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  3. 総決算! 写真撮影のもっとも大事な4つのコツ
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この連載で木下カメラマン、越カメラマンがさまざまな写真術を教えてくれました。いかがですか? おでかけ先で撮影した素敵な写真は増えましたか? 今回は総決算として越カメラマンが気をつけている4つのポイントを解説します。壁紙プレゼントもお見逃しなく!
おでかけマガジン「カメラを積んで出かけよう」も今回が98回目。100回までもう少しだったのですが、残念ながら今回で最終回となりました。
最後ということなので、これまでいろいろな切り口で解説してきた写真の撮り方のコツの総決算として、私が常日ごろ写真を撮る際に気を付けている4つのポイントを紹介したいと思います。

私が最初に気を付けているポイントは、周囲の邪魔なモノを画面から省いたり、ほかのもので隠したりして、“主役(主題)を引き立たせる”ことです。
どんなにキレイなナノハナとサクラでも(写真A)、色鮮やかな紅葉も(写真C)、いい場所にあるとは限りません。人間の目は都合がよくできているので、周囲の邪魔なモノにはなかなか気づきません。しかし、写真(というかレンズ)は正直なので、何でもきちんと写してしまいます。
周囲に邪魔するモノはないかをよく確かめて、主役(主題)だけを切り取ると、キレイなナノハナとサクラの写真(写真B)、鮮やかな紅葉の写真(写真D)にすることができます。
ちなみに、写真Bは大分県竹田市の県道脇、写真Dは栃木県日光市湯ノ湖の駐車場脇で、それぞれ撮影しています。なにも有名な観光地や山奥まで出かけなくても、ドライブルートのすぐそばであっても撮り方一つでキレイで美しい写真は撮れるのです。

写真A

写真B

写真C

写真D

「その1」にも関わる話ですが、写真の善し悪しの決め手は「カメラポジション」です。つまり、“どんなレンズを選び、どこにカメラを設置する”かが、写真の決め手となります。
写真E写真Fは、荒川に架かる秩父鉄道の親鼻鉄橋です。有名な撮影地で、写真Eのようにどこから撮っても絵にはなるのですが、よりよく見せるためにできるだけ川に近づき、水面ギリギリにカメラを設置して、川面のキラメキの中に主役である列車を浮かび上がらせました(写真F)。
写真G写真Hは、東京都の浜離宮恩賜庭園で撮ったナノハナと高層ビル群です。
標準レンズで立ったままの状態で撮影したのが写真Gで、一方の写真Hは広角レンズでしゃがみながら花に近づいて撮影しています。レンズを選び直しカメラの設置場所を変えただけで、花のボリューム感が増して華やかになりました。どんなにいいカメラとレンズがあっても、設置場所が悪いと元も子もないのです。

写真E

写真F

写真G

写真H

写真の善し悪しを決めるもう一つのポイントが「光りと陰」です。
写真は「光りと陰の芸術」と言われますが、この「光りと陰」を制することが写真上達のカギです。
写真I写真J写真K写真Lを見ていただくとお分かりの通り、平凡でフラットな光りの写真I写真Kに対し、強い逆光で光りが差し込む写真J写真Lは、画面全体にメリハリがあり、ドラマチックです。
このように「光りと陰」を意識して被写体を選ぶと写真が大きく変わります。
ちなみに「光りと陰」を制するというのは、ここでお見せしたような強い逆光ばかりではありません。私は滅多に撮りませんが、スタジオで撮影する人物写真や物写真のように、美しく柔らかい「光りと陰」を作り出すことも、写真の善し悪しの決め手となります。

写真I

写真J

写真K

写真L

ここまで話してきた3つのポイントに気を遣えば、写真はグッとよくなると思います。しかし私個人としては、もう一つ意識していることがあります。それは、写真とは「出来事を写すもの」だということ。
何も起こっていなければ、どんなに美しい風景もただの写真。そこに何か「そのときだけ起こったこと」が加われば、写真の価値も変わってきます。
写真Mは、山梨県を車で移動しているとき、雲間からスポットライトの如く光が差し、甲府盆地の山並みと裾野にある街並みを照らし出した瞬間です。空から誰かがやって来るのではと思わせる光景。まさに「光臨」です。
写真Nは、群馬県みなかみ町に紅葉を撮りに行ったときの一コマ。紅葉絡みで列車を撮ろうと待っていると、突然舞ってきた雪が辺り一帯を包み込みました。思わず近くにあった紅葉している木にレンズを向け撮影した幻想的な風景です。この雪もわずか2~3分ですぐにやんでしまいました。
写真を撮る醍醐味は、キレイで美しいものを撮ることではなく、そのときだけの出来事を写真に収めることだと思い、常に被写体を探しています。

写真M

写真N

今回は最終回ということで、これまでのまとめ的な話をさせてもらいました。



私自身の撮影テーマは「メルヘン」です。どこか懐かしい、おとぎ話に出てくるようなそんな光景を探し求め、とくに駅や鉄道を被写体に日本全国を旅しています。



北海道富良野地方を走るJR富良野線に鹿討という駅があります。大雪連峰を望む広大な田園の中に佇む小さくて可愛らしい駅舎に心惹かれ、この15年間で20回近く(やりすぎでしょうか…)脚を運んでいます。
今年の1月中旬、気温が氷点下30℃に迫ろうかという朝に訪ねることができました。すると透き通る青空に向かって、ディーゼル列車が煙だけを残して旅だって行きました。まさに「メルヘン」でした。
この光景を栃木に住む私が見たのは、このときを含めたった2回だけ。最初に撮ったときは、嬉しくて震えが止まらなかったのを今でも覚えています。こんな素敵な光景とまた巡り会いたくて、気が付くとカメラを積んで出かけてしまうのです。


写真O

写真P


これまで長い間ご愛読いただきありがとうございました。これからも素敵な写真を撮り続けてください。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。



●生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅100選

クリック

写真講座を担当してくれた越信行カメラマンは、北から南まで日本全国4500カ所以上の駅を撮影しています。そのなかから厳選した絶景・美景駅を美しい写真と旅情溢れる紀行文で紹介しています。 
春夏秋冬ごとに章が分かれ、その季節ならではの風景の中に浮かびあがる駅をとらえています。1冊購入してお気に入りの駅をチェック、そしてクルマに積んでおいてそばをドライブしたときに立ち寄れば、越カメラマンに迫れる写真がものにできるかもしれません。



●2017年11月、山と渓谷社発行 著者/越 信行
https://www.bathlier.com/expand/home/b-supporter/event-beer

紅葉と温泉、そして湯あがりのビール! 最高ですね。それをそのまま写真に撮って応募しましょう!というコンテストがあります。
「湯あがりビール泡―ド2019」の共催イベントとして「湯あがりビールコンテスト」が開催されています。
ぜひ、至福のひとときをカメラで表現してみてください。

●テーマ:
「湯あがり(お風呂あがり)×ビール」
お風呂とビールが連想できる作品なら、お風呂やビールが写っていなくてもかまいません。

●募集締切:12月31日(火曜日)

●応募方法:ホームページの応募要項に従って応募。

●応募規定:未発表の作品に限り、ひとり何点でも応募可能。必ずタイトルを付ける、など応募要項に従ってください。

●賞  品:
ベストオブ湯あがり大賞/バスローブ「スプレンディー」ペアセット×1名
いい飲みっぷりで賞/保冷ビアタンブラー「uca」ペアセットほか

「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!
編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。
おでかけマガジン編集室スタッフは、この夏もさまざまなところに取材に行きました。そのときに撮影した一コマです。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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