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スイミング+バイク(自転車)+ランの3つの種目でタイムを競うトライアスロン。これはもう完全なる人力王! この頃はキッズ大会も開催されるようになり、ますます人気が高まっています。甥が出るというので、さっそく応援に行ってきました!

自転車置き場に自転車を置く参加選手


大勢が一斉に泳ぐ姿は魚の群れのように見えた


100mを超えると徐々に差が付いてきた


僕らが子どもの頃、クラスの人気者はスポーツ万能少年だった。

足が速い子どもばかりが務める対抗リレーのアンカーレースで、他の子をまくる奴が圧倒的に女子にもてた。

そんな子は水泳もうまかったし、野球をやらせても、なんなくホームランをかっ飛ばした。
勉強はまあまあでも、それで十分にクラスのヒーローだったのだ。

今の子どもたちはどうなのだろう。ポケモンを数多く保有していたり、ゲーム上手な子どもが人気なのだろうか。

少年サッカークラブに所属し、背番号10を付けている友人の子どもがいる。試合になれば頭ひとつ分伸長の高い相手ディフェンスをドリブルで置き去りにする。その存在感は圧倒的だ。僕らの時代なら、間違いなくクラスの中心だったろう。

しかし、学校では「ぜーんぜん…」と首を振る。そもそも、学校でサッカーをする機会があまりないそうだ。

僕には小学校5年の甥っこがいる。学科の成績は知らない。ただ、走るのは相当速い。スイミングクラブに通っているのも知っている。スケートボードだってうまく操る。遊びに来る時は、自転車で颯爽とやって来る。いつも日に焼けていて、白い歯を見せてにっこり笑う。
僕らが子どもの頃なら、100%クラスの人気者タイプだ。その彼がトライアスロンに挑戦するという…。僕は驚いた。

トライアスロンは1974年にアメリカで初開催された超人レースである。「ショートディスタンス(短距離)部門」でも、スイム1.5km+バイク40km+ラン10km。

「アイアンマン・ディスタンス」になるとスイム3.8km+バイク180km+ラン42.195kmだ。つまり、リオデジャネイロ五輪の室内水泳競技最長種目である「1500m自由形」の倍以上を泳ぎ、東京から静岡駅手前まで自転車で行き、その後にフルマラソンを走る計算になる。

運動不足気味の身にとって、考えただけでも恐ろしい! で、恐る恐る「小学5年だとどれくらいの距離?」と、尋ねる。

9月11日に国営昭和記念公園で開催された「2016トライアスロンフェスティバル」の場合、小学4~6年の部はスイム150m+バイク10km+ラン2km。これだって相当な距離である。

スイムが終わって給水。一人前のレーサーだ


スイムからバイクへの移動も急いで!


ロードバイクの中をカゴ付き自転車で走る子も


前日におとなが参加するトライアスロン大会を終えた11日、トライアスロン・キッズが集まってきた。

首都圏の学校の生徒が圧倒的に多いが、アメリカンスクールに通う外国籍の少年少女、兵庫、鳥取、沖縄などの遠方からやって来た子どももいる。

小学1年から高校生までがブロックごとに競い合う。高校生ともなればスイム750m+バイク20km+ラン5kmだから、かなり過酷なレースになる。

エントリーを済ませたキッズたちが、愛用のバイクをバイク置き場に押しながら歩いてきた。まわりにはご両親の姿。これがなかなか熱い。ビデオやカメラを片手にわが子を追う。
「自転車、チェックしとけよ!」、「調子は大丈夫だな!」なんて声がかかる。

トライアスロン・キッズはスタート前にすべきことも多い。バイクを点検してバイク置き場に置く。バイク、ランに必要なものを指定の場所に置く。レースナンバーを装着する…。

ちなみにスイムはスタート前に大会本部より渡される指定のキャップを付けることになる。ただし、スイミングウエアや自転車、ヘルメット、シューズ、シャツ、スイム以外のキャップは自前だ。

すでに数レースを経験している子ども、両親もトライアスロン愛好家の子どもたちは、ウエアも自転車も本格的。ロードレース用のバイクがきらきら輝いている。

しかし、そこはキッズ・トライアスロン。前にカゴが付いたタイプの家庭的(?)な自転車で参加する少年もいて、それはそれですごく微笑ましい。

甥っこはお姉さんの自転車を借りての登場だ。普段、お姉さんが通学やショッピングで愛用しているもので、変則ギアが付いているとはいえ本物志向のロードレーサーとはいえない。

最初のスタートとなった高校生の部、次の小学1~3年の部のレースが終わると、小学4~6年の部になった。

計測チップが入ったタグを足首に巻いて準備終了。大勢が一度にスタートするレースでは、計測チップが正確な所要タイムを弾き出す。いよいよ、甥っこのスタート時間になった。

チェーンが外れるアクシデントが発生!


最後の力を振り絞ってゴールをめざす


疲れ切ってゴール。両親が健闘を讃える


最初の種目は公園内のレインボープールで行われるスイムだ。ついこの前まで、ファミリーやカップルで賑わった優雅なレジャー用のプールが、たった今、少年少女が凌ぎを削る競技場に変わる。

「わざと水の中に頭を押さえつける奴がいた…」、ゴール後に甥っこが話した。

大勢が一斉に争うトライアスロンのようなレースでは、勝つために多少の手荒い真似をするのだろうか。

スイムで早速上位につけていた甥っこは、トライアスロン初参加の洗礼を受けた。でも、基本的にはルールに則って行われているスポーツだし、押さえつけられたというのは偶然の出来事だったのかもしれない。それに負けていたら、スイム、バイク、ランと続く過激なレースは続けられない。

2番目の種目はバイク。ここでアクシデントが起きた。バイクのチェーンが外れて大転倒したのだ。

「目の前で転んだのよ。頭から1回転して、ものすごかったから心配したわ」、子どもを参加させていた知り合いの奥さんが言う。

やはり、レース用に整備されたロードレース用バイクと、お姉さんから借りた自転車との差なのだろうか。

ケガの具合が気になるが、選手に手を貸せない。普段から根性では負けない甥っこは、すぐに自転車を押して歩き出す。ルールにあるように係員に相談し、所定の位置で自転車を修理。これらもすべてひとりで行わなくてはならない。

キッズクラスといえども、“自分でやる”のがトライアスロンの基本だ。転倒→起き上がる→自転車を起こして押す→修理する→再びレースに戻る。これらの動きをスムーズに行う。それはまさに、一人前のレーサーの姿だった。

最後の種目はランだ。長距離は得意とするところ。しかし、バイクで負ったハンデは大き過ぎた。多少は挽回するものの、事前に目標にしていた順位までは到達できなかったのである。

レース後の彼は疲労困憊といった様子を見せていた。悔しさも滲ませていた。それでも、初トライアスロンを完走した満足感のようなものが全身から発せられていたのは間違いない。



調べてみると、トライアスロン大会はずいぶん開催数があるのに気付いた。キッズを対象にしたレースもある。

今からバイクやランを一緒に始め、やがては親子でトライアスロンに参加というのはいかが。バイクをクルマに積んででかけるのも悪くない。トライアスロンのシーズンに向けて、早めに練習を積んでおくのだ。

きっと、想像以上に成長した子どもたちの姿に、驚かされるだろう。

あ、そうそう。僕の場合はとても3種目をこなす体力と気力に自信がない。


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●日本トライアスロン連合 オフィシャルサイト
http://www.jtu.or.jp/
< PROFILE >
木場 新
休日評論家。主な出版物に共著の『温泉遺産の旅 奇跡の湯 ぶくぶく自噴泉めぐり』、一部執筆&プロデュースの『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」の連載ほか。
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