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  3. 連載18回 写真術が数段アップ、「絞り」を自在に操ろう!
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シャッター速度やISO調整は行っても、「絞りがわからない」というアマチュアカメラマンが多いようです。今回は「絞り」に焦点を当ててみましょう。「絞り」を自在に使いこなせれば、写真技術は数段アップします。

前回このコーナーで「絞りを開けて前後をぼかし、見せたい部分を引き立てる」という話をしました。では、逆に「絞り」を絞って撮影するのはどんなケースなのでしょうか。今回はその辺りを解説していきたいと思います。

写真A~Dは「絞り」を変えながら花壇に植えられた花を撮影したカットです。
写真AがF2.8、写真BがF5.6、写真CがF11、写真DがF22にして撮影しています。
写真Dになる(「絞り」を絞る)に従って、中央の黄色い花の前後の花までシャープになってきているのがわかるでしょうか。
これが絞りを変える効果です。つまり、手前にある被写体から奥にある被写体まで全体をシャープに見せたいとき、「絞り」を絞ってその効果を得ようという撮影術です。
ここで注目してほしいのは、「全体をシャープに見せたいとき」とはどんなケースなのか? ということです。具体的な例で見ていきたいと思います。

写真A [F2.8]

写真B [F5.6]

写真C [F11]

写真D [F22]

もっともポピュラーなパターンとしては、前後に「写したい被写体」があるケースです。手前にヒツジグサが紅葉した池があって、その背後にはシラカバの木があり、さらにその奥には山肌が見える。このような前後に被写体があって、全体をひとつの風景としてキリッと美しく見せたいとき、「絞り」を絞ることで全体をシャープにします。ここではF11に絞っています。

写真E

写真F・Gを例に説明をすると、写真G(F4)のように前後の木々をぼかしてツツジの花を引き立たせるのではなく、写真F(絞りF11)のようにツツジの花と背景の木立の両方をシャープに見せ、画面全体を1枚の風景画のように仕上げるときに「絞り」を絞ります。このようにどんな風に仕上がりを見せたいかによって、素材は同じでも「絞り」によって作品の印象を変えることができます。

写真F

写真G

写真Hも写真Eと同じパターンです。手前にあるコスモスと背景とした鱗雲を「絞り」を絞ることでひとつの風景として見せています。絞りはF16です。絞りを開けていたとすると雲は大きくぼけ、シャープな風景写真というよりホンワカとしたイメージ写真になっていたように思います。

写真H

次のケースとして奥行き感を強調したいケースです。前後に被写体があるわけではなく、被写体そのものが奥行き感を持っている場合があります。
写真Iはヒツジグサが紅葉している尾瀬の池です。このように手前から奥まで池全体をシャープに見せたい場合、「絞り」を絞って撮影します。このような撮影方法は俗に「パンフォーカス」と呼ばれています。ここでは絞りF11に設定しています。

写真I

同じようなケースですが、全体をシャープにするのではなく、奥行きのある一部分をシャープに見せる場合があります。
写真Jがその例です。この場合、絞りをF11に設定し、上下画面の中央より少し下にピントを合わせ、ある程度奥まで見えるように撮影しています。
「絞り」を開けすぎてしまっては、奥のほうの木立や山並みが完全にぼけてしまい、前後が圧縮された奥行き感のない写真になってしまいます。
また、逆に絞りすぎてしまうと全体がシャープでフラットになってしまい、これまた遠近感の弱い写真になってしまいます。
この適度な絞りの調整こそが、写真上達の鍵といえるでしょう。

写真J

マクロ写真を撮る場合について紹介しておこうと思います。
マクロ写真を撮る場合、「絞り」を開けすぎて撮ると、ピンポイントでしかピントが合っていないため、全体で見たときに何を写したのかわからなくなってしまうケースがあります。
写真K・Lは百日草で吸蜜するセセリチョウを撮影した写真です。
写真Kは「絞り」がF5.6のためチョウの頭の部分にしかピントが合っていません。
それに対し写真Lは「絞り」をF11としたため、チョウの体や花びら全体がシャープに写っています。
また、あまり前後の距離ができないよう、チョウの横側から撮影するように工夫しています。
マクロレンズであれば、F11まで絞ったとしても背景は完全にぼけていて、雰囲気のある作品に仕上がります。

写真K

写真L

マクロ写真の極端な比較例を紹介したいと思います。
写真M・Nは同じコスモスのしべを「絞り」を変えて撮影したものです。
しべの形がわかる写真M(F22)に対し、写真N(F5.6)のほうはしべの先端しかシャープに見えていません。
もちろん写真Nがダメということではありません。大切なのはどこまでをシャープに見せて、どんなことを表現したいか、しっかりと考えながら「絞り」を決め撮影に挑んでほしいということです。

写真M

写真N


「絞り」の扱いをマスターすれば、同じ被写体を撮影していてもまったく雰囲気の違った写真の撮影が可能になります。表現の幅が広がって、ますます写真撮影が楽しくなってくることでしょう。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。



青空に雪化粧。
冬の景色は自然の雄大さと神秘さを感じさせてくれます。つくづく、日本という四季がある国に生まれた喜びを感じるときです。
筆者はかつて、パキスタンのカラチに2年間暮らしていました。冬でも気温は20度以上あり、年間通じて庭のマンゴやパパイヤが実を付けていましたから、四季のある国の幸せをより以上に感じるのかもしれません。
さて、雪景色を撮影するときの、体験的アドバイスがいくつかあります。
第一に「雪景色」モードのあるカメラでは、その設定をすること。
次に露出の問題です。雪景色は人間でもサングラスが必要なように、非常にまぶしいものです。当然、カメラもその光を感じます。ところが、光を感じすぎてしまうという「行き過ぎ」が生じるケースがあるのです。そのために、仕上がり写真がアンダー気味になってしまいます。とくに、曇っている日にその傾向が強くなります。
さて、降雪日にはどうすればいいのでしょう。
開放的な場所で降雪を撮影して満足な写真に仕上がった試しがありません。しかし、背景に黒い森などをもってきて、さらにシャッター速度をある程度早く設定(250分の1以上)すると、黒い森の前に小粒の雪が止まって写り、それはそれで幻想的な写真が撮影できます。
ただし、大粒で水気の多いボタ雪の場合はお手上げです。そんな状況のスキー大会の取材では、カメラにビニールをかぶせて濡れないように工夫し、悪戦苦闘して写真撮影したものでした。
樹氷や霧氷、つららや川の上の凍った部分など、大きな写真から部分だけを切り取った写真まで、冬には冬の魅力があります。
この冬はぜひ、雪の中に撮影に出かけましょう。
クリスマスフォトコンテスト

http://il-info.jp/contest/6-contest.html

インターライフ創業10周年目前の企画が「クリスマスフォトコンテスト」です。
街角のクリスマス風景、家族や仲間のサンタクロース姿、パーティの様子などクリスマスらしい楽しい写真で応募しましょう。
応募はひとり1枚。
締切は迫っていますが、“ほっこり”させる写真をぜひ。

応募締切:2012年12月25日(火)

金賞=AMAZONギフト券5000円、銀賞=AMAZONギフト券3000円など。
審査員=インターライフオーナー、スタッフ
写真のうまいへたよりも、審査員の心ひかれるものを。
編集部が取材で出かけて撮影したたくさんの写真の中から、壁紙向きの写真をプレゼントします。お気に召されたら、壁紙などにお使いください。



今回のテーマはヨーロッパの市場です。スペイン、バルセロナの市場をのぞくと、色とりどりのものがありました。
オレンジが輝いていました。包み紙がアクセントになって
野菜の種類も豊富で日本ではあまり見かけないものも
フルーツの砂糖漬けですね。見るからに甘そうで
果汁だけで作ったアイスキャンデーが並んでいました
< 著者PROFILE >
構成と写真
篠遠行彦
東京都生まれ。雑誌編集長などを経てカメラ&ライターになる。かつてはパキスタンの日本総領事館に勤めていたという異色の経歴をもつ。
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