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キャンプ初級者のうちは基本的な用具を揃え、安全にキャンプライフを送るのがいちばん。でも、キャンプライフに慣れてくれば“一歩上”をめざしたくなります。そこで自称キャンプ中級者に、今年のキャンプの目標を聞いてみました。

スノーピークのランドロック。まるで家の感覚


テントとタープを一体化、コールマンのタフワイドドームのセット


中川健太さん 45歳

【ファミリーキャンパー キャンプ歴3年 東京都】
もっぱら区画サイトを利用しています。とくに高規格キャンプ場は区画内に水場もあって便利。妻もお気に入りです。
ただし、これまではテントとタープは“別物”で、それぞれを区画内に別々に設営していましたが、今年はテントとタープの一体型を購入しようと思っています。
理由は息子(6歳)の幼稚園の友人ファミリーを誘うからです。友人ファミリーはキャンプが初めてなので、なにかと不安もあるでしょう。その点、キャンプとタープが一体化すれば行動範囲も限られ小さな子どもでも安心して遊ばせられるし、雨降りでも心配ありません。また、ベテランらしい風格もあるのでは(笑)。

NORDISK 12.6アルヘイム


長谷川辰夫さん 54歳

【夫婦キャンパー キャンプ歴20年 埼玉県】
軽井沢にあるキャンプ場に行ったところ、レンタルテントにティピがありました。真ん中では焚き火ができ、その煙は上の穴で換気されるので安全。
もともとは北米のネイティブなどが愛用していたと聞いて、その魅力にはまってしまいました。
それからはドーム型テントでは物足りなくなっていろいろ探しました。もちろん、キャンプができるのは多くて2泊、通常は1泊ですから、大型で真ん中に焚き火台を置くようなネイティブたちのティピは望めません。しかし、探せばあるもので、1本ポールで立てるティピ型テントを昨年末に見つけました。
ポールの長さや天井のベンチレーションは調整でき、案外軽量です。
このかたちで6人が寝られるので、友人たちを誘ってティピ内でアルコールを飲むのを想像するだけでワクワクします。

自立型ハンモック ビブレ ラシエスタ


林 竜生さん 39歳

【ファミリーキャンパー キャンプ歴4年 宮城県】
仙台からでかけるキャンプ場は林間のサイトが多くあります。
これまではチェックイン時間にキャンプ場入りすると、慣れていないせいもありますが、設営やなんだかんだにやたらに時間がかかってしまい、気が付けば夕食の準備というあわただしいキャンプでした。
しかし、このごろでは設営にも余裕ができ、短い時間で終わるようになりました。
ならば、せっかくの森の空気を存分に楽しみたいと思います。幸い、わたしは自営業なので、普段働いている姿を小学生の子どもたちは見ています。1時間ほどのお昼寝なら許してくれるでしょう。実際、これまでもテントの中で眠るときはそっとしておいてくれましたし…。
でも、テントの中で眠るのは少々味気ないし、暑いんですよね、とくに夏休みには。そこでハンモックを利用したいと思います。以前、ハンモックで昼寝をしているキャンパーを見て、実はうらやましかったのです。
ただし、ハンモックのロープを直接樹木に結びつけているキャンパーもおり、そのときは「木がかわいそう」と思ってしまいました。そこで、自立型のハンモックがいいと思っています。
今年は昼下がりのキャンプ場で、森林浴を兼ねてお昼寝をしたいと密かに思っています。

コールマン ノーススターはホワイトガソリン仕様初の点火装置付き


コールマン413Hパワーハウスツーバーナー


長津裕和さん 32歳

【グループキャンパー キャンプ歴4年 神奈川県】
最初に購入したのはカセットボンベを利用するタイプの用具でした。手入れも簡単だし、カセットボンベを手に入れるのも楽、キャンプ場のそばのコンビニでも買えます。
しかし、ベテランキャンパーが「一生もの」といった雰囲気でホワイトガソリンを利用するキャンプ用具を使っているのを見て考えが変わりました。
手入れも必要だし、ホワイトガソリンも携行しないといけないと面倒な点も多いのですが、使えば使うほど味が出てくる。
「火力もいいよ」とはベテランキャンパーの弁ですが、わたし自身はそれほどの差はないのではと思うのですが、実はコールマン製品で最高時約3650kcal/h、サブバーナーで約2750kcal/hを誇るのです。さらに、伝統のホワイトガソリン製品はアウトドアの匂いがする、それがまたいい。バーナーの前部にあるホワイトガソリンタンクは、それだけでキャンプ通の証しのような気がします。
ホワイトガソリン製品を使いこなすのは、ある意味ベテランキャンパーへの仲間入りではないかと感じています。

スノーピーク 焚火台 BBQ用の網なども付属するが形はしっかり焚火台


尾崎 肇さん 28歳

【カップルキャンパー キャンプ歴4年 愛知県】
最初は仲間とはじめたキャンプですが、最近は婚約者とのふたりキャンプに凝っています。
自然のなかで同じときを過ごし、チェックイン後は温泉で癒される…こんなぼくのキャンプライフを彼女もすっかり気に入ったみたいです。
彼女とふたりのキャンプとなると、夜はもちろんお酒を片手に将来を語り合うことになります。そんなぼくらにとっての貴重な時間を演出してくれるのは、やはり“キャンプファイア”です。
しかし、直火禁止のキャンプ場が多く、炎を楽しもうと思ったら、焚き火台を持参しないといけません。
これまではBBQ台を代用したりもしましたが、やはり専用の焚き火台でこそ、くべた薪もよい感じに燃えるのだと思います。
今年のキャンプの夜は、ますます彼女との大事な時間になりそうな予感がします。

1896年アメリカ生まれLODGEのダッチオーブン


大石理恵さん 37歳

【ファミリーキャンパー キャンプ歴6年 東京都】
キャンプといえばBBQやカレーが定番。ときにはカップ麺ですますこともありました。
しかし、あるとき書店でこの連載でもしばしば登場する、みなくちなほこさんのアウトドアクッキングの本と出合いました。その本はダッチオーブンなどの料理用具を主に、「鉄なべごはん」の数々を取り上げていました。
それからです。わたしの心の中でアウトドア料理を極めてみたいという思いが生まれました。 まずはダッチオーブン料理に挑戦です。煮込み料理はもちろん、フタの上にも炭を載せられるダッチオーブンならではの特性を利用してのグラタン作りなど、その幅は広がりつつあると自負しています。今年はもっと極めてキャンプ場の朝はダッチオーブンを使った手作りパンで始めようと思っています。

ステンレス製のホームスモーカー ビーバー


君塚義男さん 44歳

【ファミリーキャンパー キャンプ歴2年 千葉県】
キャンプをはじめて間もなく、隣のサイトからとてもいい香りが漂ってきました。それは、燻製作りの匂いでした。チップが燻される独特の香りが鼻とおなかを刺激します。
きっとわたしの視線が強烈だったのでしょう。しばらくしてから「完成しましたからお味見を」と、干物とチーズの燻製をいただきました。それが、とてもおいしかったのです。
それ以来、燻製作りをしたくてたまらなくなりました。しかし、自宅ではできません。家はマンションの1室ですし、ベッドタウンだけにマンション棟も密接しています。妻が言うように、もしも燻製作りをしたら、周囲はその匂いと煙を不審に思うでしょう。
となれば、燻製の場はオープンエアなキャンプ場を置いてほかにありません。
さっそく、今年のキャンプに向けて燻製器を購入しました。簡易スモーカーも今やたくさん出ています。なかには段ボールを利用した安価なものもあります。
しかし、わたしは“入門”したいのではありません。本格的なスモークに挑戦したいのです。妻には多少文句を言われましたが、3万円ほどの燻製器を手に入れました。今から何を燻製にしようか、チップは桜かクルミか。考えるだけでも楽しいものです。

ロゴス アルミ兵式飯盒 オーソドックスなスタイルだ


木村慶太さん 44歳

【ファミリーキャンパー キャンプ歴5年 京都府】
最初はアウトドアを存分に楽しみたいと思ってはじめたキャンプです。もちろん、それは子どもたちのことも考えてのスタートでした。
しかし、いつしか高規格キャンプ場の便利さに“溺れ”、すっかりアウトドアライフの原点を見失っていた気がします。
ご飯を炊くのはAC電源があるので持参した炊飯器、ランプは明るいLEDライト、いつの間にか自宅がアウトドアに簡易引っ越ししただけの環境になっていました。
これでは子どもたちがキャンプ場でゲームをしていても叱れませんよね。
そこで、今年はアウトドアライフの原点に戻ろうと思っています。電池式のランタンはガス式に変更。AC電源を利用する用具は持ち込まない。高規格キャンプ場から脱皮して本来の山麓のキャンプ場でのテントライフも経験してみたい。
それには家族の協力も不可欠でしょう。でも、新しい何かがはじまるかもしれません。
まず飯盒を購入しました。わたしにはボーイスカウトの経験があります。あの当時の不便だったキャンプ、それは未だに鮮明に覚えていて、いい思い出になっています。

コッヘル(アルミ食器3点セット)でひとり時間を演出
※プレゼント賞品


SOTO アミカスコンパクトストーブ


山田憲正さん 41歳

【ファミリーキャンパー キャンプ歴8年 大阪府】
子どもが小学生低学年のときにはじめたキャンプですが、今思い返せばファミリーサービスばかり考えていたような気がします。
子どもが好きな食材を選んでBBQを行い、子どもが喜ぶ体験教室に顔を出し、子どもが望む遊びに興じる…。恥ずかしながら、すべてが子ども中心でした。
客観的にほかの子連れキャンパーを見てもそんな方ばかり…。
キャンプなのだから子どもが寝た後で夫婦の時間もと思ったのですが、明るいうちは子どもと一緒に遊び、夕食作りを行い、さらにキャンプの朝は日の出とほぼ同時に目覚めますから、大人の時間などとてもとれません。
キャンプを通じて友人もできましたが、ファミリーキャンパー同士ですから、いつしか呼び名は「〇〇パパ」「〇〇ちゃんママ」と、呼び名まで子ども中心。それは悪いことではないのですが、大人ももっと楽しめるのがキャンプのはずです。
幸いなことに下の子も小学生の高学年になりました。だからこそ、今年は“自分の時間”を有意義に楽しみたいと思います。
さっそく、登山家などが利用するシングルバーナーとコッヘルを購入しました。自然の中で、上質なコーヒーでも楽しもうかと思っています。
※キャンプ中級者の目標を聞いてきました。そのなかで、たとえば飯盒やハンモックなどは過去にこの欄で記述しています。どうぞ、バックナンバーも参照してください。

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< PROFILE >
浜口昭宏
雑誌やWEB編集を始めて数年の編集者。超がつくほどのアウトドア初心者だったが、猛勉強をしてそれなりに成長。アウトドアの中で大好きなシチュエーションは、ビールがおいしいBBQ。
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