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桜をライトアップする場所が増えてきました。その機会を活かして撮影技術をアップさせましょう! 越カメラマンがライトアップされた桜をより妖艶に撮影する“プロ技”を伝授します。フォトコンテスト情報、壁紙プレゼントもお見逃しなく!

サクラの名所は数知れませんが、最近ではライトアップする箇所も数多く見受けられるようになりました。そこで今回はライトアップされたサクラ(夜桜)の撮り方について、狙い方と注意点を整理してみたいと思います。

写真A

ライトアップされたサクラを撮影する場合、サクラだけを撮ったのでは、どこで撮ったサクラだがわかりません(写真B)。
昼間は周りのほかのものが明るく見えているため、青空であったりサクラの周囲の何かが写ります。しかし、周囲が暗くなる夜は、光が当たっている部分しか写真に写りません。
そこでまず意識したいのが、ライトが当たっている周りの建物や周囲の風景を写し込むことです。何かを一緒に写すことで、ただのサクラの写真ではなく、はじめて美しい夜桜写真にすることができるのです(写真C)。

写真B

写真C

ライトアップとひとことでいっても、年々変化しています。その最たるものが“色”で、最近の主流は「紫」になっているようです。
そして、同じようにライトアップされていても、時間によって白くなったり(写真D)、紫になったりと(写真E)と、時間によって変化することも少なくありません。
何色にライトアップされるかなど、最新の情報を事前にチェックして撮影に臨むことも、成功に繋がる秘訣の一つと言えます。

写真D

写真E

これまでもこのコーナーで何度か紹介しましたが、写真を撮る際の色味を決める設定に「WB(ホワイトバランス)」があります。ライトアップされたサクラを撮る場合、このWBがもっとも大切になります。写真Cと同じ場面をパソコンのソフト(Adobe社 Photoshop Lightroomを使用)でWBをいろいろ変更して画像を作ったのが写真Fです(カメラのWB設定でも同様のことができます)。
横並びで比較してみると、カメラのオート(AWB)の写真Cに最も近かったのは「蛍光灯」で、実際の見た目に近かったのはソフトの「オート」でした。これだけでも結果が一様でないことがわかります。

写真F
別の場面でも比較してみました(写真G)。

写真G
左上の写真がカメラのオート(AWB)で撮影したものですが、これにもっとも近くなったのは中段右の「太陽光」かと思います。実際の見た目も、このケースでは「太陽光」がもっとも近く感じました。
このように、「WB」を何に設定するかで、その仕上がりの色調が変わり、印象も大きく変化します。しかも厄介なことに、どれが美しいと感じるかは人によって千差万別なのです。
すべてのケースで「オート(AWB)」が正しいというわけではなく、ライトアップしている光源の違いやあなた自身がどんな雰囲気に仕上げたいかによって、WB設定を変えてみてください。
あくまで個人の見解ですが、今回のケースでは写真F写真Gともに、蛍光灯の色味が気に入っています。

色味のほかにもう一点注意したいのが、明るさの違いです。
これだけ聞いて「ピン!」と来た人は恐らく経験済みかと思いますが、実は、ライトアップされたサクラの中には、きちんとライトが当たっている部分(写真I)と、そうでない部分(写真H)が存在します。
見た目では見分けにくく、その違いもハッキリ感じないかも知れませんが、写真に撮ってみるとハイライト部分(サクラ)とシャドー部の明るさに大きな隔たりがあり、これが写真全体を明るく見せたり、暗く見せたりします。ライトの当たり具合をしっかりと意識して、美しい桜色を引き出しましょう。
逆に光が強く当たりすぎている場合、サクラが白く飛んでしまうことがあります。その場合は、露出補正をマイナスに調整します。

写真H

写真I

暗い部分を避けたら、あとはサクラとほかの被写体とのバランスを考えながらフレーミングします。
写真J写真Kを見ていただくと、サクラが周りを囲むようにお城をフレーミングした写真Kのほうがサクラを脇に添えただけの写真Jより華やいで見えるかと思います。
このように、サクラのボリューム感が損なわれないようにフレーミングすることが成功の秘訣です。
ちなみに、今回登場したお城は福島県の会津鶴ヶ城、写真Gの桜並木は東京都の目黒川です。

写真J

写真K

今回見てきたように、満開の夜桜を逃さないためには、ただカメラ任せで撮るのではなく、自分の好みの色味や明るさに調整することが大切です。そして、明るい部分と暗い部分を的確に見極め、明るく華やいだ雰囲気を引き出すことも大切です。
写真は、ネコの駅長が活躍することで有名な会津鉄道芦ノ牧温泉駅です。トワイライトの蒼い空に浮かび上がるサクラを際立たせるため、パソコンソフト上でWBを4500Kに設定してみました。
ぜひこの春は、今回のポイントを抑えながら、夜桜写真の撮影を楽しんでみてください。

写真L
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。



●るるぶ.com 全国おすすめ桜の名所
「夜桜・ライトアップのある桜・お花見スポット」
https://www.rurubu.com/season/spring/sakura/list.aspx?tc=3

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ご紹介したページは昨年の「夜桜・ライトアップのある桜・お花見スポット」のページです。もしかすると、この記事がおでかけマガジン上でアップするころには、2019年版が立ち上がっている可能性もありますので、そちらのチェックもぜひ!
2018年版ですが、こちらの記事でも全国のライトアップ桜の名所がわかります。いつごろどこに撮影に行くかを決めるのに役立ててください。
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コンテストホームページ

ANA就航地の美しい風景を掲載したオフィシャルカレンダー「Welcome Aboard」。
2020年は東京2020オリンピックとパラリンピック競技大会の開催を記念して、一般からの写真を募集しています。
応募テーマは①1月富士山、②7月東京、③それ以外の月は過去に開催された都市(札幌、長野、ロサンゼルス、バンクーバー、ロンドン、パリ、メキシコシティ、ミュンヘン、北京、ソウル、シドニー)。
オリンピックが開催された上記都市の季節に合った美しい写真を応募してください。

●募集締切 :
2019年4月15日(月)
●応募資格 :
日本にお住まいの方
●応募方法 :
カレンダー公募特設サイトから応募用紙などを出力し、郵送にて応募。フィルムの場合はブローニーサイズ以上、画像データは規定画素以上
●賞  品
カレンダーに採用された方全員に、ANA国際線ビジネスクラス往復ペアチケット

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いよいよ来年に開催される東京オリンピック&パラリンピック。大都市東京を上空から撮影しました。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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