「美しい景色の写真を撮影すれば素敵な仕上がりになる」、こう考えても無理はありません。しかし、そこに大きな落とし穴があると、越カメラマンがアドバイスします。そのほか、写真コンテスト情報や壁紙をプレゼントいたします。
昨年、筑波山の麓のとある場所の、ヒマワリ畑がキレイと言うことでドライブに出かけてきました。
花がいっぱい咲いていると、当然キレイな写真が撮れる……と思ってしまいがちですが、そこが落とし穴。実は、花がいっぱい咲いている場所こそ、キレイな写真を撮るのは至難の業なのです。
花がいっぱい咲いていると、当然キレイな写真が撮れる……と思ってしまいがちですが、そこが落とし穴。実は、花がいっぱい咲いている場所こそ、キレイな写真を撮るのは至難の業なのです。
ヒマワリ畑に着いて、まず1枚撮ったのが写真Aです。今ひとつだな~と思い、よく見ると、右に展望台(写真Aの赤丸部分)らしきものが。
早速その展望台に行き、撮った写真が写真Bです。確かに花はいっぱい咲いて、霧がかかってはいるものの筑波山もバックにできて……。しかし、これでは満足できません。花は反対を向いているうえ、さっきの場所より花が少ない。まして、周囲の建物が目障りです。
ということで、今回は、花がいっぱい咲いているお花畑でよりキレイな写真を撮るコツを紹介します。
早速その展望台に行き、撮った写真が写真Bです。確かに花はいっぱい咲いて、霧がかかってはいるものの筑波山もバックにできて……。しかし、これでは満足できません。花は反対を向いているうえ、さっきの場所より花が少ない。まして、周囲の建物が目障りです。
ということで、今回は、花がいっぱい咲いているお花畑でよりキレイな写真を撮るコツを紹介します。
写真A
写真B
写真A、写真Bは実は見た目通りです。これはこれでいいのですが、ここで一工夫してみましょう。
まずは反対方向を向き、ズームアップして望遠気味に狙ったのが写真Cです。花どうしの密度がグッと縮まり、花がいっぱい咲いているように見えます。これがまず一つの方法です。
そしてもう一つは、ズームダウンして広角気味にして、花の大きさに強弱をつけ広がりをつける方法です。
ちなみに写真Cは、花の向きは変わったものの、せっかくの筑波山が入っていませんでした。そこで、筑波山を背に咲いている花を探し、近づいて広角で撮影したのが写真Dになります。主役の花は大きく、背後の花畑には広がりができ、邪魔だった建物も小さくなり目立たなくなりました。
このように、花がいっぱい咲いている場所では、望遠、広角をうまく使うことが、キレイな写真を撮るポイントです。ほかの例でも見てみましょう。
まずは反対方向を向き、ズームアップして望遠気味に狙ったのが写真Cです。花どうしの密度がグッと縮まり、花がいっぱい咲いているように見えます。これがまず一つの方法です。
そしてもう一つは、ズームダウンして広角気味にして、花の大きさに強弱をつけ広がりをつける方法です。
ちなみに写真Cは、花の向きは変わったものの、せっかくの筑波山が入っていませんでした。そこで、筑波山を背に咲いている花を探し、近づいて広角で撮影したのが写真Dになります。主役の花は大きく、背後の花畑には広がりができ、邪魔だった建物も小さくなり目立たなくなりました。
このように、花がいっぱい咲いている場所では、望遠、広角をうまく使うことが、キレイな写真を撮るポイントです。ほかの例でも見てみましょう。
写真C
写真D
今度は長野県の黒姫山の麓に広がるコスモス園へ。全体の雰囲気は写真Eのような場所です。
まずは、写真Eの位置から花がキレイに咲いている塊を探しました。ちょうど、四角く囲った部分。小さなシラカバの木があり、その背後のコスモスのグラデーションがキレイでした。
そこで望遠でその部分だけを狙ったのが写真Fです。ここでは、花は色の塊として見ているので、花一つひとつの形は気にせず、花の色の美しさとシラカバが織り成す風景を狙っています。
次に、せっかくのコスモス畑なので、コスモスと分かるような写真も撮りたいと思い、シラカバの木の根元のところまで近づきました。今度は幹は入れずに広角で花に近づきます。
写真Gは上からのぞき込むように、写真Hは少し下から遠くを望むように撮っています。ここでは、花が散漫な印象になった写真Gよりも、花の大きさに強弱が生まれ、遠近が誇張された写真Hのほうが、よりキレイに感じます。広角で撮る場合は、ちょっとした角度の違いよって花の印象が変わるので、色々な方向から狙って見ることが大切です。
まずは、写真Eの位置から花がキレイに咲いている塊を探しました。ちょうど、四角く囲った部分。小さなシラカバの木があり、その背後のコスモスのグラデーションがキレイでした。
そこで望遠でその部分だけを狙ったのが写真Fです。ここでは、花は色の塊として見ているので、花一つひとつの形は気にせず、花の色の美しさとシラカバが織り成す風景を狙っています。
次に、せっかくのコスモス畑なので、コスモスと分かるような写真も撮りたいと思い、シラカバの木の根元のところまで近づきました。今度は幹は入れずに広角で花に近づきます。
写真Gは上からのぞき込むように、写真Hは少し下から遠くを望むように撮っています。ここでは、花が散漫な印象になった写真Gよりも、花の大きさに強弱が生まれ、遠近が誇張された写真Hのほうが、よりキレイに感じます。広角で撮る場合は、ちょっとした角度の違いよって花の印象が変わるので、色々な方向から狙って見ることが大切です。
写真E
写真F
写真G
写真H
お花畑ならどこでもいいかというと、そうではありません。
せっかくのおでかけ先での写真なので、雰囲気が分かるような背景は入れたいところです。写真Iのように花だけ撮っていたのでは、どこで撮っても一緒。背景を入れることで、奥行き感が生まれ、写真がより立体的になります(写真J・写真K)。
☆
ところで、ヒマワリやコスモスのような大きな花に対し、ラベンダーのような小さな花は、主役とするポイントを絞ることが難しい被写体です。
しかし小さな花の場合も、色の美しさに主眼を置くことで、同じ狙い方ができます。広角で狙う場合(写真J)は面的な色の広がりを、望遠で狙う場合(写真K)は塊としての色の美しさを、それぞれ意識しながら撮影してみましょう。
せっかくのおでかけ先での写真なので、雰囲気が分かるような背景は入れたいところです。写真Iのように花だけ撮っていたのでは、どこで撮っても一緒。背景を入れることで、奥行き感が生まれ、写真がより立体的になります(写真J・写真K)。
☆
ところで、ヒマワリやコスモスのような大きな花に対し、ラベンダーのような小さな花は、主役とするポイントを絞ることが難しい被写体です。
しかし小さな花の場合も、色の美しさに主眼を置くことで、同じ狙い方ができます。広角で狙う場合(写真J)は面的な色の広がりを、望遠で狙う場合(写真K)は塊としての色の美しさを、それぞれ意識しながら撮影してみましょう。
写真I
写真J
写真K
今回見てきたように、花がいっぱい咲くお花畑をよりキレイに見せるには、ズーム機能(焦点距離)をうまく利用して、広角で面的な広がりを作ったり(写真L)、望遠で花の密度感を出して上げること(写真M)がポイントになります。
これから秋の花たちがいろいろと見ごろを迎える季節です。ドライブルートのお花畑で素敵な1枚を狙ってみてください。
これから秋の花たちがいろいろと見ごろを迎える季節です。ドライブルートのお花畑で素敵な1枚を狙ってみてください。
写真L
写真M
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
●ひまわり畑ネット(全国のひまわり畑が分かります)
https://www.himawaribatake.net/
●黒姫高原
http://www.kurohime-kogen.jp/
越カメラマンの写真術の記事内に出てくるお花畑やひまわり畑の情報がわかるホームページをご紹介します。
なかにはフェスティバルが開催されるところもあります。チェックして、すぐにでもでかけてみましょう。
越カメラマンがでかけた日は、天候に恵まれていない場合もあります。越カメラマンの作品を超える写真を目指して、よりいい写真を狙ってください。
第6回「夢をかなえる」子供フォトコンテスト、案内と前回作品例
NPO法人「日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)」が主催する写真コンテスト。「ひとりひとりの夢をかたちに」の理念に基づき開催しています。
写真のテーマは「将来の夢をかなえるため、頑張っている小学生」です。小学生を撮影した写真と、家族としてどのようなサポートを行っているか、行っていきたいかのコメントを募集しています。
募集締切 :
2017年11月30日(木)
賞品など :
【最優秀賞】1点、賞金10万円
【優秀賞】2点、賞金5万円ほか
【優秀賞】2点、賞金5万円ほか
編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。
暑い季節でも自然の中に行けば涼しげな水のある風景があちらこちらにあります。そんなシーンを撮影しました。
暑い季節でも自然の中に行けば涼しげな水のある風景があちらこちらにあります。そんなシーンを撮影しました。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。