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首都圏から行きやすい東北自動車道佐野藤岡インターチェンジをベースにするパワースポットドライブの目的地は佐野厄除大師。「関東の三大師」として広く知られています。お参りしたあとは、ご当地ラーメンの「佐野ラーメン」が待っています!


佐野の町の一角に佐野厄除大師があります。それほど高い建物がなく、コンパクトな印象を受けます


「厄除元三大師」の石碑がある門をくぐって本堂へ


お正月が過ぎて日が経つ日曜日の朝にもかかわらず、参拝客の姿が目立ちました

年末になると「初詣では関東の三大師・佐野厄除大師へ」というメッセージがテレビで盛んに流されます。佐野厄除大師という名称のとおり、厄除けにご利益があると評判で、お正月の大祭には約100万人もの参拝客を集めています。

ところで、「関東の三大師」とはなんでしょう。

漠然とした知識で、川崎大師、佐野厄除大師ともうひとつはどこだろうなどと思っていました。しかし、それは根本的に間違いがありました。

「関東の三大師」と「関東厄除三大師」のふたつがあったのです。

前者は元三大師=慈恵大師を祀る寺院であり、次の三つの寺院を指します。

佐野厄除大師(惣宗寺)、青柳大師(龍蔵寺・群馬県)に加えて川越大師(喜多院・埼玉県  ※バックナンバー)。

なお、川越大師の代わりに拝島大師(本覚院・東京都)を推す声もあります。

一方の関東厄除三大師は空海=弘法大師を祀る寺院で構成されています。

観福寺大師堂(千葉県)、西新井大師(総持寺・東京都)、川崎大師(平間寺・神奈川県 ※バックナンバー)の三つの寺院をいいます。

関東の三大師は「天台宗」宗派の寺院であり、関東厄除三大師は「真言宗」宗派であるのがわかりました(諸説あるのですが、上記が有力のようです)。

つまり、佐野厄除大師は12歳で出家して比叡山に登り、42歳のときに比叡山解脱谷にて厄難苦悩を清め、995年に74歳で遷化した慈恵大師を祀るお寺なので厄除けにご利益があるのです。

さて、佐野厄除大師へのパワースポットめぐりは、実は地元の食を味わうというプラスαの魅力もあります。


境内にはさまざまな施設があります。こちらは「東照宮社殿」で、有形文化財建造物に指定されています


足尾銅山で起こった公害を問題視し、告発した田中正造のお墓があります

首都圏から約1時間の東北自動車道の佐野藤岡インターチェンジより佐野市中心部まで、それほど時間はかかりません。JR佐野駅と東武佐野市駅の間に佐野厄除大師があります。

年末年始の参拝客の数を想えば足りませんが、それでも無料の駐車場が完備されています。

クルマを降りて佐野厄除大師へ。

年末に盛んにテレビでコマーシャルが流れるくらいですから、その規模は明治神宮といかないまでも、初詣で名所の鎌倉・鶴岡八幡宮、川崎・川崎大師ほどのものを想像していました。

しかし、駐車場から見る大師は予想よりコンパクトな印象を受けます。高さのある建物がないので、そう思うのかもしれません。

本堂、山門、金銅大梵鐘、子育地蔵尊、水子地蔵尊、春日稲荷大明神、東照宮などが、それほど広くない境内に、効率よく整理されて収まっている感じがしました。

お正月の大祭には100万人が訪れるというのですから、そのときの盛況と混雑ぶりが目に浮かびます。

厄除け祈願の舞台となるのは本堂ですが、ここでは身体安全、家内安全に加えて商売繁昌、交通安全、合格祈願、海外渡航安全などの祈願ができ、参拝者のあらゆる願いに応じています。

また、日本の現代社会への発展と、それに関わる歴史問題に関心がある方にとって興味深いのは、佐野厄除大師が田中正造の分骨地であり、お墓があることでしょう。

江戸時代に銅の発掘が始まり、一時期発掘量が減少するものの、新鉱脈の発見などにより20世紀初頭には日本の銅の産出量の約4分の1を誇るまでになった足尾銅山。

足尾銅山は近代日本を支えた鉱山ですが、日本初の公害問題・足尾鉱毒事件という近代社会ゆえの問題を起こした場所でもあります。

田中正造は足尾鉱毒事件を告発し、公害対策に取り組んだ現佐野市出身の政治家でした。


厄除けなどのご利益を広く知られるだけに、お守りを求める参拝者も多く…


佐野の清らかな水が生んだご当地ラーメンをぜひ! それぞれのお店が味に工夫しています

男の大厄42歳、女の大厄33歳、女の小厄37歳、男25歳の厄年、女19歳の厄年、幼児4歳の厄年、男女61歳の厄年。

これらに前厄、後厄が加わる“厄”があります(寺院によって厄年が異なる場合があります)。

佐野厄除大師で厄を落とし、ご利益を祈願したあとは佐野のご当地グルメを楽しみましょう。

佐野は栃木県名産のイチゴ、「とちおとめ」の産地でもあり、12月~5月上旬までイチゴ狩りができる施設があります。

そして、通年で楽しめ、一躍全国に名を馳せたのは「佐野ラーメン」でしょう。

佐野がラーメンどころになった要素は大きくふたつあります。

ひとつは良質の水に恵まれたこと。そして、もうひとつは“青竹打ちの麺”です。

青竹で打つ麺は中に気泡が多く、茹で時間が短くすむために、独特の腰を作ります。

昭和63年に「佐野らーめん会」が発足し、現在では75軒を超えるラーメン店が加入。スープやトッピング素材はお店ごとに異なり、それぞれが独自の味を探究しています。

店内などでは『佐野らーめんマップ』を配布しているので、それを頼りにラーメン店のハシゴを楽しむ方も多いようです。



佐野厄除大師にお参りしてからイチゴ狩りや佐野ラーメンを楽しむ。さらに、安くていいものを求めてアウトレットへ。
佐野へのパワースポットめぐりは、楽しいことが目白押しのワンデードライブなのです!


「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!

●佐野厄除大師
http://www.sanoyakuyokedaishi.or.jp/
●佐野ラーメンの情報
http://sano.yomogi.or.jp/ii/ramen.htm
●佐野イチゴ狩り情報
http://www.itigogari.com/
●佐野プレミアムアウトレット
http://www.premiumoutlets.co.jp/sano/
< PROFILE >
遠藤 里佳子
旅行雑誌ライター。国内外の旅を多く取材。全都道府県を制覇(通過ではなく宿泊をしてカウント)したのは32歳のとき。ハワイやカナダ、オーストラリア、東南アジア、中国など太平洋圏に詳しい。
写真 / 高島重男
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