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越カメラマンがアドバイスするのは梅の撮影方法です。「梅の写真は難しい」と越カメラマンが言います。しかし、今年こそ春を告げる梅の花を美しく撮影してみたいものです。そのほかにも写真コンテスト情報、壁紙プレゼントなどをご用意しました!

寒かった冬も終わりかけて少しずつ暖かくなってくると、そこかしこで梅の花が咲き始めます。ドライブルートにも梅園があり、まとまった数の梅が一足早い春を告げてくれます。
ところで、「梅」を写真に撮ろうとして、どうにもうまくいかなかったことはありませんか? 
実はこの梅という花は、写真にするにはかなりのくせ者で、ただ撮ったのではなかなかうまく写りません。私自身、被写体としてはかなり難しい花だと感じています。
これまでにも作品例で梅を取り上げていますが、今回は梅に焦点を絞ってお話ししましょう。梅の花をキレイに撮るコツを考えてみたいと思います。

梅の写真が難しいのは、花の色とその付き方に起因します。
まず、写真A~Cを見ていただくと、どれも白梅を撮った写真ですが、写真Aだけが奥行きが感じられると思います。
そもそも梅の花は、色が白もしくは紅(最近はピンクなどもありますが)と単色なうえ花が密集して咲くため、単調でメリハリのない、白い塊が写っているだけの写真になってしまうのです。
また、1本単独ではなく、何本かが重なるように植えられている場合が多く、スッキリした写真にならないのです。
写真B写真Cも画面全体にただ白い花が写っているだけになっています。
写真Aは背景(周囲の情景)として少し遠くの山の斜面を入れ、奥行きを感じられるようにしてみました。梅を撮るときは周囲の情景を生かすことで、単調な画面を立体的に見せる工夫が大切になってきます。

写真A

写真B

写真C

梅を撮ったときの失敗原因が白い塊になってしまうことだとすれば、ポツンと立っているような梅の木は積極的に活用すべきです。
そのためには、木と木が重ならないポジション探しが欠かせません。
写真Dは木と木が重なって梅が白い塊のままですが、少しポジションを移動させると写真Eのように、背後に1本の小さな梅の木が見えてきました。
写真Eはこの梅をポイントにして前後の立体感を狙ってみました。

写真D

写真E

梅だけを狙うと単調になるので、何かほかにアクセントになるものを活用すれば、単調な画面に多少変化がつきます。
写真Fはたまたま白い梅の中に紅梅が1本だけ咲いていたので、そこをポイントにして撮影しました。
また、写真Gは白い梅園の中に緑色の帯のような植樹があったので、それを生かし、山の斜面いっぱいに咲く梅を俯瞰して奥行きを出してみました。

写真F

写真G

色が単調なことも梅の写真を難しくする要因です。そこで、別の色味のある被写体を前ボケなどに活用すれば、立体的に見せることができます。
写真Hはナノハナを、写真Iは紅梅の手前に別の白い梅の花を前ボケにして、色が単調にならないように工夫しました。前ボケを入れたことで結果的に立体感も出ています。

写真H

写真I

全体を撮るのではなく、花の一部をアップで撮る場合も、背景や周囲の情景選びが結果を左右します。
写真Jは芝生を背景に、写真Kは紅梅をバックに撮影してみました。
写真Kのほうが色味の入ったぶん立体感があり、華やいだ雰囲気に見えます。

写真J

写真K

写真L写真Mは茨城県の水戸偕楽園で撮った写真です。まだ、ちょっと時期が早かったものの白い梅の花が青空に映えていました。
このような観光地で撮影する場合、どこを切り取るかが大切です。ほかの観光客が周囲にいたり、どうしても絵に邪魔なものが置かれているので、そこはばっさり省略するように撮るといいでしょう。
ここではほかのポイントがなかったので、青空をバックに撮影しました。(ただし、曇った空をバックにするのは禁物です)。

写真L

写真M

静岡県富士市にある岩本山公園は、梅の背後に富士山が望める人気のスポット。ですが、私が訪れたこの日はほんのわずかに山頂が見える程度。そこで、逆にキレイだった南アルプスの山並みを背景に選び、紅梅を狙ってみました。

写真N
 ☆

こうしてみてくると、梅をたんなる“塊”として狙うのではなく、周囲の情景や背景といかに組み合わせられるかが、成功への分かれ道だと思います。
今年はドライブルートで梅(梅園)を見つけたら、情景(背景)を意識してみてください。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。


http://www.joy.hi-ho.ne.jp/ma0011/ume/

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たとえば、越カメラマンが作品例を撮影した水戸の偕楽園も掲載されており、そこからリンク先を辿れば、「見頃情報」など、現地発信ならではの新鮮な情報も手に入ります。
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http://www.kiraku.gr.jp/photocontest/index.html

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< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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