ドライブにでかけた時に、印象に残る1本の木を見つける機会があります。その木はカメラマンにとっては“神の木”といえる存在。写真に素敵なアクセントをつけてくれます。撮影ポイントガイド、写真コンテスト情報や壁紙プレゼントもお見逃しなく!
栃木県日光市の小田代ヶ原に通称「カメラマンの木」と呼ばれるシラカバがあります。「貴婦人」とも称されるとても美しい木で、多くのカメラマンを虜にしてきました。その人気は今でも衰えることを知りません。
話は飛びますが、北海道の美瑛一帯の丘陵地帯はドライブルートとしても人気がありますが、その人気スポットの中にも「○○の木」と呼ばれる木がいくつもあります。
美瑛の「○○の木」も、先にご紹介した「カメラマンの木」も、これらに共通するのは「1本の木」という点です。「1本の木」というのは存在が強く、風景に強烈なインパクトを与えてくれます。今回はそんな「1本の木」に着目してみたいと思います。
話は飛びますが、北海道の美瑛一帯の丘陵地帯はドライブルートとしても人気がありますが、その人気スポットの中にも「○○の木」と呼ばれる木がいくつもあります。
美瑛の「○○の木」も、先にご紹介した「カメラマンの木」も、これらに共通するのは「1本の木」という点です。「1本の木」というのは存在が強く、風景に強烈なインパクトを与えてくれます。今回はそんな「1本の木」に着目してみたいと思います。
写真A、写真Bは、いずれも夏の高原地帯で車を走らせている時に撮影した畑耕地です。ちなみに写真Aはソバ畑、写真Bはウド畑です。
この2枚の写真のポイントは、背後に写る木にあります。輪郭がハッキリしないただの林である写真Aに対し、写真Bは1本の形のよい木が強烈な印象を与えてくれます。 写真において「1本の木」の持つ意味が重要であるのが分かっていただけたかと思います。
この2枚の写真のポイントは、背後に写る木にあります。輪郭がハッキリしないただの林である写真Aに対し、写真Bは1本の形のよい木が強烈な印象を与えてくれます。 写真において「1本の木」の持つ意味が重要であるのが分かっていただけたかと思います。
写真A
写真B
「1本の木」を見つけ、インパクトのある写真にするには2つほど条件があります。
1点目は、「木の背景がスッキリしていて、木の形がハッキリ見えること」です。
すぐ背後に同じ色・明るさの背景がある場所(写真C)よりも、背後が少し離れていて、すっきりしている場所(写真D)のほうが、木がハッキリと認識できます。
もう1点は木の形です。写真Dのようにモサッとした木ではなく、写真Eのようにすっきりした木を探し出すことが大切です。
1点目は、「木の背景がスッキリしていて、木の形がハッキリ見えること」です。
すぐ背後に同じ色・明るさの背景がある場所(写真C)よりも、背後が少し離れていて、すっきりしている場所(写真D)のほうが、木がハッキリと認識できます。
もう1点は木の形です。写真Dのようにモサッとした木ではなく、写真Eのようにすっきりした木を探し出すことが大切です。
写真C
写真D
写真E
1本の木と言っておきながら、実は形さえよければ1本である必要はありません。
写真Fは福島県裏磐梯の人気撮影スポットである曽原湖です。人気の理由は、湖の中央に浮かぶ小さな小島があること。ここに生える数本の木の塊が、たいへん美しい形をしていることから人気があります。
大切なのは、「1本」であることより、「形が美しい」という点です。
写真Fは福島県裏磐梯の人気撮影スポットである曽原湖です。人気の理由は、湖の中央に浮かぶ小さな小島があること。ここに生える数本の木の塊が、たいへん美しい形をしていることから人気があります。
大切なのは、「1本」であることより、「形が美しい」という点です。
写真F
写真G、写真Hは初夏の高原でレンゲツツジの群落を撮影に行った際に撮った写真です。
どちらが印象深いかというと写真Hではないかと思います。レンゲツツジ背後の木が際立っている写真Hのほうが、より一層インパクトが強いからです。
写真Hも、写真Gと同じように木の背後に木や山肌があります。それを目立たなくしてくれたのが一帯を包み込んだ霧です。スッキリ見せることで、写真の印象は大きく変わります。
どちらが印象深いかというと写真Hではないかと思います。レンゲツツジ背後の木が際立っている写真Hのほうが、より一層インパクトが強いからです。
写真Hも、写真Gと同じように木の背後に木や山肌があります。それを目立たなくしてくれたのが一帯を包み込んだ霧です。スッキリ見せることで、写真の印象は大きく変わります。
写真G
写真H
写真I、写真Jは先ほど紹介した裏磐梯の曽原湖の小島です。
これら2つの写真は、私自身が撮影する場所を変えたことによって、背景の写り具合と光線状態が変わっています。
ちょっとした場所の移動ですが、見た印象は写真Jのほうが、一段と小島が引き立っていると思います。木の形をスッキリ見せるには、撮影ポジションをどこにするのかがとても大切です。同じ木を色々な角度から見てみましょう。そうすることで、どこから狙うのがベストなのかが見えてきます。
これら2つの写真は、私自身が撮影する場所を変えたことによって、背景の写り具合と光線状態が変わっています。
ちょっとした場所の移動ですが、見た印象は写真Jのほうが、一段と小島が引き立っていると思います。木の形をスッキリ見せるには、撮影ポジションをどこにするのかがとても大切です。同じ木を色々な角度から見てみましょう。そうすることで、どこから狙うのがベストなのかが見えてきます。
写真I
写真J
たかが「1本の木」ですが、されど「1本の木」です。見方をちょっと工夫すれば、写真をより印象的に見せてくれます。
私自身もいつも自分だけの「カメラマンの木」を見つける意識で、ポイントを探しています。
写真Kはたまたま通りかかった岩手県遠野市で見つけた名もない木です。夕暮れ時の空に生える「1本の木」が目に飛び込んできて、思わずクルマを止めてシャッターを押しました。
私自身もいつも自分だけの「カメラマンの木」を見つける意識で、ポイントを探しています。
写真Kはたまたま通りかかった岩手県遠野市で見つけた名もない木です。夕暮れ時の空に生える「1本の木」が目に飛び込んできて、思わずクルマを止めてシャッターを押しました。
写真K
☆
ドライブルートで、「気になる木」を見つけたら、ぜひレンズを向けてみてください。きっとあなただけの「カメラマンの木」があるはずです。
ドライブルートで、「気になる木」を見つけたら、ぜひレンズを向けてみてください。きっとあなただけの「カメラマンの木」があるはずです。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
写真は筆者がハワイ・オアフ島で撮影した「この木なんの木、気になる木」です
「巨樹や巨木を守ることは貴重な生物多様性にあふれた自然を守ること…。いつまでも巨樹・巨木が残っている環境であり続けてほしい…」と考える管理人さんの立ち上げたサイトです。自ら巨木を訪ね、その模様もレポートしています。
そのなかに、「新日本名木100選」というコンテンツを設けています。そもそも、「新日本名木100選」は、1990年に大阪市で開催された「国際花と緑の博覧会」に合わせて、花博協会と読売新聞社の共催で企画されたものです。全国各地から選ばれているのですが、管理人さんは選定された名木も訪ねています。
ただし、90年から20年以上の歳月が経っているので、その後に枯れたり倒れた名木もあるそうです。
リストも掲載されていますから、訪ねて傑作の撮影に挑戦してみてください。
●巨樹と花のページ
http://www.tree-flower.jp/index.html
上田城
http://www.ucci.or.jp/wp-content/uploads/2016/05/photoconyoukou.pdf
NHK大河ドラマ「真田丸」の放送を機に、「信州上田 真田丸大河ドラマ館」が2017年1月15日までオープン。真田氏が築城した上田城や真田氏発祥の郷なども大勢の観光客が訪れ、大いに盛り上がっている長野県上田市。
上田商工会議所が120周年ということもあり、2017年のオリジナルカレンダーに掲載するなどを目的にフォトコンテストを開催しています。
美しい上田の魅力を伝える風景、名所、自然、四季などがテーマです。「真田丸」で人気の観光地、上田を訪れたいという方は多いはず。ぜひ、これを機会に訪れて傑作を応募してみてください。
NHK大河ドラマ「真田丸」の放送を機に、「信州上田 真田丸大河ドラマ館」が2017年1月15日までオープン。真田氏が築城した上田城や真田氏発祥の郷なども大勢の観光客が訪れ、大いに盛り上がっている長野県上田市。
上田商工会議所が120周年ということもあり、2017年のオリジナルカレンダーに掲載するなどを目的にフォトコンテストを開催しています。
美しい上田の魅力を伝える風景、名所、自然、四季などがテーマです。「真田丸」で人気の観光地、上田を訪れたいという方は多いはず。ぜひ、これを機会に訪れて傑作を応募してみてください。
募集締切 :
2016年9月9日(金)
商品など :
最優秀賞1点/賞金3万円(副賞:作品の特大タペストリー)
優秀賞2点/賞金1万円(副賞:作品の特大タペストリー)
そのほかに特別賞、入賞など
優秀賞2点/賞金1万円(副賞:作品の特大タペストリー)
そのほかに特別賞、入賞など
編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。今月は牡丹を観に行ったときに撮影した写真です。曇天でしたが直射日光に当たらない植物がしっとりときれいでした。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。