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「Smart Access」おでかけマガジン 毎月2回、「Smart Access」会員のみなさまへ、旬のドライブ&スポット情報をお届けします。
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四季のある国・日本のなかでも森が黄色や朱色に染まる秋はとくに美しい季節です。気ままに撮影するのもいいのですが、越カメラマンのアドバイスによって“ひとワザ”加えてみませんか? 写真コンテスト情報、壁紙プレゼントと盛りだくさんでお届けします。

今年も紅葉シーズンが到来しました。北海道や高地ではすでに紅葉シーズンが終わったところもありますが、都市部や平地ではまだまだこれからが紅葉本番といったところです。
平地などで紅葉を狙う時のポイントとして、周囲の他の要素との“絡め方”があげられます。
もちろん平地でも庭園ように人の手によって綺麗に整備された場所ではさほど問題は起こりません。また、連載第39回でまとめたように、すっきりとした黒い背景が近くにあれば、紅葉の美しさを引き出すのは比較的容易です。
むしろ注意を払いたいのは、街中の公園や紅葉の名所と呼ばれる場所で撮影する時です。
今回は“街中の紅葉の名所”や公園などで紅葉を綺麗に撮るコツをまとめてみたいと思います。

写真Aは愛知県豊田市の紅葉の名所である香嵐渓で撮影したカットです。
紅葉の名所なのだし、「渓」と付くのだからさぞかし「綺麗な渓谷」なのかと思いきや、川沿いの公園に紅葉の木がたくさん植えられた場所で、周囲には邪魔になる人工物(お店の看板や電線電柱など)も多く、そのまま撮るだけではなかなかいい作品は仕上がりません。
ちなみに、ポスターなどに使われる紅葉名所の綺麗な写真は、地元に住む専門家が、観光客のいない時間などを吟味して、しかも場合によっては特別な撮影許可を取って(例えば京都の寺社の写真のように)撮影したものがほとんどです。そのために、ドライブルートの途中で同じように撮影できるはずがありません。
では、どうすればいいのでしょう。ポスターのような写真はあきらめて、綺麗な部分だけをピックアップして撮ることをオススメします。
邪魔なものが入る部分はカットしたり、紅葉の印象を高めるほかの要素と組み合わせるのです。
写真Aはかやぶき屋根の商店の窓際にあった紅葉だけを、建物をバックに切り取ってみました。

写真A

でも香嵐渓は川沿いの紅葉の名所ですから、「やはり川と一緒に撮りたい」というのは心情です。そうしたときは、綺麗な紅葉の背景に川を入れると雰囲気が出せます。
ただし、ポイントは背景の入れ方にあります。
写真Bは川の流れの美しいほうに向かって撮影し、写真Cは漠然と背景に川を入れた例です。この2枚の写真を見れば一目瞭然。写真Bのほうが紅葉と渓谷といった雰囲気が出ていると思います。
このように、背景などの他の要素をどうやって絡めるかが紅葉を美しく見せる鍵を握っています。

写真B

写真C

いくら綺麗な紅葉でも、紅葉している木は動いてくれません。ましてや背景を綺麗に整える(現場を工事したり、清掃したりする)ことはできるわけがありません。
写真Dは中山道の宿場町として栄えた岐阜県恵那市岩村町の一角にある明知鉄道の岩村駅です。ホーム脇に綺麗な紅葉の木があったので、レトロな駅の雰囲気と絡めて撮ろうと狙ったカットです。
背景など周りの要素との絡め方を変えるには、とにかく自分自身が動くことです。どこから撮れば一番紅葉が引き立つのか。あっちからこっちから、とにかく歩き回っていろいろな角度から狙ってみました。
結論から言うと、改札口の外側から扉越しに狙った写真Fが、自分的にはもっとも雰囲気が出せました。写真D写真Eは駅と絡めようとするあまり、周りのほかのもの(駐車している自動車や周辺の近代的な家)が入ってしまい、紅葉の存在感が下がってしまいました。
綺麗な紅葉を見つけたら「どこから見るのが一番綺麗なのか」、周辺を歩いてみることをオススメします。

写真D

写真E

写真F

全体を撮るのではなく、周囲の情景と絡めるのでもなく、きれいな紅葉だけを撮ることも、紅葉を綺麗に見せる方法です。ですが、その際に陥りやすいのが、紅葉だけを狙うあまり立体感を失ってしまうケースです。
香嵐渓の庭園の中で苔むした岩に紅葉した葉が落ちていました。
「綺麗だ!」と思い、立ったまま撮影した写真Gは、確かに綺麗ですが、平面的な写真です。
そこでカメラの構える高さを少し低くして周囲の情景を入れたのが写真H写真Iです。こうすることで写真に奥行き感(立体感)がつき、手前にある岩が一層引き立って見えます。
写真H写真Iの違いは、周囲の情景の違い。木の幹を入れたか入れていないかです。
ここまで来ると個人的な嗜好も出てきますが、木の幹が入ったことで背景がしまって見える写真Iのほうが個人的には気に入っています。

写真G

写真H

写真I

香嵐渓の広場に植えられていた黄色く色づく柳の葉を赤い紅葉を背景に狙ってみました。
それだけでも綺麗なのですが、木の幹を入れて画面にメリハリを付けてみました(写真K)。画面に形のよい幹が入って、背景との間に立体感も生まれました。
写真Jのように幹を入れてもあまり形がよくないと、かえって目障りで、散漫な印象を受けてしまうので注意したいところです。

写真J

写真K

ひとつの被写体に対して狙う角度を変えるといろいろな風景が生まれます。
大切なのは、自分が動いてカメラを構える場所を変えること。そして狙う紅葉と周囲の情景の主従関係だけは忘れずにしっかりと持っておくことです。
ぜひ、ドライブルートの紅葉で試してみてください。

写真L
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。


紅葉名所は全国各地にあり、ドライブで訪れる機会も少なくありません。クルマから降りてカメラでパチリ、紅葉のさまざまな情景が撮れるはずです。
でも、今回は越カメラマンの提案する紅葉を演出する“ワザ”を取り入れてみませんか?
そして、せっかくなら越カメラマンが撮影した場所に行き、自分ならどう撮影するかを考え、越カメラマンの作品と比べてみましょう。
カメラマンと同じ場所で撮影して、その作品を比較するというのは、もっとも手軽な写真撮影上達法です。ぜひ、試してみてください。

●香嵐溪【足助観光協会】愛知県
http://asuke.info/

●岩村駅【明知鉄道】岐阜県
http://www.aketetsu.co.jp/
http://www.horiuchi-color.co.jp/photo-art/2015photocon/index.html

プロ・アマチュアを問わずに現像やプリントサービスを行っている堀内カラーが主催するコンテストです。
部門は「ノンジャンルの部」と「ネイチャーの部」で、応募資格はアマチュア写真愛好家。A4、四つ切、ワイド四つ切サイズのカラーおよびモノクロプリントで応募するというオーソドックスで間口の広いコンテストになっています。
また、日本カメラ社、日本写真企画などが協賛しているので賞品多数。来春にHCLフォトギャラリー新宿御苑、HCLフォトギャラリー名古屋で入賞作品展が開催されるのも魅力です。なお、金賞を取得した場合は、個展をできる権利!?も。

募集締切:2015年11月30日(月)当日消印有効
賞  品:金賞 堀内カラー賞1名/HCL フォトギャラリー新宿御苑および
      HCLフォトギャラリー名古屋での写真展開催権+賞金10万円
      銀賞(各テーマ)/賞金5万円、などのほかにファインアート賞、
      ジュニア賞、日本カメラ賞など多数

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阿波踊りといえばご存知のとおり徳島の夏の風物詩ですが、東京でも盛んに行われています。練馬、神楽坂、小金井、三鷹、大塚…。なかでも高円寺の阿波踊りは2015年夏で59回目。本場・徳島の有名連に手ほどきを受けて上達してきた地元連がみごとな踊りを見せます。阿波踊りがこれほど盛んなのは、軽快なリズムと、踊って、見て楽しい踊りにあるのでしょう。今回の写真は高円寺の阿波踊りで取材したときのものです。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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