秋の日、傾き始めた太陽は長い影を地面に生み出します。それが、とても素敵な写真を演出してくれるのです。越カメラマンが教えてくれるのは、「長い影を活かすコツ」。ぜひ、秋の日の撮影に役立ててください。写真コンテスト情報、壁紙プレゼントもあります!
これから秋が深まるにつれ、ドライブルートにある寺社や庭園、野山や公園などでも美しい紅葉が見られる季節になります。
そして、秋が深まれば深まるほど太陽の高度は低くなり、地面に写る影の長さもどんどん長くなり、秋の雰囲気をいっそう盛り上げてくれます。
今回はそんな「影」のお話しです。
そして、秋が深まれば深まるほど太陽の高度は低くなり、地面に写る影の長さもどんどん長くなり、秋の雰囲気をいっそう盛り上げてくれます。
今回はそんな「影」のお話しです。
写真A/写真Bは都内近郊にある公園の林です。木の種類は違いますが、いずれも日差しによって葉が輝きを放っています。
この2枚の写真の違いは、その下の地面の影を意識したか、しなかったかです。
影のハッキリしない写真Aに対し、写真Bは長く伸びた木の影がアクセントとなり、画面を引き締め、メリハリのある写真に仕上がりました。
このように、秋~冬にかけて写真を撮る時は、この影の存在が極めて重要になってきます。
この2枚の写真の違いは、その下の地面の影を意識したか、しなかったかです。
影のハッキリしない写真Aに対し、写真Bは長く伸びた木の影がアクセントとなり、画面を引き締め、メリハリのある写真に仕上がりました。
このように、秋~冬にかけて写真を撮る時は、この影の存在が極めて重要になってきます。
写真A
写真B
影の長さが変わるわけは、太陽の高度にあります。
地球は太陽の周りを約1年間かけて回っています。そしてその間、地球そのものも24時間(1日)かけて1回転しているのですが、その自転するときの地軸が23.4度傾いているのです。
このことが北半球の場合だと春~夏に太陽高度が高くなり(太陽の方向に傾いている)、秋~冬になると太陽高度が低くなる(太陽と反対方向に傾いている)原因です。(実際には、「春~夏」であっても太陽は昇って沈むので、日の出直後や日没直前のわずかな時間であれば影は長くなります。しかし、冬のように長時間にわたって長い影が出続けることはありません。)
5月と11月で木の影の違いを比べたのが写真Cと写真Dです。
太陽高度が高い5月ごろ(写真C)は、木の真上から光が差すため、ちょうど木の下に木陰ができるように影ができます。
それに対し太陽高度が低い11月ころ(写真D)は、14時過ぎる頃には木の横から日が差し、日差しと反対側に長い影が現れます。
地球は太陽の周りを約1年間かけて回っています。そしてその間、地球そのものも24時間(1日)かけて1回転しているのですが、その自転するときの地軸が23.4度傾いているのです。
このことが北半球の場合だと春~夏に太陽高度が高くなり(太陽の方向に傾いている)、秋~冬になると太陽高度が低くなる(太陽と反対方向に傾いている)原因です。(実際には、「春~夏」であっても太陽は昇って沈むので、日の出直後や日没直前のわずかな時間であれば影は長くなります。しかし、冬のように長時間にわたって長い影が出続けることはありません。)
5月と11月で木の影の違いを比べたのが写真Cと写真Dです。
太陽高度が高い5月ごろ(写真C)は、木の真上から光が差すため、ちょうど木の下に木陰ができるように影ができます。
それに対し太陽高度が低い11月ころ(写真D)は、14時過ぎる頃には木の横から日が差し、日差しと反対側に長い影が現れます。
写真C
写真D
長い影ができるのは、木に限った話ではありません。人(写真E)や建物(写真F)にも長く印象的な影が現れます。
影を美しく見せるポイントは、辺り一帯が密集していなくて、影を作るものとものの間にきちんと隙間(空間)が存在すること。
そして、影を撮るためには被写体を逆光向きに見る必要があります。
こうすることで人間の存在感が一気に増し、建物のメリハリ感が演出され、写真が一層際立ってくるのです。
影を美しく見せるポイントは、辺り一帯が密集していなくて、影を作るものとものの間にきちんと隙間(空間)が存在すること。
そして、影を撮るためには被写体を逆光向きに見る必要があります。
こうすることで人間の存在感が一気に増し、建物のメリハリ感が演出され、写真が一層際立ってくるのです。
写真E
写真F
影を活かした写真を狙う際に注意点としては、その“形が印象的になる”ように画角に入れてあげることです。
写真G/写真H/写真Iは、公園にあったいずれも同じケヤキの木を狙った写真です。ちょうど黄色から赤色へと紅葉の色が変化していくベストのタイミングで、下の落ち葉も入れながら撮影してみました。
写真Gは望遠レンズで光に透ける葉を中心に狙いました。色の鮮やかさは3枚の中でもっとも出ていますが、影をほとんど意識していないせいか、平凡な印象です。
写真H/写真Iは、影を入れて影が向かっている先で色づく紅葉に視線が集まるように狙いました。
写真Hのほうは影の間が空いてしまったので、自分の立っている位置を少し右へ移動して撮影したのが写真Iです。影の向かう方向に統一感があり、一層視線が集まりやすくなりました。
写真G/写真H/写真Iは、公園にあったいずれも同じケヤキの木を狙った写真です。ちょうど黄色から赤色へと紅葉の色が変化していくベストのタイミングで、下の落ち葉も入れながら撮影してみました。
写真Gは望遠レンズで光に透ける葉を中心に狙いました。色の鮮やかさは3枚の中でもっとも出ていますが、影をほとんど意識していないせいか、平凡な印象です。
写真H/写真Iは、影を入れて影が向かっている先で色づく紅葉に視線が集まるように狙いました。
写真Hのほうは影の間が空いてしまったので、自分の立っている位置を少し右へ移動して撮影したのが写真Iです。影の向かう方向に統一感があり、一層視線が集まりやすくなりました。
写真G
写真H
写真I
☆
太陽高度が低くなると、日差しの色も黄色~橙色へと変化し、鮮やかさが一層増してきます。この鮮やかさが増した太陽光線を一層引き立てるためにも、長~く伸びた影を撮影に活かしてみてください。
太陽高度が低くなると、日差しの色も黄色~橙色へと変化し、鮮やかさが一層増してきます。この鮮やかさが増した太陽光線を一層引き立てるためにも、長~く伸びた影を撮影に活かしてみてください。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
百選に選定されている埼玉県のさきたま古墳公園
「日本の都市公園百選」は、社団法人日本公園緑地協会によって1989年に選出されたものです。基本的に都市部にある公園から選出されているので、“気軽におでかけ”できる公園といえるでしょう。
自然公園が自然環境保護や景観保存の目的が大きいのに対し、こちらは住民たちの“憩いの場”といった面が重視されています。
テーマパークほど遊戯施設が豊富なわけではありませんが、樹木が植えられ、それなりの設備が整っています。
カメラを持ってでかけて、越カメラマンが教えてくれた樹木の長い影を活かした構図で写真を狙ってみるのに最適でしょう。
ぜひ、休日におでかけして傑作をものにしてみてください。
「この素敵な写真はどこで撮影したのですか?」と問われ、「近くの都市公園ですよ」と応えるのは、なんだか痛快ですよね!
●日本の都市公園百選
http://j100s.com/toshikouen.html
http://www.scow.or.jp/original77.html
一般財団法人社会福祉笑顔ふれあい財団が開催する、「人と人との“笑顔”あるふれあい写真大募集」の、どなたでも応募できる写真コンテストです。
人と人のコミュニケーションの大切さ、人と人との“きずな”の再確認などを目的としています。
人と人がふれあい、心が動いた瞬間の笑顔あふれる写真を応募してください。
一般財団法人社会福祉笑顔ふれあい財団が開催する、「人と人との“笑顔”あるふれあい写真大募集」の、どなたでも応募できる写真コンテストです。
人と人のコミュニケーションの大切さ、人と人との“きずな”の再確認などを目的としています。
人と人がふれあい、心が動いた瞬間の笑顔あふれる写真を応募してください。
募集締切 :
2016年11月15日(火)
商品など :
グランプリ1名/商品券3万円分
特選1名/商品券1万円分
入選10名/商品券1000円分 ほか
特選1名/商品券1万円分
入選10名/商品券1000円分 ほか
編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。今月は山形県のさくらんぼ農家で撮影した写真です。もうとっくにさくらんぼの季節は終わりましたが、この愛らしいフルーツは、なかなか素敵ですね。種類も豊富でした。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。