山野草を躍動感いっぱいに撮影するにはどうしたらいいでしょう。越カメラマンがアドバイスしてくれます。これからの季節、野山の小さな花も絶好の被写体。カメラを積んででかけましょう。写真情報コンテストに加え、ベネチアで撮影した写真を壁紙プレゼントします。
里山でサクラの便りが聞かれる頃にドライブにでかけると、カタクリを筆頭に山の斜面を彩る小さな山野草の群落(群生地)とよく出合います。今回は、春の野山を彩る小さな花を美しく、躍動感いっぱいに撮影する方法を紹介します。
山の斜面を覆い尽くすカタクリの群落をまずは1枚。それはそれでキレイなのですが、なんだかもの足りないと感じたことはありませんか(写真A)。
もの足りなく感じた最大の原因は、以前このコーナーでも何度か解説している主役がハッキリしていないためです。
どんな被写体であれ、同じモノが同じ大きさで写っていては、被写体の強弱がつかず、当然どれが主役なのか、見る側には伝わりません。そこで、大切なのが主役を見つけ、その被写体をクローズアップしてあげることなのです。
クローズアップ方法のひとつとしては、写真Bのように広角で近づいて狙うことです。スマホなどのカメラでも同じことができます。
もの足りなく感じた最大の原因は、以前このコーナーでも何度か解説している主役がハッキリしていないためです。
どんな被写体であれ、同じモノが同じ大きさで写っていては、被写体の強弱がつかず、当然どれが主役なのか、見る側には伝わりません。そこで、大切なのが主役を見つけ、その被写体をクローズアップしてあげることなのです。
クローズアップ方法のひとつとしては、写真Bのように広角で近づいて狙うことです。スマホなどのカメラでも同じことができます。
写真A
写真B
カタクリの群生地に咲いていた白いアズマイチゲの花をクローズアップしてみたいと考えました。
花の直径が2~3センチ程度とカタクリよりもさらに小さな花で、当然そのまま撮ったのでは群落の中に埋もれてしまいます(写真C)。
そこで、望遠レンズで1輪の花だけをクローズアップ(写真D)。しかし、残念ながらある程度以上は近づけず、これが限界でした。
そこで、さらにレンズを専用のマクロレンズ(より被写体に近づいて撮れるレンズ)に変えて可憐な花を大きく、背景にカタクリのボケを入れて写してみました(写真E)。
☆
残念ながらスマホのカメラやコンパクトデジタルカメラのマクロモードでは、こうはいきません。花に近づくことはできますが、レンズの焦点距離が短いため(広角レンズしか付いていないため)背景をぼかすことができず、周囲の情景が入り込んで散漫になってしまいがちです。この点が、一眼レフやレンズ交換式ミラーレスカメラの大きなメリットです。
花の直径が2~3センチ程度とカタクリよりもさらに小さな花で、当然そのまま撮ったのでは群落の中に埋もれてしまいます(写真C)。
そこで、望遠レンズで1輪の花だけをクローズアップ(写真D)。しかし、残念ながらある程度以上は近づけず、これが限界でした。
そこで、さらにレンズを専用のマクロレンズ(より被写体に近づいて撮れるレンズ)に変えて可憐な花を大きく、背景にカタクリのボケを入れて写してみました(写真E)。
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残念ながらスマホのカメラやコンパクトデジタルカメラのマクロモードでは、こうはいきません。花に近づくことはできますが、レンズの焦点距離が短いため(広角レンズしか付いていないため)背景をぼかすことができず、周囲の情景が入り込んで散漫になってしまいがちです。この点が、一眼レフやレンズ交換式ミラーレスカメラの大きなメリットです。
写真C
写真D
写真E
前項でも背景にほかの花を入れて撮影しましたが、小さな花を撮る場合も周囲の情景を活かして撮影したほうが前後の関係ができ、奥行きが出てきます。
☆
※周囲の情景の活かし方についてはバックナンバーのVol.58を参照してください。
http://www.smart-acs.com/magazine/16021503/season001.php
☆
周囲の情景を活かすときに注意したいのが、ほかの花との重なり具合です。特に、群生地の場合、近くに同じ形をした同じ色の花があるわけで、写真Fのようにそれを重ねてしまうと、ごちゃごちゃした印象になりかねません。
写真Gのように花同士が重ならないように注意して、主役となる花をしっかりと狙うようにしましょう(その際のピントの合わせ方もVol.58を参照してください)。
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※周囲の情景の活かし方についてはバックナンバーのVol.58を参照してください。
http://www.smart-acs.com/magazine/16021503/season001.php
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周囲の情景を活かすときに注意したいのが、ほかの花との重なり具合です。特に、群生地の場合、近くに同じ形をした同じ色の花があるわけで、写真Fのようにそれを重ねてしまうと、ごちゃごちゃした印象になりかねません。
写真Gのように花同士が重ならないように注意して、主役となる花をしっかりと狙うようにしましょう(その際のピントの合わせ方もVol.58を参照してください)。
写真F
写真G
もう一点、特に意識したい点として光線状態があります。
見た目に花の色がキレイに見えるのは順光(写真H)ですが、写真にしたときに花の色がキレイに見えるのは逆光(写真I)です。
逆光で狙うと写真の中に陰が入り、明るく光った花を一際輝かせてくれるからです。また、明暗差によって写真がよりドラマティックに変化します。写真Hのように順光だと周囲の情景まで明るく見えるので、メリハリの少ない印象です。
なお逆光で狙う場合、カメラの露出設定通りではなく、露出補正を行うことがとても大切です。
見た目に花の色がキレイに見えるのは順光(写真H)ですが、写真にしたときに花の色がキレイに見えるのは逆光(写真I)です。
逆光で狙うと写真の中に陰が入り、明るく光った花を一際輝かせてくれるからです。また、明暗差によって写真がよりドラマティックに変化します。写真Hのように順光だと周囲の情景まで明るく見えるので、メリハリの少ない印象です。
なお逆光で狙う場合、カメラの露出設定通りではなく、露出補正を行うことがとても大切です。
写真H
写真I
今回見てきたとおり、主役を決め、周囲の情景の重なりに注意して取り込み、逆光でメリハリを付けて狙うと、同じ花を撮影しても生き生きとして躍動感溢れる写真にすることができます。
観光ポスターによくあるようなキレイな写真だけではなく、ちょっと工夫をして、よりよい作品づくりを目指してみてください。
観光ポスターによくあるようなキレイな写真だけではなく、ちょっと工夫をして、よりよい作品づくりを目指してみてください。
写真J
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。
http://www.hokkaido-garden.jp/
少々遠いおでかけになりますが、花の写真を撮るのなら一度は行ってみたいのが旭川、富良野、帯広、十勝を結ぶ、全長250kmにもなる「北海道ガーデン街道」です。
たとえば、こんなドラマの記憶はありませんか? 中井貴一主演、緒形拳のテレビドラマの遺作となった倉本聰脚本「風のガーデン」。2008年の放送でしたが、その後は富良野プリンスホテル敷地内に、ドラマの舞台になった「風のガーデン」が設置されています。
また、お菓子でおなじみの会社が経営する「六花の森」、日高山脈の麓にあって壮大なスケールを誇る「十勝千年の森」など、街道沿いには素敵なガーデンが8か所あります。
さらに、美瑛のラベンダー畑など、このエリアは野草花の宝庫です。今から準備をして、ぜひレンタカーなどでめぐってみませんか?
編集室でもこのコンテストのリリースを見た時に「こんなコンテストがあるんだぁ」と思いました。しかし、お墓参りは日本の伝統文化であり、祖先と心で会話をする大事な機会であることを再認識しました。
大事な節目に報告に行く場所ですし、お弁当などをもってみんなで元気であることを感謝しに行く場所でもあります。
主催はお墓100年プロジェクト実行委員会。どなたでも応募可能。笑顔でのお墓参りや、報告のシーンなどを撮影して応募ください。
募集締切 :
2017年5月31日(水)まで
賞品など :
大賞(1名)5万円、日本石材産業協会賞(1名)3万円、
審査員特別賞(1名)3万円など
審査員特別賞(1名)3万円など
編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。
スペイン・バルセロナから始まった地中海壁紙シリーズですが、シリーズの最後となるのはイタリア、水の都ベネチアです。
スペイン・バルセロナから始まった地中海壁紙シリーズですが、シリーズの最後となるのはイタリア、水の都ベネチアです。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。