冬であってもアウトドアを楽しみたい! ドライブが好きで、おでかけが好きな行動派読者のみなさんは、寒い冬でもそんな気持ちがうずうずしているだろう。でも、行動を起こす前にじっくりアウトドアを研究するのも冬のよさ。今回は「アウトドア読本のすすめ」です。 |
かつてスポーツやアウトドア雑誌の編集長をしていた事務所のボスが言う。 「アウトドア雑誌は夏ならば新製品情報やキャンプ場ガイドにページが多く割かれる。アウトドアシーズン真っ盛りだからネタも豊富だしね。そのぶん冬は読み物系のネタが増える傾向にあるんだ。夏には一過性の読者も多いけど、冬にもアウトドア誌を買ってくれる読者は相当なマニア。彼らに応えるためにも、専門的な内容が増えるね」 そうなのだ。冬こそアウトドアの専門知識を吸収する大事な季節でもあるのだ。 ここで身に着けた知識は、来シーズンのアウトドアをより快適で、より楽しいものにするだろう。 アウトドアの知識は本連載と、気に入った雑誌で身に着ければいい。 「雑誌の新年号あたりでは定期購読者を募集するケースも多い。毎号買うよりは定期で購入するほうが料金も割安になる。また、雑誌というのは通常は興味のある特集のときだけ買うものだが、1年通じて購入すると、普段なら読まない特集も目にすることになるから、今まで知らなかった知識が得られる利点もある」 ボスが続ける。 それでは、お気に入りのアウトドア雑誌を見つけるお手伝いをしよう! |
三栄書房刊 月刊誌 版元の三栄書房は数多くのクルマ雑誌を出しており、それぞれの雑誌でクルマの性能をチェックし、それをきちんと分析して読者に伝えている。そういう気質が社内にあるのだろう、『GO OUT』も最新カタログやキャンプイベント情報などの「緻密な情報発信」に特徴がある。 また、アウトドアファッションやブーツなど、アウトドアでのスタイルに重きを置いた特集も評判。実用性ももちろん、それ以上に「スタイル」にこだわっている。 |
八重洲出版刊 月刊誌 版元は自動車雑誌を主力としている。『AUTO CAMPER』もご多分に漏れず、キャンピングカーの専門雑誌だ。新型キャンピングカーからキャンピングカーの知識などを毎号細かく掲載している。 とはいえ、キャンピングカーにまつわるさまざまな記事も併せて掲載しているので、キャンプ場ガイドや道の駅の利用術、アウトドアクッキングなども取り上げている。 ドライブスポットの紹介もあり、キャンピングカーに憧れる人や持っている人が見て楽しい雑誌になっている。 |
実業之日本社刊 月刊誌 版元の実業之日本社は創業100年を超える老舗出版社で、経済誌で創業したが総合出版社としてさまざまなジャンルを手掛けている。とくに旅行ガイド、スキーやゴルフなどのレジャー関連書籍や雑誌に力を入れている。 『ガルヴィ』はRV雑誌としてスタートした経緯がある。レジャーガイドがお得意の出版社だけに充実したキャンプ場ガイド、キャンプノウハウに加え、RVやキャンピングカーの情報も豊富だ。 |
地球丸刊 不定期発行 自然を大事にした雑誌『天然生活』を出版している地球丸が発行するアウトドアマガジンが『TRAMPIN’』だ。ほぼ季刊誌ペースで発行されている。 それぞれの号で季節に応じた特集を行っているが、10月に発行された『2012vol.10』は別冊付録に『コンパスワーク入門』をつけた。『vol.9』でも別冊付録に『ワンバーナーでつくる山ごはんレシピ』をつけており、別冊付録の充実ぶりも注目したい。 |
小学館 月刊誌 総合出版社大手の小学館が発行するアウトドア雑誌。「自然を手でつかもう!」のキャッチフレーズで創刊、すでに29年の歳月がたった。 さすが大手出版社だけあり、日本のアウトドアから世界のアウトドア情勢まで取り上げている。内容もアウトドア遊び、クッキング、読み物、鉄道など幅広い。V6の井ノ原快彦の連載や、特集によって著名人やタレントが登場するのも『BE-PAL』ならではだろうか。 |
枻出版社刊 月刊ペースで発行 従来のガイドブックに「スタイル」色をぐっと取り上げて好評な枻出版が出した登山雑誌。とはいえ、枻出版が出すだけにごりごりの登山でなく、使いやすいカメラ、高度計ガイド、山で使えるスマホアプリ徹底検証など、トータルとして登山を取り上げている。 もちろん、「マウンテントリップ・マガジン」と銘打つだけに、登山コースのガイドなどの基本はしっかりおさえている。登山入門者に最適な雑誌だ。 |
笠倉出版刊 季刊誌 笠倉出版の「スタイルブック」に属するのがアウトドアシーンをテーマにした『Fielder』だ。そのほかには自転車のスタイルブック、ブーツ専門誌などがラインナップされている。 『Fielder』は山登りというよりも、「街中の小さな公園だって自然にあふれている」をコンセプトに、身近で自然を楽しむためのスタイルブックになっている。「なるほど、こんなところにも自然があるのか」と気づかされる部分も。気軽にアウトドアを楽しむのに最適な雑誌に仕上がっている。 |
枻出版社刊 不定期発行 女性目線を意識したアウトドア、トレッキング雑誌。トレッキングコースガイドだけでなく、山小屋のおいしいグルメ&スイーツといった特集を組んだり、下山後のお楽しみとしてご当地駅弁当なども取り上げている。 ある意味、現在のアウトドアは女性がリードしている面がある。たとえばキャンプにしても、ママが賛成しないと始まらないし、ママが「行きたい」となってファミリーキャンプが成立している。この雑誌での視線は現在のアウトドアシーンの象徴かも。 |
山と渓谷社刊 隔月刊誌 発行元の山と渓谷社には看板雑誌である『山と渓谷』があるが、こちらは本格派のための登山雑誌。一方の『ワンダーフォーゲル』は、その入門編に位置づけられる。 また、登山一歩手前のハイキングの要素もたぶんにあり、テント泊の技術などを取り上げるテーマもしばしば掲載される。隔月刊誌だけに季節に応じた要素も明確で、夏山のノウハウ、秋山ガイド、冬山登山の知識など、それぞれに参考になる。 |
< PROFILE >
浜口昭宏
雑誌やWEB編集を始めて数年の編集者。超がつくほどのアウトドア初心者だったが、猛勉強をしてそれなりに成長。アウトドアの中で大好きなシチュエーションは、ビールがおいしいBBQ。
浜口昭宏
雑誌やWEB編集を始めて数年の編集者。超がつくほどのアウトドア初心者だったが、猛勉強をしてそれなりに成長。アウトドアの中で大好きなシチュエーションは、ビールがおいしいBBQ。