東京・お台場の野外特設会場で開催された「お台場キャンピングカーフェア2013」レポートの第2弾は、キャンピングカーに関心がある方にお届けする“おすすめキャンピングカー”です。ご自身の目的、家族構成などを考慮し、最適なキャンピングカーを選んでください。
普段使いの乗用車とキャンピングカーを別に所有する余裕があれば、それはそれで使い分けられるので申し分ない。
しかし、多くのキャンピングカー所有者は、悩んだ末にキャンピングカーのみを所有するという選択をしているようだ。これまでにお会いしたキャンピングカー所有者のなかにも、「近所のお買いものもキャンピングカーで行っています」と話してくれた方が何人もいた。
税金や維持費などを考えれば、どうしても1台所有となるのだろう。
さて、トレーラーは自家用車に“繋げて引っ張る”形式のものだ。トレーラー自体に動力はなく、まさに“車輪が付いた部屋”の状態。自宅に停めておけるスペースがあれば、非常に重宝なタイプだ。
普段使いはもちろん乗用車。キャンプに行くときだけ、後ろに接続して引っ張っていく。
キャンプ場においても、トレーラーは切り離して設置しておき、近場の観光スポットや温泉などに乗用車だけで行けるというメリットがある。
牽引免許が不要のタイプも多いし、“部屋”のために内部も比較的広い。さらに、安価で購入できるといった利点もある。
ただし、走行時はトレーラー内には乗れない、車長があるために駐車場で不自由、フェリーの乗車料金が高いなどのデメリットもある。
運転はバックにはそれなりのコツがいるが、それほど特別なことはない。
価格、居住性、切り離せる利便性などを考慮すると、入門者にもいいのがトレーラーだろう。
【トーザイアテオ】
ドイツのHobby社が発表した新しいトレーラー。世界ナンバー1の生産台数を誇るだけに、最先端の技術で居住性を高めている。常設ダブルベッドのほかに対面ソファのダイニング、トイレ、冷蔵庫など1ルームマンションに等しい機能を有する。
価格はオプションなどを含めて約370万円(税込)。
【インディアナ・RV】
こちらは国内のトレーラー需要を支えてきたといえる「インディアナ・RV」のオリジナル車で牽引免許不要なタイプだ。注目すべき点はソーラーパネルを追加採用してエコであり経済的になった点。コンパクトながら就寝定員4名と使い勝手がいい。
価格は258万円(税込)。
前回の連載では今回のショーで目立った車両を紹介した。そのひとつが軽自動車ベースのキャンピングカーで、駐車スペースが狭くてすむこと、購入・維持費が安価ですむこと、小回りが利くことなどの利点をあげた。
子どもが独立したあとのご夫婦、渓流釣りや秘湯めぐりなどが好きなカップルには最適なタイプだ。
さて、軽自動車ベースの車両同様に、入門者に人気が高いのが“バンコン”だ。これはトヨタハイエース、トヨタヴェルファイア、ニッサンキャラバンなどのバンをベースにしている。
その第一の利点は運転の快適性だろう。自動車道での高速走行や山登りにもストレスがない。さらに、運転のしやすさも考慮された設計になっている。
また、普通自動車より車両は大きいが、トラックなどと比べて小さく、通常の駐車スペースでの維持が可能だ。
キャンピングカーではあるが、室内はコンパクトになるだけに、それぞれのビルダーの“腕の見せ所”でもあり、所有者のカスタムの仕方次第で大きくスタイルは変わってくる。
目的はなにか、利用するのは何人かを考え、なにが必要でなにが不要かを選択して車両を選ぶのが肝心だ。
【日産ピーズフィールドクラフト】
ベースはニッサンNV350キャラバンで乗車定員4名、就寝定員4名。最大の特徴は船のキャビンをイメージしたラウンドフォルムだ。シンク、ギャレーの上質なデザイン、ブルーが映えるベッドなど、コンパクトながら必要なものが美しいデザインで揃った。
2WDガソリン車とディーゼルターボ車のスーパーロング、ワイド幅スーパーロング、さらに4WDとベース車両を選択でき、価格は約421万円~(税込)。
【キャンピングカーランド】
バンコンで人気のトヨタハイエースロングバンがベース車両。駆動方式は2WD、4WDから選択できる。乗車定員は8名、就寝定員は3名だが、小さなお子さんなら4名家族でも対応できるだろう。最大の特徴はシックで落ち着いた室内にある。まるで、ログハウスの中にいるかのようなブラウンを基調にしたギャレー&室内がよい。遮光カーテンも標準装備されていて居住性を高めている。
価格は約417万円(税込)。
入門編として人気が高いバンコン(国産)は、日本RV協会が発行した『キャンピングカー白書2012』においてユーザー所有率が36%で第1位を占める。
それに次ぐのが国産キャブコンで所有率は35.2%! その差はほとんどないに等しいのだ。
さて、キャブコンとはなんだろう。運転席(キャブ)が付いたシャシーをベースに使って改造(コンバージョン)したキャンピングカーを指す。イメージとしてはトラック車両をベースに荷台部分を改造して居住空間にしたと思えばいい。
一般の方が「キャンピングカー」と聞いてもっともイメージする車両でもある。
さて、キャブコンの最大の利点は居住空間が広くなる点だろう。たとえばトイレなどの設置も可能になりやすい。ビルダーによっては、広い空間を活かしてさまざまな装備を設けている。
デメリットとしては車両が大きくなるので駐車・維持スペースの確保が必要なこと。さらにトラックがベースなだけに、バンコンに比べれば小回りが利きにくかったり、高速走行、登り道などでストレスを感じる場合もある。
しかし、家族みんなで利用するには最適だし、お子さんがある程度大きくなっても不便はない。大人の友人同士での旅も楽しめるだろう。
【エートゥゼット】
マツダボンゴトラックをベースにしており、全長4600㎜と、キャブコンのなかではコンパクトさを誇る。最小回転半径も4.3mと、普通乗用車レベルだ。それでいて、乗車定員、就寝定員ともに6名。運転席上のバンクベッド、ギャレーにダイニングなどがうまくは配置されており、室内は実際の長さよりもずっと広く思える。
車両本体価格は約375万円(税込)。
【バンテックセールス】
全国に30店舗の販売&メンテナンス網でキャンピングカー愛好者をサポート。バンコン、トレーラーも定評があるが、とくにキャブコンが人気のビルダーだ。バンテックセールスの人気モデル「コルドシリーズ」に新たに加わったのがリーブス。人と自然の距離が近づくようにとの思いが込められたキャンピングカーだ。広いリビング空間、エントランスにはFRP製防水フロアを採用、リアエントランスも便利だ。就寝定員は5名で家族団らんにふさわしいキャンピングカーになった。
車両本体価格約561万円~(税込)。
これまでに見てきたのは、日本RV協会発行の白書でも所有率が高いタイプのキャンピングカーだ。
しかし、それ以外にもさまざまなキャンピングカーがある。
たとえば、バスを改造した“バスコン”は広い居住性と内部から外の景色がたっぷり見えるのが魅力。
また、アウトドアに強いトラックタイプを利用、居住空間を荷台から上部にかけて積むタイプが“トラックキャンパー”だ。そのために、悪路や雪道、アウトドアに強い。取り外しが可能なタイプがほとんどだ。
目的がはっきりしていれば、このようなタイプのキャンピングカーもおもしろい。
まさにバスを利用したキャンピングカーで、内部も比較的自由に設計できるのが利点。
取り外しが可能なピックアップキャビンを積む形式だ。ベース車両に車高の高い4WDタイプを選べば、悪路でも進むことができる。まさにアウトドア派に最適なキャンピングカーだ。
浜口昭宏
雑誌やWEB編集を始めて数年の編集者。超がつくほどのアウトドア初心者だったが、猛勉強をしてそれなりに成長。アウトドアの中で大好きなシチュエーションは、ビールがおいしいBBQ。