1. Smart Accessトップ
  2. おでかけマガジン(+バックナンバー)
  3. 海へのドライブは「絶景」の宝庫
「Smart Access」おでかけマガジン 毎月2回、「Smart Access」会員のみなさまへ、旬のドライブ&スポット情報をお届けします。
トップページへ戻る


海へのドライブの季節になりました。青く輝く海、朝日や夕日に染まったオレンジ色の海…。海は傑作写真をものにするチャンスがいっぱいです。越カメラマンが海の撮影方法を解説します。壁紙プレゼントは、ベトナムの提灯の街、ホイアンでのショットです!

海沿いをドライブするのに、とても気持ちのいい季節が始まります。美しい海を見たら、キレイな写真を1枚は撮ってみたいもの。今回は、海岸沿いの美しい景色をものにするポイントを解説していきたいと思います。

海沿いをドライブすると、海が青いところと、そうでないことがあるのに気付きます。透き通るような青い海はもちろんキレイですが、灰色の海ではイマイチ。では、その差はなぜ生まれるのでしょうか。
一つは天気です。海水は本来青いわけではなく無色透明です。その水に青空の色が反射すると初めて青色に見えるのです(写真A)。つまり、青空が出ていない状況では海は青くなりません。
ふたつ目は海水の成分です。海水に含まれる有機物の量が多いと透明度が下がり、海は青く見えません。逆に透明度が高いと海は青く見えます。具体的には、川の河口から遠く、潮の流れが速い場所で、砂が白くてサラサラしている海岸や水深の深い岩礁地帯で、海は青く見えます。
青い海を撮るならば、ぜひそうした場所に向かってみるといいと思います。写真Aの島根県出雲市久村海岸はそうした場所です。



ちなみに有機物が多い場所は大きな川の河口に近く、川から運ばれた砂(これが有機物をたくさん含んでいます)が堆積している場所。これらが海水の透明度を下げています。その典型的な場所が干潟で、砂の色も白というより灰色をしています。ですが、そのぶん栄養は豊富で、たくさんの生きものたちが生息しています。写真Bの愛知県美浜町河和口海岸はそうした場所です。

写真A

写真B

海を美しく見せるもう一つのポイントは、逆光に輝いてる海を撮ることです。逆光で海面が煌びやかに輝いているときは、青い海とは一味違った風情が表れます(写真D)。もちろん青い海もそれはそれで美しいのですが(写真C)、光り輝く海というのもフォトジェニックです。
逆光で狙うときに大切なのは、露出補正を行なうこと。写真Dは-0.5段の露出補正をしています。補正量はその時々で違うので、いろいろと変えながら撮ってみるといいでしょう。ちなみに+補正で明るい海辺にしてみるのもおもしろいかもしれません。

写真C

写真D

海がもっとも輝いて見えるのは、朝日・夕日の時間帯ではないでしょうか。先ほどの逆光写真の延長になりますが、赤くなった太陽の光が染める海面は一層輝きを増し、ドラマチックです。
写真Eのように光の筋が海面にできているところを狙うもよし、はたまた写真Fのように展望台から望む海原と島並の向こうに沈む夕日を撮るもよし。シーサイドドライブで狙うならクライマックスと呼べる時間です。
ちなみに写真Eは千葉県富津市の富津海岸で、写真Fは愛媛県今治市の亀老山展望公園からの眺めです。

写真E

写真F

海の写真を撮るとき、波をどのように取り込むかは大切なファクターです。
どのような形、模様をしていて、どこでどんなふうに弾けたり砕けるのか。しばらく観察しているとそのパターンが見えてきます。
そこで、波の形が一番美しく見える場所にカメラを構えることが大切です。
写真Gの位置から眺めていると、右手にある岩の正面に波があたり、高く舞い上がっているのがわかりました。そこで、その岩の背後に回り、下から上を仰ぎ見るようにカメラを構え、青空に抜けるように波が跳ね上がる瞬間を狙ってみました(写真H)。

写真G

写真H

青い海と一緒に美しい岩礁や(写真I)、沖を行き交う船(写真J)を生かしてみるのも一つの方法です。海の雄大さや広大さ、ダイナミックさを作品に盛り込むことができます。
こうした場所は海沿いの展望所などとして整備されているところが多いので、ドライブの目的地にしてみるとよいでしょう。
写真Jには、「偏光(C-PL)フィルター」を使っています。反射した光を調整(除去)して、被写体本来の色味を引き出すフィルターです。
光が反射して見た目では少し白っぽく見える海面ですが、偏光フィルターを使用することで、本来の青さが引き出せます。このほか写真Bでも使っています。ぜひ試してみてください。

写真I

写真J

お持ちのカメラがシャッタースピードを変えられる機種であれば、それを変えてみると思わぬ結果が得られます。
大小の違いはあれ、海面にはうねりがあります。そして、さまざまな形を見せてくれています。それを止めて撮るのか、はたまたぶらして撮るのか。それによって描写される作品には大きな違いが表れます。
写真K写真Lはいずれも静岡県西伊豆町の堂ヶ島海岸で撮影した写真で、夕日に染まる海面を狙っています。
写真Kは砕けちる波飛沫の激しさを高速シャッター(1/8000秒)で写し止めてみました。写真Lは海岸を洗う“波の流れ”“美しさ”をスローシャッター(1.6秒)で表現してみました。
シャッタースピードを変えたことで、海の雰囲気が大きく変わったのがお分かりいただけたと思います。

写真K

写真L

最後に少し“お遊び的”に撮影した写真を紹介します。
場所は静岡県西伊豆町の黄金崎。透き通る青い海に白波が打ち寄せる岩礁地帯です。その透き通るような青色を表現しようと、ワザと1/10秒のスローシャッターで撮影してみました。波がぶれて動感が出たと同時に、海の青さが際立ちました。

写真M


今回は、海の写し方を晴れた日を前提に話してみました。青く透き通る海、朝日・夕日に染まる海は、見た目に美しいだけではなく、とてもフォトジェニックです。しかも、天気さえよければ、比較的簡単にトライできる被写体でもあります。
ぜひシーサイドドライブに出かけて試してみてください。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。


●林野庁白砂青松100選
http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/seisyou.html

日本の美しい自然と景観を保護する意味もあり「〇〇100選」と名付けて選定されたさまざまな景観があります。
越カメラマンがテーマにしている“海”についても、「日本の渚100選」があり、かつてこのコーナーでも紹介しています。
今回、新たに紹介するのは、(社)日本の松の緑を守る会が選定した「白砂青松100選」です。
実は、松はピンチを迎えています。マツノマダラカミキリが松から松へと運ぶマツノザイセンチュウという体長1mmにもおよばない線虫によって松が枯れてしまうのです。
ドライブをしていると、天然林の中にポツンと枯れてしまった松を見かけることが多いと思います。これも、この小さな線虫の仕業です。
さて、日本の松と美しい海岸の景観を保護しようという目的で選定されたのが「白砂青松100選」です。
これらの場所には美しいビーチと、保護林としての松林が広がっています。ぜひ、カメラをもっておでかけください。

第13回写真コンテスト最優秀作品賞・宮城県N・Sさん撮影
※ホームページより
http://www.softcream.org/contest_folder/contest.html

日本に初めてソフトクリームが登場したのは1951年7月3日だそうです。その日を記念して開催される写真コンテストです。
テーマは「ソフトクリームと“みんなの笑顔”」。ソフトクリームを食べると、おとなも子どもも、とても幸せそうな顔になりますよね。 そんな笑顔、情景を撮影してください。
応募締切 :
2018年5月1日(火)~9月30日(日)
応募形態 :
携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラで撮影した中程度のサイズの写真をメール送付。プリント写真はLサイズを郵送
賞品など :
最優秀作品賞1作品-商品券10万円
優秀作品賞10作品-商品券1万円

「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!
編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。
今回、同時発信の「体験」のコーナーでは、ベトナム・ホイアンのゴンドラも取り上げています。この古い、小さな街は、提灯が名産でもあります。そこで撮影したさまざまな提灯の写真を壁紙プレゼントします。(※撮影/篠遠 泉)
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
  • スポット特集
  • B級グルメ特集
  • オートキャンプ特集
  • レジャー&リゾート特集
  • ロケ地特集
  • 絶景特集
  • 子供といっしょにお出かけ特集
  • 特産品・名産品特集
  • 温泉・スパ特集