クルマ旅を推奨する日本RV協会が10月14日にキャンピングカーユーザーを対象にしたアンケート結果を発表しました。それによると、なんと8割弱のユーザーが日常用のクルマを別に所有。この連載の前々回にキャンピングカーを取り上げましたが、今やアウトドア派の目は確実にキャンピングカーに向いています!
編集室のボスはかつてアウトドア雑誌の編集長をしていた時期があることは、すでに何回か記述しました。
ボスは「キャンプで会いましょう!」というイベントを、毎月一度、雑誌主導で全国各地のキャンプ場で行っていました。テントキャンパーが主体で、それにキャンピングカーが混じる感じだったそうです。
当時も今もアウトドア派にとって、キャンピングカーやキャンピングトレーラーは憧れの的。イベント会場はさながら小さな見本市となっていたとボスは言います。
同じ雑誌を購読し、同じキャンプ場に集った仲間ですから、「中を見てもいいですか?」「どうぞ、ご覧ください」と、キャンパー同士の交流があり、キャンピングカーユーザーはその利点を話し、「いつかは…」と思っている人は、キャンピングカーショップのショールームとは異なる実用例を見させてもらうというわけです。
ボスがアウトドア雑誌編集長を退いてから10年余り、今ではキャンピングカーの所有台数は右肩上がりなのは前々回のこの連載で延べました。
キャンピングカーを取り上げたばかりなのに、再びキャンピングカーをテーマにするのは、このほど日本RV協会が公表したユーザーアンケートの結果がおもしろかったからです。
キャンピングカーがアウトドア派の旅や遊びの“ツール”として必需品になりつつある傾向が見えます。その証拠が通常使用するクルマとキャンピングカーの「2台持ち」の増加です。
普段は乗用車を使い、遊びのときはキャンピングカーででかける。アウトドアとドライブが好きなこの連載の読者にとっても、ひとつのスタイルになるカーライフではないでしょうか。
下に示した図は日本RV協会が10月14日に発行したプレスインフォメーションに掲載された「キャンピングカーを含めてクルマを何台所有していますか?」という設問に対する回答です(資料:日本RV協会)。
意外だったのは、キャンピングカーのみを所有している人が16%しかいない点です。
軽以外の自走式キャンピングカー所有者の64.5%が乗用車を保有しています。
軽キャンピングカーと乗用車、トレーラーとヘッド車(トレーラーをひくためのクルマ)と乗用車という組合せを加えれば、なんと8割弱にもなります。
ボスが言います。
「ぼくがキャンプイベントを行っていた当時、キャンピングカーユーザーは、その1台ですべてを行うのが常識だった。バンをベースにしたキャンピングカーなら日常使いも気にならないだろうが、トラックをベースにしたキャブコンユーザーは駐車場の広い遠くのスーパーマーケットまで出かけるとか、それなりの苦労をしていたよ」
前々回のコラムで書いたように、現在のキャンピングカー事情ではバンコンやキャブコンが主流ですが、超大型キャンピングカーや軽自動車ベースのキャンピングカーも注目を集めています。ボスが編集長をしていたときも、超大型の輸入キャンピングカーを所有する人は2台使いだったようで…。
「アメリカから輸入した大型車を使用していた人は、軽自動車を所有していたよ。北海道などのキャンプ場でお会いしたときは豪華なキャンピングカーだったから、すっかりそのイメージだった。でも、冬にスキー場に隣接したコテージでイベントを行ったときは、軽自動車で参加。少々イメージが違った(笑)」
それはさておき最新データを見れば、軽自動車以外の自走式キャンピングカーを持つ人で2台持ちは6割越え。当然、そのなかにはセレナやハイエースなどの町使いに困らないものも含まれるでしょう。
ということは、多くの人が町用のクルマをアウトドア用に“履き替えて”遊んでいるということ。
普段は革靴で出勤する人が、旅やレジャーではスニーカーやウォーキングシューズに履き替える。
そんな時代になっているようだ。
アウトドア派は同様の感覚でクルマを履き分けています!
クルマを2台持つ。直面する問題は駐車場でしょう。
これについても日本RV協会はアンケートを実施しており、回答を掲載しています。
(資料:日本RV協会)
これによってわかるのは、自宅車庫が7割弱と多いこと。
郊外などに住み、所有する土地に余裕のある人が2台持ちの主役といったところでしょうか。
おもしろいのは「実家の敷地」と回答した人が4.3%いること。
本人は都会に住んでいるけれど、キャンピングカーは土地の広い実家に預けておく。そして、休暇のときには実家まで乗用車で行き、そこから出発!というわけです。
これだと、実家のご両親もお孫さんの顔を見る機会が増えますし、ときには三世代キャンプも…。キャンピングカーを通じて、家族の縁が深まっていそうです。
「モータープール」とあるのは、キャンピングカー販売店が設置したものが主流です。購入者のために、販売店のそばにモータープールを用意。有料ではありますが、ユーザーはそこにキャンピングカーを置きます。
利点としては、調子が悪くなったときも、すぐに販売店にケアをお願いできることでしょう。
それぞれが駐車場をうまく確保して、2台持ちで有効なライフスタイル・アウトドアスタイルを楽しむ。
そんな時代が来ているようです。
浜口昭宏
雑誌やWEB編集を始めて数年の編集者。超がつくほどのアウトドア初心者だったが、猛勉強をしてそれなりに成長。アウトドアの中で大好きなシチュエーションは、ビールがおいしいBBQ。