「たまたま立ち寄る」から目的をもって立ち寄るにSA ＆ PAの基本を知っておこう！

クルマでおでかけに欠かせない存在のSA & PA。かつてはトイレ休憩や飲食で、タイミングがいいから「たまたま」立ち寄る場所でした。しかし、SA & PAは進化し続けて、「ここに寄りたい」場所になっています。そこで、SA & PAの基本を再確認しておきましょう。

トイレ休憩をするだけ、何かがお腹に入ればいい…というのなら、とくにSA & PAを選ぶ必要はありません。
どのSA & PAにもトイレは設置されているし、フードコーナーなどがあるからです。
ひと昔前なら、それが当たり前でした。ドライブ中にトイレに行きたくなったら寄る…これがSA & PAでした。
しかし、現在は違います。SA & PAは一段と機能的になり、まるでショッピングセンターのような機能をもつところ、テーマパークの趣きがあるところもたくさんあります。
そこで、NEXCO各社のSA & PAに対する取り組みを再確認してみましょう。


NEXCO東日本エリアをドライブしていて、SA & PAに立ち寄ると、SA & PAごとにまったく雰囲気が異なり、驚かれたことがあると思います。
NEXCO東日本はとくに特徴のあるSA & PAを設置しています。
みなさんはいくつ思い浮かぶでしょうか。

【pasar】

まずはpasarと呼ばれるSA & PAがあります。
これは、パーキングエリアのPAと、サービスエリアのSA、そしてリラクゼーションのRを繋げた造語です。
特徴はショップが充実していること。
東北自動車道羽生下り線、京葉道路幕張上下線、関越自動車道三芳上り線、常磐自動車道守谷上下線などがそうです。
それでは、羽生の下り線を見てみましょう。
「旬撰倶楽部」は、地元有名みやげをそろえた旬撰倶楽部に加え大正初期創業の和菓子店「築地ちとせ」、洋菓子の「モロゾフスイーツショップ」が入っています。
フードコートは人気店が目白押し。ローストビーフ丼が人気の「よ～いDON」、金沢カレーの「ゴーゴーカレー」、野菜たっぷりの「ちゃんぽん菜の里」、ソフトクリームやコロッケが人気の「美彩屋」、担々麺がイチオシの「胡麻唐屋」、うどん・そばの「羽生製麺処」と豪華なラインナップ。
レストランは空港などにも数多く出店している「ROYAL羽生洋食軒」が入っています。
さらに、明治38年創業のベーカリー「ドンク・ミニワン」、和のお総菜の「おこわ米八」、和スイーツの「ずんだ茶寮Café」、そしてスターバックスコーヒーにファミリーマートと揃っています。
そのほかにベビーコーナー、ATM、AED、給電スタンドなどを設置。pasarそのものが、超大型のコンビニエントなショップ。とても便利なSA & PAです。

【ドラマチックエリア】

ドラマチックエリアは地域を大切にしたSA & PAです。特産品をそろえ、その地域ならではの魅力を提供しています。
たとえ、通過するだけの地域でも、ここに立ち寄れば、まるでその土地を旅したような気分になれます。
ドラマチックエリアは東北自動車道那須高原上下線・菅生上下線、磐越自動車道磐梯山下り線、関越自動車道赤城高原上下線・上里上り線、常磐自動車道友部上下線、上信越自動車道横川上下線、長野自動車道姥捨上り線といったまさに観光スポットに設置されています。
たとえ、今回のドライブで通過するだけであっても、立ち寄れば那須高原や赤城高原などの名産品が手に入ります。
たとえば、写真を掲載した磐梯山SA下り線を見てみましょう。
テーマは「会津賑わいの城下町」。磐梯山と猪苗代湖が周囲にある会津若松は、会津藩の城下町として栄えました。幕末には藩主・松平容保は京都守護職にまでなっています。しかし、戌辰戦争では攻撃の対象となり、白虎隊の悲劇などもありました。
歴史ある場所だけに、名産品なども数多くあります。
食事関係も会津づくしです。「麺工房あかべこ」は会津産コシヒカリや会津産小麦粉を使ったオリジナル麺を使用。
「會津っこ」は会津産そば粉を利用したそば店。
「会津ソースカツ丼」は、地元名物のソースカツ丼が味わえます。
このように、ベーカリーまで会津ずくし。「ばんだいさん蔵市」は、会津漆器、会津木綿をはじめ、会津を代表する工芸品や銘菓をそろえています。

【YASMOCCA】

「やすもっか？」。休もうかということで、YASMOCCAは気軽に立ち寄れる普段使いのSA & PAです。NEXCO東日本の自動車道に数多く点在しています。
コンセプトは以下となります。

●お食事：おいしい、リーズナブル、スピーディ、安全・安心
定番メニューに加えて各地の食材を使用したご当地メニューも。急いでいる人にもスピーディに対応します。

●お買物：今だけ、ここだけ、便利さ、安全・安心
日用品からおみやげに最適なご当地ものまで。

●休憩：ホッとするあたたかみのあるお店
あたたかいお茶やお水を用意。ちょっと一息入れてください。 店舗によって内容が異なる場合もありますが、「朝定食（500円）」、「パワーランチ（780円）」などもYASMOCCAの共通メニューです。気軽に利用するのにいいですね。

【テーマパークのような世界】

東北自動車道羽生PA上り線「鬼平江戸処」
東北自動車道はいうなれば現代版「日光街道」。羽生は江戸への入り口に当たります。そこで、誕生したのが池波正太郎の小説「鬼平犯科帳」の世界です。
物語の主人公は「鬼平」と呼ばれる火付盗賊改方・長谷川平蔵です。悪を成敗するのですが、そこには江戸人情が見え隠れします。
鬼平が生きた江戸時代の街を再現しているのがここの魅力です。東京に帰る前に、東京に着く前に立ち寄りたいものです。
うなぎ、そば、軍鶏鍋、くず餅、人形焼、江戸飯などの江戸の街で流行ったものが目白押しです。 関越自動車道寄居PA上り線「星の王子さまPA」
こちらはフランス人作家サン=テグジュペリの「星の王子さま」をイメージしています。ゆかりのある南フランス・プロバンスの雰囲気があるPAです。
レストランで食べられる南フランスの家庭料理、パン屋のフランスパン、物語に出てくる“うわばみ”をモチーフにした「うわばみ焼」など、物語の世界に入り込めます。

東名高速、新東名高速、名神高速、中央自動車道、北陸自動車道などの日本の大動脈ともいえる自動車道を受け持つのがNEXCO中日本です。
ここには通常のSA & PAに加えて「NEOPASA（ネオパーサ）」と「EXPASA（エクスパーサ）」と呼ばれる２種類のSA & PAがあります。

【NEOPASA】

ネオパーサの特徴は大きく３つあります。

●ゆとりのあるスペースの確保
広々としたフードコート、広い通路や園地。ぷらっとパーク駐車場の充実など、ゆったりした空間が約束されています。

●ニーズに対応するサービス・機能
長距離ドライバーのためのスポットの確保（気軽に注文できる軽食、リフレッシュブースの設置、シャワーなどの施設）。

●新しいライフスタイルの提案
ペット連れの方への対応（愛犬と一緒に過ごせるカフェ、ドッグランの設置）。ショッピングも楽しめるアパレル、セレクトショップ、雑貨店、バイク用品販売店の展開など。

以上をふまえてそれぞれに“個性”を大事にしています。
それでは、具体的に解説しましょう。
NEOPASA清水：コンセプトは「くるまライフ・コミュニティーパーク」
外観はガレージをモチーフにしており、クルマ、バイクでおでかけを楽しむ人の憩いの場を演出します。クルマやバイクの展示のほかに、バイク用品、アパレルショップ、雑貨店もそろっています。
NEOPASA岡崎（写真）：コンセプトは「岡崎宿と森のエントランス」
東海道五十三次の38番目の宿場が岡崎宿です。上り線の外観は宿場町そのもので、立ち寄るだけで楽しい気分になります。
一方の下り線は独特な外観が目を引きます。森のエントランスのイメージです。
食事は愛知県名物がふんだんに揃っています。
NEOPASAは駿河湾沼津、清水、静岡、浜松、岡崎と新東名高速を中心に点在しています。

【EXPASA】

くつろげる場所、地域との触れ合いができる場所がコンセプト。さらに地域の特産品から、身近な商品まで取り扱っているショップがあります。
グルメは地域の食材や老舗の味を取り入れました。店舗の種類も豊富です。
EXPASAは海老名（写真）・足柄・富士川（以上東名高速）、談合坂（中央自動車道）、多賀（名神高速）、御在所（東名阪自動車道）にあります。

関西、中国、四国、九州エリアを走るNEXCO西日本は、SA & PAが個性的。いくつかのジャンルに分けてご紹介しましょう。

【公園型SA & PA】

ここは公園？と思えてしまうほどのSA & PAがいくつもあります。

●西名阪自動車道香芝SA上り線（写真）
色鮮やかな花々とシカがお出迎え。奈良県のSAといった雰囲気満載です。

●山陽自動車道福山SA上り線
シーズンには約800本のバラが美しい花をつけます。「ばら」をコンセプトにしたショップものぞいてみてください。

●中国自動車道安佐SA下り線
ほかのSAではちょっと見られないゴロゴロした庭園があります。約１万個の石を35mにわたって積み上げた石の庭があるのです。自然の滝を取り込んだ軟石庭園は一度は見てみたいものです。

【眺望抜群SA & PA】

●阪和自動車道紀ノ川SA下り線
和歌山平野を一望できるSAです。

●東九州自動車道別府湾SA上り線（写真）
眼下に別府の街並みが広がります。別府は温泉湧出量ダントツの日本一。さまざまな場所から湯気があがるのが確認できます。海と巨大温泉地。みごとな眺めです。遊歩道が整備されているので、ゆっくり歩いてみませんか？　夜景も見逃せません。

●九州自動車道桜島SA上り線
九州最南端に位置するSAは、その名の通り、桜島がよく見えます。何度も薩摩と京を往復した西郷どんも、京から家に戻るとき、この景色を眺めたときに「帰ってきた」という実感が湧いたに違いありません。

【城下町登場！驚きSA】

●阪和自動車道岸和田SA上下線
ドッグランなどの施設があるSAですが、雰囲気は城下町！　関西空港からもっとも近いSAなので、海外から来て立ち寄った観光客は、純日本風の建物に異国情緒を感じるでしょう。
「大阪みたらしだんごソフトクリーム」、「岸和田大北はんのたこ焼き」などの和風テイストのグルメも食べてみたいものです。
ショッピングをするなら「泉州こだわりタオル匠」がおすすめです。

【パワースポット型SA】

●山陽自動車道宮島SA下り線
世界遺産に登録されている「厳島神社」。その大鳥居がSA内にあります。

●中国自動車道勝央SA下り線
住所が岡山県（この後に注目！）勝田郡勝央町福吉…「勝」がふたつに「福」に「吉」。こんなに縁起のいい住所もめったにありません。縁起のいい神社として有名な勝間田神社もすぐ近く。このSAでは勝間田神社のお守りが買えるのです。

●松山自動車道伊予灘SA上り線（写真）
このSAはなんと「恋人の聖地」として認可されています。デートスポットとしても人気で、“ハートロックフェンス”に鍵をつけて永遠の愛を誓うカップルが後を絶ちません。

いかがでしたか？　いろいろなSA & PAがありますね。ぜひ、次のドライブは、目的をもってSA & PAに立ち寄ってみてください。

※SA&PA紹介のためにNEXCO各社のホームページより写真をお借りしています。