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越カメラマンがアドバイスするのは「ピント合わせの自由について」です。オート任せではなく、ピントをどこに合わせるかで写真そのものがガラリと変わります! そのほかにも写真コンテスト情報、壁紙プレゼント「イタリア地中海の小さな村」などをご用意しました!
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春ももうそこまで来ています。ドライブにも心地よい季節になってきました。これから季節が進むにつれ、ドライブルートの花畑を訪れることも増えると思います。
広大なお花畑で写真を撮ろうとしたとき、「いったいどこにピントを合わせるの…?」そんな疑問を持った経験はありませんか。
最近のカメラは優秀なので、自動でピントを合わせてくれます…。ですが、実際には撮り手がどこにピントを合わせたいのかをカメラは判断できないのです。今回はそんなお話しです。
ピントの位置についてのアドバイスはバックナンバーの第31回、ピントが合わせにくい場面については第34回でも解説していますので、合わせて参考にしてみてください。
広大なお花畑で写真を撮ろうとしたとき、「いったいどこにピントを合わせるの…?」そんな疑問を持った経験はありませんか。
最近のカメラは優秀なので、自動でピントを合わせてくれます…。ですが、実際には撮り手がどこにピントを合わせたいのかをカメラは判断できないのです。今回はそんなお話しです。
ピントの位置についてのアドバイスはバックナンバーの第31回、ピントが合わせにくい場面については第34回でも解説していますので、合わせて参考にしてみてください。
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一面に広がるお花畑、そのどこにピントを合わせればよいのか。実はカメラには判断できません。「だいたいこの辺に合わせるのかな…」といった感じで、画面の中央付近にピントを合わせてくれますが…。実は、ここが落とし穴なのです。
そもそも「どこにピントを合わせる」のか。これを決めるのはカメラではなく、あなた自身です。そして、カメラにそれを伝えてあげるのは、あなた自身の役目なのです。
ピントの位置を変えることで、花畑のどこを目立たせたいのかが決まってきます。
写真Aはカメラ任せで漠然と撮ったもの。写真Bは少しだけかがんで、花の中から顔を出した花房に狙いを定め、ピントを合わせたもの。どちらの写真に強い意志を感じますか?
そもそも「どこにピントを合わせる」のか。これを決めるのはカメラではなく、あなた自身です。そして、カメラにそれを伝えてあげるのは、あなた自身の役目なのです。
ピントの位置を変えることで、花畑のどこを目立たせたいのかが決まってきます。
写真Aはカメラ任せで漠然と撮ったもの。写真Bは少しだけかがんで、花の中から顔を出した花房に狙いを定め、ピントを合わせたもの。どちらの写真に強い意志を感じますか?
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写真A
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写真B
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早咲きで有名なカワヅザクラが咲く川岸を撮影した写真です。
もちろん「両方にピントを合わせて撮りたい!」という気持ちは分かります。ですので、それはそれとして撮影した後でどうするのか。ここで一工夫することが大切です。
バックナンバー第47回で、写真の「主役」と「脇役」の話をしましたが、この「主役」と「脇役」を決めるひとつの方法がピントの位置なのです。主役が「ナノハナ」なのか「サクラ」なのか。カメラに勝手に決めさせては、撮り手としてのあなた自身の役目がなくなってしまいます。
ナノハナにピントを合わせ、ナノハナを主役にしたのが写真Cです。
逆にカワヅザクラを主役にしてピントを合わせたのが写真Dになります。
一緒に撮るならば、両方にピントが合った写真だけではなく、片方にスポットライトを当て、より素敵な写真も狙ってみたいものです。
もちろん「両方にピントを合わせて撮りたい!」という気持ちは分かります。ですので、それはそれとして撮影した後でどうするのか。ここで一工夫することが大切です。
バックナンバー第47回で、写真の「主役」と「脇役」の話をしましたが、この「主役」と「脇役」を決めるひとつの方法がピントの位置なのです。主役が「ナノハナ」なのか「サクラ」なのか。カメラに勝手に決めさせては、撮り手としてのあなた自身の役目がなくなってしまいます。
ナノハナにピントを合わせ、ナノハナを主役にしたのが写真Cです。
逆にカワヅザクラを主役にしてピントを合わせたのが写真Dになります。
一緒に撮るならば、両方にピントが合った写真だけではなく、片方にスポットライトを当て、より素敵な写真も狙ってみたいものです。
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写真C
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写真D
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写真Cと写真Dは「主役」と「脇役」レベルの話ですが、マクロ写真のように極端な場合は、写真のテーマ自体が変わってしまうことがあります。
写真Eはオレンジ色の花のほうに、写真Fは黄色い花のほうに、同じ位置からピントの位置だけを変えて撮影しています。
ピント位置の違いだけなのですが、2枚の写真は全く別物になっています。
「マクロレンズでの撮影」ですので、ピントの位置を変えるだけで、片方の花は大きくぼけてしまいます。
「ピントの位置をきちんとカメラに伝えて撮ることが大切」というのが、わかりやすい例だと思います。では、実際にどうやってピント位置を変えるのでしょう。
写真Eはオレンジ色の花のほうに、写真Fは黄色い花のほうに、同じ位置からピントの位置だけを変えて撮影しています。
ピント位置の違いだけなのですが、2枚の写真は全く別物になっています。
「マクロレンズでの撮影」ですので、ピントの位置を変えるだけで、片方の花は大きくぼけてしまいます。
「ピントの位置をきちんとカメラに伝えて撮ることが大切」というのが、わかりやすい例だと思います。では、実際にどうやってピント位置を変えるのでしょう。
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写真E
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写真F
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カメラがピントを合わせる位置のことを「フォーカスポイント」と呼びます(機種によっては「AFポイント」と呼ぶ場合もあります)。
一眼レフでファインダーを覗きながら撮る場合、カメラの初期設定では、このフォーカスポイント選びが、「複数」でかつ「自動」になっています。すると、ピントを合わせようとすると、写真Gのようにカメラが複数のフォーカスポイントを自動で選び、だいたいその辺りにピントを合わせます。
これを「自動選択」と言うのですが、できればこの自動選択を解除して、フォーカスポイントの選択を任意で行ってみましょう。こうすることで、ピントを合わせる位置はあなたの意のままになるのです。
なお、ここで注意したいのは、フォーカスポイントの選択を任意にするだけで、ピント合わせ自体をマニュアルフォーカスにするのではありません。つまりAF(オートフォーカス)自体をMF(マニュアルフォーカス)にする必要はないのです。ここのところは誤解のなきようご注意を。
一眼レフでファインダーを覗きながら撮る場合、カメラの初期設定では、このフォーカスポイント選びが、「複数」でかつ「自動」になっています。すると、ピントを合わせようとすると、写真Gのようにカメラが複数のフォーカスポイントを自動で選び、だいたいその辺りにピントを合わせます。
これを「自動選択」と言うのですが、できればこの自動選択を解除して、フォーカスポイントの選択を任意で行ってみましょう。こうすることで、ピントを合わせる位置はあなたの意のままになるのです。
なお、ここで注意したいのは、フォーカスポイントの選択を任意にするだけで、ピント合わせ自体をマニュアルフォーカスにするのではありません。つまりAF(オートフォーカス)自体をMF(マニュアルフォーカス)にする必要はないのです。ここのところは誤解のなきようご注意を。
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写真G
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写真H
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写真I、写真Jは、それぞれ写真C、写真Dを撮る際に実際に選択したフォーカスポイントの位置(赤くなった部分)です。
とくに写真Iのように花が複数の場合は、背景がスッキリして見え、周囲にほかのものがない所を選ぶとピントが合いやすくなります。
また、ピントを合わせたい所にフォーカスポイントがない場合は、一番近いフォーカスポイントを選んでピントを合わせ、その状態をキープしたままフレーミングを調整してシャッターを切るようにしましょう。これを「フォーカスロック」と言います。
とくに写真Iのように花が複数の場合は、背景がスッキリして見え、周囲にほかのものがない所を選ぶとピントが合いやすくなります。
また、ピントを合わせたい所にフォーカスポイントがない場合は、一番近いフォーカスポイントを選んでピントを合わせ、その状態をキープしたままフレーミングを調整してシャッターを切るようにしましょう。これを「フォーカスロック」と言います。
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写真I
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写真J
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ミラーレスカメラや一眼レフのモニターを使えば、もっと簡単にピントを合わせたい場所で的確にピントが合わせられます。
初期の状態では、画面全体にピントが合うように設定されている機種が多いので、まずは一眼レフ同様にフォーカスポイントを「1点」に変更します。
あとは、液晶モニター上に出てくるカーソルを、「ピントを合わせたい位置」に持っていきピントを合わせるだけ。一眼レフと違って、画面全体の任意の場所が選べるので、とても便利です。
しかも、最新のデジタルカメラのモニターはタッチ式なので、自分がピントを合わせたい場所も画面をタッチすればOK。また、拡大してピントを合わせたり、ピントが合っているかどうかをマークで知らせてくれる機能(「ピーキング」と言います)に対応したカメラもあるので、これを活用すると、より正確で自在なピント合わせが可能になります。
※少し古いコンパクトデジタルカメラでピント位置が変えられない機種があります。その場合は一眼レフの所で触れた「フォーカスロック」、つまり真ん中のフォーカスポイントでピントを合わせ、その状態をキープしたままフレーミングを直してシャッターを切る方法を使います。
初期の状態では、画面全体にピントが合うように設定されている機種が多いので、まずは一眼レフ同様にフォーカスポイントを「1点」に変更します。
あとは、液晶モニター上に出てくるカーソルを、「ピントを合わせたい位置」に持っていきピントを合わせるだけ。一眼レフと違って、画面全体の任意の場所が選べるので、とても便利です。
しかも、最新のデジタルカメラのモニターはタッチ式なので、自分がピントを合わせたい場所も画面をタッチすればOK。また、拡大してピントを合わせたり、ピントが合っているかどうかをマークで知らせてくれる機能(「ピーキング」と言います)に対応したカメラもあるので、これを活用すると、より正確で自在なピント合わせが可能になります。
※少し古いコンパクトデジタルカメラでピント位置が変えられない機種があります。その場合は一眼レフの所で触れた「フォーカスロック」、つまり真ん中のフォーカスポイントでピントを合わせ、その状態をキープしたままフレーミングを直してシャッターを切る方法を使います。
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写真K
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写真L
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今回は、ピントの位置を変えることをテーマにしてみましたが、ピント位置を変える方法(とくに背面液晶を使った場合)にはいくつかのアプローチがあります。
代表例で言うと、人物を撮る場合に有効な「顔認識機能」がそれで、人物の顔を自動的に認識し、ピント位置を自動で顔に合わせてくれます。しかし、細かく言えば顔のどの部分にピントを合わせるのか(目なのか鼻なのか)であったり、複数人の場合に誰に合わせるのかなど、撮影者がカメラに伝えることはたくさんあるのです。
代表例で言うと、人物を撮る場合に有効な「顔認識機能」がそれで、人物の顔を自動的に認識し、ピント位置を自動で顔に合わせてくれます。しかし、細かく言えば顔のどの部分にピントを合わせるのか(目なのか鼻なのか)であったり、複数人の場合に誰に合わせるのかなど、撮影者がカメラに伝えることはたくさんあるのです。
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写真M
☆
このようにピント位置を変えるアプローチは多岐に渡ります。ですが、撮影する被写体や撮影状況に合わせて素早くピント位置を変えられるように練習しておくことは、決して無駄にはなりません。
このようにピント位置を変えるアプローチは多岐に渡ります。ですが、撮影する被写体や撮影状況に合わせて素早くピント位置を変えられるように練習しておくことは、決して無駄にはなりません。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
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https://retrip.jp/articles/50409/
「RETRIP」は旅、グルメ、デートスポットなどさまざまな「行ってみたい場所」を取り上げ、データなどを掲載する便利なWebサイトです。
そのコンテンツの中に『死ぬまでに一度は行きたい! 美しすぎる世界の絶景「花畑」18選』があります。
世界の中の18選ですから、越カメラマンのアドバイスを即実践しに行くには遠すぎる所も多々ありますが、なかには日本のお花畑も含まれています。
さて、どこが紹介されているのでしょう。
それも含めて厳選された美しいお花畑をご覧ください。
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公益社団法人日本動物病院協会が主催するフォトコンテストで部門はふたつあります。
人と動物の絆部門は、テーマが「一緒にいるってこんなに幸せ☆」を感じる写真。
ファッション部門は同じテーマですが、審査員があなたを含む一般の方の投票によって決まります。
募集締切 :
2017年3月31日(金)
商品など :
[人と動物の絆部門]
JAHA会長賞/5万円の旅行券(1名)
スポンサー賞/商品券3万円と副賞(各社1名×5~6社予定)
CAPP賞/1万円の商品券(数名)など
JAHA会長賞/5万円の旅行券(1名)
スポンサー賞/商品券3万円と副賞(各社1名×5~6社予定)
CAPP賞/1万円の商品券(数名)など
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編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。
イタリアの地中海沿岸には映画ロケ地として人気になったアマルフィだけでなく、ポルトフィーノや世界遺産の「チンクエ・テッレ」などの美しい小さな村が点在しています。そんな街のショットを壁紙にどうぞ!
イタリアの地中海沿岸には映画ロケ地として人気になったアマルフィだけでなく、ポルトフィーノや世界遺産の「チンクエ・テッレ」などの美しい小さな村が点在しています。そんな街のショットを壁紙にどうぞ!
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。