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郡山と会津若松の間、山に囲まれた場所に磐梯熱海温泉があります。熱海といえば約1500年の歴史がある日本を代表する温泉地ですが、こちらも800年の歴史をもつ温泉地。「美人の湯」として知られる磐梯熱海温泉は熱海と関係もあるのです。
磐越西線磐梯熱海駅の周囲に温泉宿がある

寒い時期は雪見温泉が楽しめる

宿泊施設ごとに趣向を凝らした湯が

散歩ルートの癒やし空間「ケヤキの森」

ケヤキの森足湯

磐梯熱海温泉旅館協同組合
●住所:福島県郡山市熱海町 磐梯熱海駅構内
●泉質:アルカリ性単純泉 pH9.1
●日帰り:共同湯「霊泉」元湯6時~20時、200円~(時間によって料金は異なる)、各宿泊施設も対応
●宿泊:各宿泊施設ごとにさまざまなプランを設定
TEL:024-984-2182
【温泉むすめ情報】
磐梯熱海 萩
氷の美少女むすめ。透明感のある白い肌と清楚な雰囲気があり、美少女オーラは随一。


東北自動車道から磐越自動車道に入ると、その道は山間部を抜けて、やがて左手に猪苗代湖、ほぼ正面に磐梯山が雄姿を見せる開放的な空間に出る。
磐梯熱海温泉は猪苗代磐梯高原ICの一つ手前、まだ自動車道が山間を走っているときに現れる磐梯熱海ICからわずか2km、磐越西線の磐梯熱海駅駅前に広がる温泉地だ。

自動車道、鉄道ともに抜群のアクセスを誇るのは、磐梯熱海温泉の開湯が800年前であるからだろう。
開湯にあたっては「萩姫の伝説」がある。

     ☆

南北朝時代。京の都に住む萩姫は、医師たちの手に負えない不治の病にかかりました。
ある夜、「都から東北方に数えて五百本目の川岸に霊泉あり。そこに浸かれば完治するだろう」と不動明王に告げられます。
萩姫は侍女・雪枝を伴いさっそく旅に出ました。
病の萩姫にとって、遙か遠い目的地を目指す旅はとても困難でした。病を治したい一心で困難を乗り越え、五百本目の川にやっとたどり着きます。
その河原には不動明王のお告げ通り、温泉が湧いていました。
湯治を始めた萩姫の体調は徐々に戻り、やがて全快に至ります。
美しさを取り戻した萩姫は、温泉に感謝を告げて京へと戻っていきました。

     ☆

それ以降、五百川沿いの温泉は、「美人をつくる名湯」として名を広めていく。
温泉地の名前も磐梯熱海となるのだが、それには源頼朝の奥州平泉征伐後にこのあたりを支配した伊東氏が関係している。
伊東氏が生まれ育ったのは伊豆国。故郷を偲び、熱海の名を用いて磐梯熱海としたと伝わっている。

萩姫を癒やした磐梯熱海温泉の泉質はアルカリ性単純泉。泉温が53度だからパイプを経て適度に冷まされ、浴槽でちょうどいい。
pH数値は9.1。
入浴すればほんのりぬるっとして、皮膚にやさしい。
アルカリ性の湯は皮膚の角質を軟化させて溶かし、漂白作用が認められている。まさに「美人の湯」と呼ぶのにふさわしいお湯だ。

猪苗代湖や磐梯山麓には数多くの湯がある。
筆者もずいぶん多くの湯に入ったが、歴史という点から見れば、スキー場のベースにある温泉は新しい。
グランデコスノーリゾートや、アルツ磐梯、裏磐梯リゾート猫魔などはスキーブーム絶頂期にできたものだが、温泉もまたその時期に掘られている。
一方、会津若松には鶴ヶ城の藩士や戦傷を負った新撰組副長土方歳三を癒やした東山温泉などの古い湯もある。
磐梯熱海温泉は前述したように歴史ある温泉だ。それでいて、宿泊施設はそれぞれに趣向をこらしている。
日本庭園のある施設、暖炉のある施設、部屋食ができる施設、バイキング形式の施設、温泉付き客室がある施設、貸切温泉がある施設とバラエティに富んでいる。
規模的には伊豆半島の熱海には劣るが、良質の温泉、各種宿泊施設、駅前温泉と遜色はない。

周囲が魅力的なのも磐梯熱海温泉の特徴だろう。
冬期は磐梯山周囲のスキー場へのアクセスが楽だ。雪が解けてからは猪苗代や会津若松、ラーメンで知られる喜多方も遠くない。

もちろん、磐梯熱海にも早めにチェックインして行ってみたい場所がある。たとえば源泉神社と深沢の名水処は、地元の人々が願掛けをする神社で、名水が湧く。
ケヤキの森も磐梯熱海温泉の散歩ルートで立ち寄る場所。樹齢の高いケヤキのある空間は、癒やしのスポットとして人気だ。すぐそばに足湯が設置されているのもいい。

遊びのベースにももってこいの磐梯熱海温泉。昼は周囲でアクティブに遊び、夕方からは長湯ができる滑らかなアルカリ性の温泉に浸かる。
そんな旅ができるのが磐梯熱海温泉だ。

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東京から東北自動車道を211kmで郡山JCT。郡山JCTから磐越自動車道に進み約8kmで磐梯熱海IC。ICから5分ほどで各宿泊施設に。
< PROFILE >
篠遠 泉
出版社勤務時はスポーツやアウトドア、旅関連ムックの編集長を務める。山と溪谷社より共著で『温泉遺産の旅 奇跡の湯 ぶくぶく自噴泉めぐり』『ぶくぶく自噴泉めぐり 改訂新版』を上梓。旅雑誌などに連載中。
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