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サイト設営とはテントやタープ、自動車を駐車する位置など、全体を含めた配置あるいはレイアウトを作り、それに基づいてテントやタープを設営することを指す。
風の強い日や雨の降っている日などによってレイアウトは変わるので、それがうまくできるかどうかは快適性に関係する。自然環境や季節に応じたサイトを作れるようになれば一人前だ。(季節に合わせたサイト設営は第8章参照)
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オートキャンプの基本的なレイアウトはイラストの通り、車とテント、タープが道路に対して横並びになるようにする。もちろん、キャンプ場の立地条件やサイトの条件によって変わってくるが、これが基本的スタイルだ。
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ここで解説するのは用具が少なく、数本のポールを立てれば初心者でも設営できるドーム型テントについて。
時折、オートキャンプ場で「説明書」を片手にテントを設営している初心者を見かける。雨が降っていたらどうするのだろうと心配になる。本来なら、購入したテントは一度自宅などで組み立て練習をしておこう。
まずは、テントを立てる前に参考に見ておこう。
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テントを立てる前に、ポールやペグなどの用具をチェック。必要な数が揃っているかを確認。これは購入後にもしておこう。オートキャンプ場で本数が足りないではしゃれにならない。
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インナーテント(内側のテント)のスリーブ(ポールを通す穴)にポールをクロスするように差し込んでいき、全体をバランスよく立ち上げる。
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ポールは細い筒状になっている。その先端部にインナーの四隅にあるピンを差し込む。時計回りで差し込んでいくとテント全体の形が均等になっていく。
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出入り口の位置を合わせて、インナーの上からフライシート(防水性のあるテントの外側部分)をかぶせる。フライシートの表裏を確認せずにかぶせてしまうと出入り口部分が逆さになってしまうことがあるので要注意。
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テント全体のバランスを整えてから、四隅をペグで固定する。ペグダウンが正しくされていないとペグが地面から抜けてしまうので気を付けよう。ペグを打ち込む角度は「90度」が基本だ。
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テントの種類にもよるが設営にかかる時間は20分前後。最初は時間がかかるかもしれないが、ていねいにきちんと張ろう。いい加減に張ってしまうと風などに弱くなる。慣れてくれば時間を短縮できる。ドームテントの種類によってはキャノピー(ひさし)を出せる。
【ひとこと】サイトは平地とは限らない。まずはサイトの状態を確認してテントを張る位置を決めよう。落ち葉が溜まったようなところはクッションがいいし、凹部に張ってしまうと雨水が溜まってしまう。
もっとも注意すべきは傾斜があるかどうかだ。頭の位置が傾斜の下になると寝にくい。
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ドームテント同様、用具の少なさと数本のポールのみで張れ、初心者でも設営しやすいのがスクリーンタープだ。こちらも家族や仲間と協力し合って、立てると時間がかからない。
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テント設営時と同様でメインポールをスリーブに通していく。
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全体をバランスよく立ち上げたら、ジョイント部分にポールを差し込んでいく。
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タープの四隅にあるピンをポールの先端に差し込み、ポールにフックをかけて固定する。
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テント設営時のペグダウンと同様にしながら行う。きちんとペグダウンしていないと、留守時にタープが風で飛ばされてしまうこともある。
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前室をキャノピーとして利用する際は、キャノピー用ポールを立てる。またテントとドッキングすることもテントの種類によって可能。より快適なスペースができあがる。
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ペグの打ち方を間違えてしまうと、テントやタープは安定した状態ではなくなってしまう。正しいペグダウンを覚えよう。
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ペグは、60°~ 90°の角度で打ち込めば、強い風にも耐えることができる。
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垂直に打ち込んでしまうと抜けやすく、風にも弱くなってしまう。
【ひとこと】テントやタープを購入すると、ペグも付いている。しかし、別売りのペグのなかには風に強いタイプ、抜けにくいタイプなどさまざまある。セットのペグとは別に、風に強いペグや、長さのあるペグを購入しておくのも通の技だ。
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オートキャンプ場ならば、区画サイト内にテントやタープなどを設営するのと同時に小さな子どもたちの遊べるスペースを設けてあげよう。調理などで手がふさがっている時にどこか遠くへ遊びに行ってしまうと迷子になる可能性がある。それを防ぐための方法だ。
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テントやタープの設営は大人たちの手で行ったほうが手際よくできるが、ペグ打ちなどは大人が付き添って、子どもと一緒にやろう。
他にも「これだったら子どもにもできるかな?」という作業があれば手伝わせるのもいい。積極的に参加させることによって、「キャンプはみんなで協力し、楽しむもの」というのを学べるチャンスだ。