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オートキャンプをするうえで必要になるキャンプ用具。
国内外問わずさまざまなメーカーから多くのキャンプ・アウトドア用具が販売されているが、ここでは最低限必要な用具を紹介。アウトドアショップへ行く前の参考にしよう。
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“ベッドスペース”とは寝泊まりをするテント内部をさす。アウトドアライフを謳歌するためには、きちんと睡眠を取ることも必要となる。夜更かしをしたり、ぐっすりと眠れないでいると、すぐに朝はやってきてしまう。
自宅なら“カーテン”で日差しが遮られるかもしれないが、オートキャンプでは朝日がテントを直射する。いやでも目覚めてしまうのだ。
だからこそ、快適な居住空間や快眠スペースの確保が大切。そのためにはシュラフやマットなどの用具をじっくりと選ぼう。
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組み立てやすさでいえば、数本のポールを組み立てるだけですぐに立てられる“ドーム型テント”がおすすめ。4~5人用のサイズが多いので、ファミリー向けのテントとしても人気を集めている。
他にはタープなしでもリビングスペースが確保できる“ツールームテント”や、アウトドアの中に身を置く喜びが感じられる一人用の“ソロテント”がある。
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シュラフとは寝袋。シュラフには大きく分けて2種類ある。余裕のある作りの封筒型は、ゆったりとしており、夏場にはジッパーを開け閉めすることで温度調整ができる。
体全体が収まり、人間の形に合わせたデザインのために密閉しやすく、冬場に外気が入りにくいのがマミー型だ。
封筒型は気温の高い夏場におすすめ。マミー型は暖かく寝られるように冬場に使用するのが理想的。
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テント内に敷くマット。マットを敷かずに直にシュラフを敷いてしまうと、テントの下の石ころや雑草などの突起物が気になってしまう。また、土の湿気がシュラフを濡らしてしまうこともある。
テント床の凹凸や冷気から体を守ってくれる重要な用具のひとつ。
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近年ではカセットガスやホワイトガソリンを燃料としない電池式のランタンがある。
ガス式ランタンは、テント内に持ち込むと一酸化炭素中毒の危険や火事のもととなる。電池で光を供給している電池式ランタンはその危険がなく、テント内の明かりとして持ち込めるので用意しておきたい。
また、暑い夏には電池式の扇風機なども“秘密兵器”としてテント内に設置すれば、快適に眠れる。
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“リビングスペース”は、オートキャンプ場での居住ベースとなるので、風から守り、日差しを遮る快適な空間作りを心がけよう。
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初心者からベテランのキャンパーたちにまで人気なのが四方向をメッシュで囲むことができ、夏でも通気性が高い“スクリーンタープ”。家族とのプライベートの空間を守ることでき、虫の侵入も防げる。さらに、ドームテントと同様で設営しやすさがセールスポイントになっている。商品によってはテントとドッキングすることも可能で、より居住性がよくなる。ただし、価格も高くなる。
開放的なのは従来の四角い形をしたタープで、これはいわば天井部分だけを設置することになる。雨と日差しは遮られるが、風から守ることはできない。さらに、タープの張り方に注意しないと、風によって飛ばされることもある。なんだか不便そうだが、自然を肌で感じたいというベテランキャンパーには愛好家が多い。価格も低予算ですむ。
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夜のテントサイトを明るく灯すランタン。主にホワイトガソリン、ガスカートリッジ、カセットガス、電池式の4パターンがある。
電池式は安全で簡単だが、光量の弱さが指摘される。
キャンプの夜はランプの灯りを眺めながらがオツなもの。ガスカートリッジタイプ、カセットガスタイプなら比較的使用方法が簡単だし、燃料の購入も楽だ。
ランタンはひとつだけではなく、たとえばテーブル用、調理をするバーナーのそばに置くためのもの、さらにはテント用の電池式のものと、複数あると便利だ。
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テーブルには安定感がある折りたたみ式と、持ち運びがしやすく物を置く板の部分が巻いた状態になるロール式のふたつのタイプが主流になっている。どちらを選ぶかは、車の荷物スペースなどから考えるといいだろう。
多くの料理や道具を置けるよう、人数に合わせたサイズを選ぶといい。
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チェアには収束式と折りたたみ式のふたつが主流。チェアもまた年々進化している。膝掛けの部分にドリンクホルダーがあるチェアは便利。もちろん、子ども用も多く出回っている。
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初心者のうちは割り箸や紙皿などでもいいが、ゴミを減らすためにも洗って何度でも使えるカトラリー一式を揃えよう。
軽量さで選ぶならチタニウム製、丈夫さならステンレス製。小さな子どもでも安心して使えるプラスチック製などがある。
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オートキャンプの楽しみのひとつが野外料理。必要な用具は、ツーバーナーやクーラーBOXなど。家で料理するのと変わらない設備をキャンプシーンでも揃えておきたい。
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ツーバーナーは二口コンロなので2つ同時に調理することが可能。本体のサイド部分には、火元を守る防風板があり、風によってすぐに火が消えてしまう心配もない。
初心者にはガスの装着が簡単で、自動着火で扱いやすいカセットガス式や、同じガス式でも安定した火力を誇り、ガスボンベの装着が楽なガスカートリッジ式のツーバーナーがおすすめ。
やがてベテランになってくれば、火力が強く、風などにも強いホワイトガソリン式がいいだろう。
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クーラーBOXもまた、単なる“保温・保冷箱”の時代は終わった。
最近のクーラーBOXは、わざわざ中の水を取り出すのにひっくり返さなくてもいい“排水口付き”のものがある。
種類は頑丈な作りの“ハードタイプ”と折り畳むとコンパクトになり、かさばらない“ソフトタイプ”がある。
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料理などに使用する水を入れるタンク。炊事場に行かなくても水が使える便利な用具。子どもの手を流したい場合などでも威力を発揮する。
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ひとつにまとめて収納できる調理器具(鍋類など)。チタン製やアルミ製などがある。
クッカーを選ぶ基準としては“手持ち部分”が取り外せ、鍋部分を重ねていくとひとつにまとまった形に収納でき、コンパクトでかさばらなくて済むタイプがいい。
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ツーバーナーを載せるスペースが確保でき、調理台として使用できるキッチン専用のテーブル。左右で高さ調節ができ、キッチンスペースをまとめることで、無駄なく効率的に調理ができる。
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消耗品や生活用品などは揃える用具のなかで見落としがちな部分だ。
電池やガス類は、出発前によくチェックしておこう。キャンプ場近くのスーパーや、コンビニなどを活用するのも手だ。
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天候が変わりやすいキャンプ場は、レインウェアや急激な気温の変化に対応できるように暖かい衣類、上着を準備しておくこと。
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メーカーによって使用するガス燃料が異なるので必ず確認を。各メーカーが推奨するタイプを用意しておこう。
また、空になった時の捨て方にも注意。管理人さんの指示に従おう。
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急なケガに対応できるように救急箱や、料理で使用する調味料、洗面用具などは日常生活で使用している物を持って行くのがベスト。小さいケースに移して使用するといい。
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アウトドアショップにてキャンプ用具を購入する際に気を付けておきたいポイントが5つある。
○1
テントとタープの相性を考えること。最近ではドームテントとスクリーンタープを連結できるものがある。“完成したサイト”シーンをイメージして買い揃えたい。
○2
キャンプ用具全体の高さのバランスを考えること。キッチンテーブルは高いのに、実際に食事をするテーブルが低かったりするととても不便だ。
用具の高さ表示を確認して、“高さ”のバランスよく購入しよう。最近では高さ調整が可能な用具もある。
○3
バーナーやランタンと購入する燃料を必ず合わせること。メーカー指定の燃料があるので、それを利用すること。なお、同じ燃料を使用するバーナー、ランタンを買えば、非常に効率的で便利だ。
○4
道具の増え過ぎに注意。
キャンプに慣れてくると、人の心理として新しくて、なるべくいい物を購入したくなってしまう。しかし、キャンプ用具は大事に使えばそれだけ愛着が生まれるし、用具そのものも耐久性に富んでいる。将来を見据えて購入し、それを大事に使ったほうがいい。テントが複数あっても使うのは普通ならひとつだけだ。
○5
「お買い得グッズ」の買い過ぎに気を付ける。
アウトドアショップに行くと様々な商品が安く購入できる“セール期間”などがある。しかし、買う前に本当にそのグッズは必要なのかを考えよう。また、“安さ”よりも“安全で安心”できる用具を買うことも重要だ。
商品の説明を聞きたい時には店員さんに気軽に声をかけてみよう。キャンプ用具を置く専門店にはアウトドアに精通していたり、「キャンプ・ディレクター」の資格をもつ店員がいるケースもある。遠慮なく質問をすればいい。
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それを考えると、管理棟に近いサイトを予約するのがベターだ。
また、トイレの形式はオートキャンプ場によってまちまち。子どもによっては和式に慣れていない場合もある。このあたりのチェックも忘れずに。