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その一角だけ、まるで外国のようなエリアが国内にあります。中華飯店が軒を連ね、アメリカンな家屋が集まる地域。そんな非日常的な場所を体験してみませんか?

横浜中華街にて撮影


韓国のような東新宿の一画


フランス人が多く住む神楽坂


東南アジアの小さな国、シンガポール。マレー半島の南端にある小さな国は、イギリス東インド会社の交易所、英国主権時代などの歴史を経て、国際的な貿易、金融の中心地として急速に発展した。

現在ではユニバーサル・スタジオ・シンガポールやマリーナ・ベイ・サンズなどが観光客に人気だが、各国民族がそれぞれに上手に生きている様子が僕は好きだ。

この街を地下鉄で回ってみると面白い。

ある駅で降りて地上に出ると、そこは中華街。飲茶を名物にする飯店や屋台が並ぶ。

また、ある駅で地上に出ると黄金の街になる。中東移民の多い街で中心に黄金のモスク、周囲には金を売る店が軒を連ねる。

さらに、駅を降りるとサリーをまとった女性が目立つ街もある。そう、インド人の街「リトル・インディア」だ。

シンガポールは国土が狭いから、それこそ地下鉄駅一つ、二つで地上の様子が大きく異なる場合が多い。

日本では地下鉄1区間で異なる外国人街が現れるというケースはない。それでも、各地に外国人街と呼べるエリアが点在している。

これらの地区では、その国の食が体験できるし、販売されているものも異国情緒たっぷりで愉快な気分にさせてくれる。

例えば、横浜の中華街がその一つ。年に数回は飲茶や食事にでかけるが、お祭りに遭遇してまるで中国本土に来たような気分になったことがある。

龍が舞い、華やかな衣装に身を包んだ女性たちが踊る。こういう光景を見られただけで、得をした気持ちになるから不思議だ。

東新宿界隈は韓国の様相となる。焼き肉屋や屋台、韓国スターのCDや写真を売る店、おみやげ店が並び、販売員の威勢のいい声が飛び交う。

大人の街・神楽坂は一見坂道沿いの商店街だが、よく見ると路地裏に案内するボードにはフレンチのお店が多い。ここはフランス人が多く暮らす街なのだ。

そのほかにも、インド人が集まる西葛西など、外国情緒を感じられる街は全国に多いのだ。

ジョンソンタウン


福生で巡り合ったサンドイッチ


アルファベット看板が多い福生


日本とアメリカは関係が深い。現在ではさまざまなアメリカン文化が日本に定着している。

戦後一時的にアメリカ軍の基地になっていた場所もあれば、今もアメリカ軍の基地になっている場所もある。

アメリカ軍基地の云々について書くつもりはまったくないが、アメリカの基地があった、あるいはあるために独特な雰囲気の街になった場所が各地に点在するのも事実だ。

つい最近訪ねたのは自衛隊入間基地のすぐそばのジョンソンタウンだ。

航空自衛隊入間基地は1938年に士官学校として移転したのをきっかけに1940年に豊岡陸軍飛行場として完成する。

戦後はアメリカ軍が接収、殉職したアメリカ人エースパイロットの名をとってジョンソン基地となる。そして、1958年に入間基地として開設された。

ジョンソンタウンの名称もその名残りだが、ここには大きく分けて3種類の家屋がある。

一つは日本人将校のために建てられた平屋。二つ目はジョンソン基地時代に建てられた米軍ハウスと呼ばれる築60年の三角屋根のダブルゲーブルハウスを改修したもの。

そして、平成ハウスと呼ばれる米軍ハウスの雰囲気を継承した家だ。

これらのハウスが軒を連ねるジョンソンタウンに高い塀がない。住宅間は細い道と樹木で仕切られ、まるでアメリカの郊外に来た気分になる。

公園に面したエリアは主に住居になっており、この雰囲気を好んで移り住んだ人が生活を営む(だからこそ、尋ねる人にも節度が求められる)。

それ以外の家はレストラン、雑貨店、アクセサリー店などのさまざまなお店になっている。 アメリカンな雰囲気のジョンソンタウンを散策するのは、異国文化を体感する楽しいものになるだろう。

同様に、アメリカンムードたっぷりなのが、横田基地に近い福生の街だ。国道沿いに横田基地が広がり、いろいろな種類の飛行機が飛び立つ。 国道を隔てた市街地はアメリカンムードいっぱいの店が並ぶ。

いかにもなジャンパーなどの衣類を置くお店、スケートボードや雑貨を並べるお店。サンドイッチやハンバーガーが人気のレストラン。 この街も散策すると楽しい街だ。

神戸・北野の異国人街


ジェームス邸で食事を楽しんだ


取材でさまざまな土地を訪れるが、旅先で異国情緒たっぷりの地域を歩くことがある。

たとえば、長崎や兵庫はその一例だ。

かつて異国人が住んだ独特の洋風建築や教会を訪れると、まずは建造物の面白さに目がいく。応接室や居間、ベッドルームの作りに感心し、煉瓦や石材の使い方になるほどと思う。

しかし、もっとも関心を抱くのは、なぜここにこの建物ができたのかという歴史的な背景だ。

鎖国からの開港。大陸から移り住んだ異国商人。彼らが売ることで日本の文化となった品々…。

異国街で当時の様子を想像するのは楽しいひと時だ。

神戸にでかけた時は、必ず北野異国人街に寄ってみる。

また、もうひとつの異国人街・塩屋地区には僕のお気に入りのレストランがある。

正面に瀬戸内海と淡路島が望める塩屋のジェームス邸は、英国人貿易商によって建造されたスパニッシュ様式の迎賓館だ。それが今では結婚式場、レストランとして活用されている。

ここの雰囲気に包まれながら食したランチのローストビーフは絶品だった。


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●ジョンソンタウン
http://johnson-town.com/

●くるみる ふっさ 福生市観光案内所
http://www.kurumiru-fussa-omotenashi.com/

●ジェームス邸
http://restaurant.novarese.jp/jmt/
< PROFILE >
木場 新
休日評論家。主な出版物に共著の『温泉遺産の旅 奇跡の湯 ぶくぶく自噴泉めぐり』、一部執筆&プロデュースの『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」の連載ほか。
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