1. Smart Accessトップ
  2. おでかけマガジン(+バックナンバー)
  3. 大自然のパワーが感じられる場所【熊本・阿蘇周辺】
「Smart Access」おでかけマガジン 毎月2回、「Smart Access」会員のみなさまへ、旬のドライブ&スポット情報をお届けします。
トップページへ戻る
海外から日本のパワースポットを訪れる人が増えているのをご存じですか? 京都や浅草、鎌倉などの歴史ある古都も目的地のひとつですが、自然の中のパワースポットが注目されています。彼らが注目するパワースポットのひとつが「阿蘇」なのです。

巨大カルデラを構築し、九州の中心に威風堂々とした姿を見せる阿蘇の山


噴火口には高熱の温泉水が溜まり、もうもうと湯気が立ち昇っています


南阿蘇に江戸時代後期に作られた水路の「通潤橋」にも石工たちの限りないパワーを感じます
中国・チンタオの旅を終えて成田空港へ向かうフライト。飛行機は九州のはるか上空を通過します。

九州地方から羽田空港へのフライトではあまり気づかないのですが、高いところから見渡す九州は、「火の国」そのものです。

たとえば長崎の雲仙・普賢岳、熊本の阿蘇、大分の由布岳、鹿児島の霧島など、たくさんの山から煙が立ち上っているのがわかります。

あれだけ活火山が連なるのは、なかなか見られない光景だと思います。まさに、地球のパワーが目の当たりにできる場所ではないでしょうか。

近年では東京や京都ばかりでなく、日本の自然を目的にした外国からのツアーが増えています。

冬であれば北海道の雪景色、山形・蔵王の樹氷見物に外国から観光客が殺到します。
能登の温泉と日本海側ならではの景観を楽しみに訪れる海外ツアー客も少なくありません。

加えて「阿蘇」の人気があがっています。海外のガイドブックでは、阿蘇は自然のパワースポットとしてとらえられているのです。

27万年前の阿蘇の大噴火によって大量の火砕流が九州全土に流れました。その一部は山口県でも発見されているのですから、すさまじい勢いだったのでしょう。

そして、阿蘇の山の周囲には巨大なカルデラができました。カルデラの内側に集落があり、農業用地を形成し、鉄道や国道が整備されている阿蘇のような例は世界でも類を見ず、独特の素晴らしい景観を生み出しています。

日本三大楼門に数えられる阿蘇神社の楼門。二層式が珍しく高さは20メートルを超えます


楼門を横から眺めてみました。阿蘇神社は横参道のために、最初に見る光景がこうなります


横参道には美しくおいしい清水を活かしたメニューやコーヒーを出すお店が並びます
阿蘇には何度も足を運んでいますが、訪れるたびに何かを見つけています。

たとえば、阿蘇の「西火口」では巨大で荒々しい噴火口を目の当たりにできます。青く見える火口に溜まった温泉(?)と、そこから立ち昇るすさまじい蒸気は地球の力を感じずにいられません。

阿蘇の南は清らかな水が湧く地帯です。阿蘇の豊富な名水を活用すべく、ビール工場なども建設されています。

さらに阿蘇周辺を詳細に見て行けば、ご神体が巨大な岩の「当銭神社(宝来宝来神社)」(なんといい名称なんでしょう。宝くじが当選するかもしれませんね)、日本列島を横断する中央構造線上にある「幣立神宮」、上向きに寝た女性の形をした自然石がある子授かり安産の守り神「乙姫子安河原観音」などの神社・観音様が点在しています。

自然が感じられるスポットも豊富です。

樹齢1000年を超える杉が神秘的な「高森殿の杉」、十三神仏が住んでいると伝わる「田子山」、磁石の針が必ず向かうという「押戸岩」など、パワースポットをあげればきりがありません。

想像を絶するパワーによって九州を形成した阿蘇の山。そして、いち早く人間が古代文化を築いた阿蘇の周辺ですから、人工あるいは自然のパワースポットの宝庫であるのは当然でしょう。

ところで、「阿蘇の山」と表現してきましたが、その訳はおわかりでしょうか。

阿蘇山は俗に呼ばれるだけで、正式には「阿蘇五岳」が名称なのです。

横参道には14カ所の水基があり、訪れる旅人も気軽に水を汲むことができます


1000年以上の歴史をもつ杖立温泉は川沿いに旅館が並ぶレトロ感たっぷりの温泉地です


薄暮の阿蘇五岳。この山の周囲にたくさんの文化が生まれてきました
2回ほど前のこのコラムで「一の宮」について書きました。

一の宮とはそれぞれの国の、いちばんの神社を表す称号です。そして、肥後の国の一の宮が「阿蘇神社」なのです。
ちなみに阿蘇神社の住所は熊本県阿蘇市一の宮町宮地…、神社を中心に発展してきた歴史を物語っているようです。

阿蘇神社にいよいよ到着というとき、少しばかり不思議な雰囲気。その秘密は「横参道」にありました。

たいていの場合、参道は正面にあります。鳥居を出ると、その先の両側にお店が並んでいるのが普通です。

しかし、阿蘇神社の参道は日本三大楼門と称される20メートル以上ある二層楼山門式の楼門に向かって右の鳥居の先にあるのです。

そのために、立派な楼門に比べて正面がやや寂しく思えます。

それでも参道が人気を集めているのは、「水基」の存在でしょう。

阿蘇神社の境内にあり、不老不死の水として崇められる「銘水神乃泉」をはじめ、横参道にも昔から生活用水として重宝されてきた湧水が多くあります。

「水基」とは水が出る基、水飲み場であり水汲み場を意味します。

湧き水が豊富な参道にも地球のパワーが感じられます。美しい清水を利用したお料理を出すお店、湧水珈琲がおいしいお店が並びます。

さて、末社が全国450社を超え、「願かけ石」のある阿蘇神社にお参りした夜は近隣の温泉へ。活火山の周囲だけに名湯が数多く点在しています。

阿蘇内牧温泉、黒川温泉、1000年以上の歴史がある杖立温泉など人気温泉地が目白押し。
阿蘇のパワースポットめぐりは楽しい旅になるでしょう。

●熊本県観光サイト
http://kumanago.jp/

●阿蘇市観光協会
http://www.asocity-kanko.jp/

●阿蘇神宮と参道
http://www.aso-hifuri.jp/index.html
< PROFILE >
遠藤 里佳子
旅行雑誌ライター。国内外の旅を多く取材。全都道府県を制覇(通過ではなく宿泊をしてカウント)したのは32歳のとき。ハワイやカナダ、オーストラリア、東南アジア、中国など太平洋圏に詳しい。
  • スポット特集
  • B級グルメ特集
  • オートキャンプ特集
  • レジャー&リゾート特集
  • ロケ地特集
  • 絶景特集
  • 子供といっしょにお出かけ特集
  • 特産品・名産品特集
  • 温泉・スパ特集