1. Smart Accessトップ
  2. おでかけマガジン(+バックナンバー)
  3. 冬は高いところに上るのだ!
「Smart Access」おでかけマガジン 毎月2回、「Smart Access」会員のみなさまへ、旬のドライブ&スポット情報をお届けします。
トップページへ戻る


空気が澄んで、遠くまで見やすい冬。キャンプ場では星空が輝き、街では見晴らしがぐっとよくなります。そこで、高いところに上がってみましょう。東京には東京タワーと東京スカイツリーの2大タワーがそろっています!

長さだけでなく高さにも驚かされる万里の長城


ピークトラムで上がると香港の夜景が広がる


東京タワーから増上寺方面を眺める


飛行機に乗るときに、僕は必ず窓側を確保する。離陸してから着陸までの空の旅が大好きなためだ。

かつては機内誌の航路マップを片手に、眼下の街を眺めたり、「あ、あの山は●●岳だ」などと、指先確認的な空の旅を堪能していた。

国内の場合、山を知るうえでは案外とスキー場が目印になる。また、競技場やドームなども高度1万mから確認しやすい施設だ。



このごろは上空から場所を確認するのがもっと簡単になった。

「Flightradar24」というアプリを僕はスマホに仕込んである。このアプリは上空を飛ぶ飛行機の航空会社名、行き先、機種などがすぐにわかるアプリだ。

「あ、あの飛行機はANA249便で機種はボーイング777、行き先は福岡だな」といった具合に使う。飛行機マニアにはたまらない。

このところWi-Fiを装備した飛行機が増えた。となると、上空でもこのアプリは最高に役立つ。自分が搭乗している飛行機を追っていけば、どこを飛んでいるのかがリアルタイムにわかるのだ。

機内誌の地図と、その上に引かれた航路図をなんとなく見ていたころに比べ、精度ははるかに上がったといえる。



さて、ここまでは飛行機マニアのお話。世の中には高所恐怖症で「窓側席に座り、下を眺めるだけで冷や汗をかく」、「飛行機は大嫌い」という人たちがいる。実は、うちの連れ合いもそうなのだ。

北京に旅行して、世界遺産の万里の長城に行ったときはゴンドラを降りた先の巨大な壁の上で動けなくなった。下を見るだけで足がすくんでしまって歩けない。

香港のピークトラムで夜景を眺めに行ったときも同様だった。壁際に立つことができない。遠くからなんとなく眺めるのが精一杯。あげく、僕がデジカメに納めた写真を見て、香港の100万ドルの夜景をバックモニターで楽しんだだけだった。

悲劇はスポーツ観戦でも起きる。2年前の元日、天皇杯決勝をパナソニックスタジアム吹田に観に行った。確保した指定席は上層エリアの最前列。あのスタジアムは観客席の勾配がきつい。まして、真下が目に入る最前列。彼女は延長まで戦って川崎フロンターレに勝って天皇杯を鹿島アントラーズが掲げた好試合をほとんど観ていない。

東京タワーの改修工事は2019年秋ごろまで。しかし、十分に展望は楽しめる


なんとも爽快な1杯を東京タワーで


先日、京都から友人夫婦が訪ねてきた。旦那のほうは出張などで東京にしばしば来ているが、奥さまは久しぶりの東京。

「何がしたい?」と尋ねると、「ダブルタワー」という。東京タワーと東京スカイツリーという東京が誇る2大タワーのはしごがお望みだという。

東京タワーは芝エリアに位置し、高さ333m。150mにメインデッキ、250mにトップデッキがある。

東京スカイツリーは浅草に近い墨田区押上にあり、高さは634m。展望台がある電波塔としては世界一の高さを誇る。

ただし、高さだけならアラブ首長国連邦のブルジュ・ハリファ(828m)や、サウジアラビアで建設中のジッダ・タワー(1000m超えの予定)の後れをとる。

とはいえ、東京スカイツリーが世界有数の高さを誇るタワーであるのは間違いない。京都夫人はこの二つに上りたいというのだ。



冬の空は夏場より澄んで見える。なぜならば、冬は気温が低く、対流活動も弱いからだ。このために、空気中の水蒸気や舞い散るチリが少ない。湿気が多く、チリも舞いやすい夏場より空がはるかにクリアに見える。

これはまさに、タワーの展望台に上がるのに好都合。京都夫人の「東京を遠くまで見下ろしてみたい」という要望を叶えるのにもってこいなのが冬なのだ。



ダブルタワーにでかけた11月の上旬は、よく晴れていたものの残念ながら予想以上に気温があがり、キリリとした空気感はなかった。

さらに無念だったのは、東京タワーは衣替え中(改修工事中)でトップデッキが金網に包まれていた。後日、より美しい東京タワーになるための作業だから、仕方ないのだが…(トップデッキにいたときに、作業員たちが窓の外に現れたのには驚かされた。高所恐怖症では絶対にできない仕事だ!)。

それでも展望は素晴らしかった。メインデッキから目線の高さで眺めていた六本木や湾岸エリア、新宿の高層ビル街が、トップデッキからだと見下ろす角度になる。

この変化の違いが楽しい。そして、そこに働くスタッフも、笑顔で対応しており申し分ない。

僕はこの日、運転していなかったから、メインデッキのカフェでビールをオーダー。いい気分で大都会をゆっくり眺め続けていた。

浅草から東京スカイツリーを観る


東京ドームが浮かんで見えた


展望回廊をまわって天空から東京を楽しむ


東京生まれ、東京育ちの僕にとって、東京タワーが山の手のタワーの印象なら、東京スカイツリーは下町タワーだ。

東京タワーの周囲は芝や、六本木などで、そこにはおしゃれなカフェが並ぶ。

一方、東京スカイツリーの周囲は小さな呑み屋や浅草寺、仲見世、神谷バー、人力車といった下町風情がたっぷり。

東京スカイツリーは一つのシンボルで、ここへのおでかけは下町情緒を伴うものだともいえる。展望台に上がった後は、下町散歩も予定に入れるといい。



東京スカイツリーは相変わらず混雑していた。チケットを求める列が続く。しかし、京都夫人を案内する役割をしっかり果たすために、僕らはチケットをネットで事前購入し、展望台にあがる時間も予約してあった。

近年、世界的に人気観光スポットはネットによる事前購入と入場時間指定が可能になっている。

スペインのバルセロナがいい例で、午前中から予定を組んで、入場時間を指定しておけば、たとえばサグラダ・ファミリア→ピカソ美術館→グエル公園といった人気のエリアが待ち時間なしで入れるのだ。

ただし、これを知らないと長蛇の列に並ぶことになる。時には、入場制限がかかり、わずかなバルセロナ滞在で行きたかった名所を見逃すことすらありえる。



僕らはスムーズに東京スカイツリー展望回廊にあがった。450mから観る東京はまた違う表情を見せる。飛行機の窓から眺めるのと同様に、東京ドームがくっきり浮かぶ。やがて東京湾に吸収される隅田川、荒川の流れがよくわかる。東京タワーとは異なる世界が広がっている。

正直なところ、どちらのタワーも最上階に行くための料金はそれなりに高い。だが、空気が澄んだ冬の日に、東京の天空に行くのは素敵な体験となるだろう。

東京以外にも全国にはさまざまなタワーがある。空気が澄んでいるうちに、タワー体験をしたいものだ。

「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!

●コラムに関連のあるサイトは?

◇東京タワー
https://www.tokyotower.co.jp/

◇東京スカイツリー
http://www.tokyo-skytree.jp/

◇全日本タワー協議会
https://www.japantowers.jp/
< PROFILE >
篠遠 泉
休日と旅のプロデューサー。主な出版物に『ぶくぶく自噴泉めぐり』『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがあるほか、『温泉批評』『旅行読売』などに執筆中。観光地の支援活動も行っている。
  • スポット特集
  • B級グルメ特集
  • オートキャンプ特集
  • レジャー&リゾート特集
  • ロケ地特集
  • 絶景特集
  • 子供といっしょにお出かけ特集
  • 特産品・名産品特集
  • 温泉・スパ特集