が主催する野鳥写真の公募展です。
2016年のジャパンバードフェスティバルは11月5日(土)、6日(日)に千葉県我孫子市手賀沼周辺にて開催される予定です。自然環境に関する研究発表、鳥の彫刻・絵画・写真展、子ども工作教室、バードウォッチング、スタンプラリーなど、鳥と自然を楽しめる2日間になるでしょう。
写真コンテストには①生態・行動部門、②環境部門があります。ぜひ、自然の中で撮影した野鳥の写真で応募してください。
募集期間 :
2016年8月19日(金)
商品など :
グランプリ各1点/賞金5万円(副賞キヤノン一眼レフデジタルカメラ)
準グランプリ各1点/賞金2万円(副賞コーワ双眼鏡、ニコン双眼鏡)
入賞:多数(副賞双眼鏡、望遠レンズ、三脚など)
準グランプリ各1点/賞金2万円(副賞コーワ双眼鏡、ニコン双眼鏡)
入賞:多数(副賞双眼鏡、望遠レンズ、三脚など)
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編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。
今月はハワイ・オアフ島からお届けします。 ハワイのアウトドアの1シーンを切り取った写真を壁紙にプレゼントいたします。
今月はハワイ・オアフ島からお届けします。 ハワイのアウトドアの1シーンを切り取った写真を壁紙にプレゼントいたします。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。