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ことわざにもあるように、秋は空がより一層美しい季節です。空気が澄んで青色が深くなりますし、夕日に染まる空も見逃せません。越カメラマンが空をきれいに撮影するポイントを解説します。写真コンテスト情報も掲載、壁紙プレゼントもあります。

秋になると、空には色々な形をした雲が出現します。もちろん夏にも入道雲に代表される夏らしい雲もありますが、形はもちろん空の色も含めると、秋ほど雲が絵になる季節はありません。今回は秋の雲をよりフォトジェニックに撮るコツをまとめてみました。

昨年秋に栃木県奥日光の戦場ヶ原で撮影した写真です。写真Aは曇りの日、写真Bは青空に白い雲が出現した日に撮影しました。
原野に生える木をポイントに狙ったのですが、曇りの日の白い空を背景にする気にはなれず、紅葉した山肌を背景にしました。しかし、白い雲が流れる青空をバックにしたほうが断然ドラマチックです。
周期的に天気が変わる秋になると、さまざまな雲が上空に現れるようになります。これを狙わない手はありません。

写真A

写真B

では、秋にはどんな雲が現れるのでしょう。これまで、私が撮影した中から、いくつか紹介したいと思います。

写真C:巻積雲(うろこ雲、いわし雲、さば雲)>
魚の鱗に似ていることから俗に「うろこ雲」「いわし雲」「さば雲」と呼ばれるのが「巻積雲(けんせきうん)」です。
規則的な模様を成す秋を代表する雲です。5000~13000mという上層に現れます。この巻積雲が現れると数日後に天気が崩れ出す傾向があります。
似たような雲で、巻積雲より低層(2000~7000m)にできる「高積雲(こうせきうん)」(あとで出てくる写真Iの雲)というのもあります。高積雲のほうが模様が大きく、大きさを見たときの角度が1°(手を伸ばしたときに小指の先で隠れる程度)を超えるかどうかで判断されます。

写真D:巻雲(すじ雲)>
「巻雲(けんうん)」も上層(5000~13000m)にでき、偏西風が強まりだす秋になると出現する美しい筋状の雲です。
巻雲が薄くなった「巻層雲」というのがありますが、この巻層雲が出ると「暈(かさ)」と呼ばれる珍しい現象(太陽の周りに輪ができる現象)が見られることもあります。

写真E:高層雲→朝焼け・夕焼け>
「高層雲(こうそううん)」は、上空2000~7000mにでき、空全体がグレーに見えているときの雲です。主に雨の降る直前に見られるのですが、天気が回復するときにも見られ、日に染まると真っ赤な朝焼け・夕焼となります。台風や寒冷前線が通過した後などに見ることができます。

写真F:層雲(霧雲)→雲海>
「層雲(そううん)」は別名「霧雲」と呼ばれ、地表を覆いつくすように発生する雲を指します。とくに秋が深まってくると、昼間温められた地表の温度が夜になって急激に下がり、早朝に放射冷却現象によって霧が発生し地表を覆います。これを標高の高い場所から見たものが雲海です。

写真G:層積雲>
高さ500~2000mといった低い位置に現れ、畑の畝のように細長い雲がならんでいるのが「層積雲(そうせきうん)」です。俗に「曇り」といっている天気の日に見られる雲です。完全に空を覆うわけではなく所々に隙間があるのが特徴で、その間から指す日射しが光芒となり、美しい風景を見せてくれることがあります。

写真C

写真D

写真E

写真F

写真G

秋にたくさんの種類の雲が現れるのは前述の通りですが、どうやったらその雲をドラマチックに捉えられるかが問題です。
その答えは「逆光」で狙うことです。
写真Hのように順光だと空以外の地物もすべて見えてしまい、メリハリがなくなってしまいます。
写真Iのように逆光で捉えることで、地物はシルエットとなり、明るい空とのコントラストがドラマチックな風景を見せてくれます。
なお、シルエットで捉えるときには、被写体の形がとても大切です。バックナンバー第20回で解説していますので参考にしてみてください。
[参考]⇒http://www.smart-acs.com/magazine/12121503/season001.php

写真H

写真I

逆光で捉えるとドラマチックになるのですが、どうしても発生してしまうのが「ゴースト」「フレア」です。
主な原因はレンズの内面反射で、値段が安いレンズほど発生しやすく、また目障りになりがちです(写真J)。
解消方法としては、高いレンズを買うことなのですが、写真Bのように太陽の位置を少しずらしたり、太陽が雲に隠れ光が弱まったときにシャッターを切ると回避することができます。

写真J

最後にもう一つ。雲のある風景をダイナミックに見せるにはフレーミングがとても大切になってきます。シルエットにした被写体をどのくらいの大きさで画面に取り込むかが、ポイントになります。
写真K写真L写真Mを見ていただくと、一番ダイナミックに見えるのは写真Mではないでしょうか。写真Kのように雲そのものだけだと寂しく感じますし、写真Lのようにシルエットにした被写体が小さくなってしまっては雄大さが失われてしまいます。

写真K

写真L

写真M
逆光で捉えること、そして空の広さとシルエットにする被写体の大きさとのバランスが秋の雲を撮影する時のカギを握っています。美しい秋の雲が出現した日には、ぜひ光とバランスを意識しながら雄大な風景を狙ってみてください。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。


●ぐるたび「全国の高原 人気ランキング」
https://gurutabi.gnavi.co.jp/i/gs20102/

レストランを探す時に「ぐるなび」を利用している人は多いでしょう。こちらのサイトは、ぐるなびが運営する旅をもっとおもしろくするためのサイトです。
旅行先でのさまざまなアクティビティを検索、予約できるのですが、その中に「ランキング」のコンテンツがあります。
「全国の高原 人気ランキング」もそのコンテンツの一つ。高原の景色も美しいのですが、そこに越カメラマンが撮影した秋の雲があるのを想像すると、絶景が広がっていそうです。
ちなみに、第1位は尾瀬ヶ原(群馬)、以下、秋吉台(山口)、草千里ヶ浜(熊本)、蒜山高原(岡山)、戦場ヶ原(栃木・越カメラマンもここで撮影していますね)と続きます。
ぜひ、おでかけして秋の空に抱かれてください。
第7回コンテスト大賞作品「巡礼」徳島県・すうさんの作品
https://55web.jp/88meguri/

四国八十八ヶ所めぐりを生涯一度は実行してみたいという方も多いのでは。全部はムリでも、そのうちの数ヶ所なら訪ねてみたいものです。
このコンテストは四国八十八ヶ所を舞台に、風景写真や花をテーマにした写真コンテストです。
うれしいのは投稿写真は36時間以内に新着順でホームページに掲載されること。「いいね」マークが押されるたびに、喜びも増すことでしょう。
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2017年12月31日(日)
賞品など :
【最優秀賞】1点、記念品進呈

「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!
編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。
森を散策すると、光が当たるところと木の葉に遮られて光が当たらないところが、斑に存在します。それが美しくてシャッターを切りました。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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