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スローシャッターを用いて、通常では見えない世界を写真に描き出してみませんか? あるいは、不必要なものを消すこともできるのがスローシャッターです。今回のウェブ講座はスローシャッターがテーマ。壁紙プレゼント、写真コンテスト情報もお見逃しなく。

前々回(第82回)のウェブ講座で、「シャッタースピードを変えて海を撮ると、見た目とは違った写真が描き出される」という話をしました。今回は“スローシャッター”をいろいろな場面で、さまざまな方法で積極的に使って、少し遊んでみようという提案になります。

1番目はカメラ本体を三脚に固定して、被写体の動きをスローシャッターで表現する方法です。もっともポピュラーな被写体としては、渓谷や滝の水の流れです。流水をスローシャッターで表現する方法は多く用いられています。
写真A写真Bはいずれも栃木県奥日光にある湯滝を写したものです。滝壺に近い部分を1/1000秒で撮ると写真Aのような感じです。そこでスローシャッター1/4秒で撮影したのが写真Bになります。周囲の木々も入れて、夏の清々しさを表現してみました。



この方法を応用すると、通常では見えない被写体の動きを表現することができます。その例が写真Cです。湯滝の少し下流で流れがゆっくりと渦を巻いているところを見つけました。そこで10秒間露光すると、渦(水の泡)が軌跡となって写り、渦巻きの様子を描き出すことができました。目に見えるのはゆっくりした動きでも、スローシャッターを使うことで動きが表現できる例です。



それぞれの写真は別々な日に撮影しているので、シャッタースピードはあくまで目安としてください。

写真A

写真B

写真C

2つ目の方法は、カメラを三脚に固定するのではなく、動きに合わせてカメラ本体の向きを動かす方法です。俗に「流し撮り」と言われます。
夜景を撮影していると屋形船がやって来たので、そのままカメラを動かさずに1/8秒で止めて写したのが写真Dです。ゆっくりした動きでしたが、1/8秒ともなると完全に止めることはできません。
そこでいっそのこと背景をぶらしてしまおうと1/4秒で撮影したのが写真Eになります。



流し撮りのメリットとして、周囲をぶらすことで、周囲の邪魔なものが目立たなくなり、狙っている被写体が際立つことが挙げられます。
写真Fは1/20秒で列車を流し撮りした例ですが、通常より遅いシャッタースピードで流したことで、列車のスピード感が増し、同時に架線柱などの邪魔なものが目立たなくなっています。



当然、カメラを動かしているのでシャッタースピードが遅くなればなるほど失敗の確率は上がっていきます。でも、そのぶんスピード感は出てきます。多少ぶれていても大丈夫ですので、思い切ってシャッタースピードを変えてみましょう。

写真D

写真E

写真F

3つ目の方法は、自分自身が動く方法です。被写体が動いていればスローシャッターを使うことで動きは表現できますが、動かないものはそうはいきません。そこで撮影している自分自身が動き、スローシャッターで表現してみましょう。
写真Gは1/45秒で動かずに撮影、それに対し写真Hは1/6秒に設定し、カメラ本体を斜めにしながら鳥居の中を歩いてみました。すると、どこかに迷い込んだかのような不思議な空間が生まれました。こうしてスローシャッターを使うことで、自分自身の動きを写真に表現することができます。

写真G

写真H

最後の方法は、動きに合わせてズームを変える方法です。俗に「露光間ズーム」と呼ばれています。
写真Iは走行中の列車の窓からその動きに合わせてズームを動かしたもので、シャッタースピードは1/13秒です。
ポイントは、ある一点が同じように映るように動きに合わせてズームを動かすこと。とはいっても、最初のうちはなかなかうまくいかないと思います。何度もトライしてみることが大切です。
運転中は絶対やってはダメですが、助手席に座ってドライブ中に周囲の景色を狙ってみると思わぬ景色が撮れるかもしれません。

写真I

今回は、スローシャッターを生かした撮影方法を解説してみました。
茨城県のとある農協に取材に出向いたときに、ローラー式コンベアーで出荷されていくトマトの箱を発見。いても立ってもいられず、面白がって1/2秒で流し撮りしてしまいました。(写真J
大切なことは、まずはやってみることです。こんなことをしてみたらどうなるのだろう…といった遊び心をもって、いろいろな動きをスローシャッターで表現してみましょう。

写真J


シャッタースピードに関してはバックナンバーの第24回、第25回、第26回でも解説していますので参照してみてください。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。

「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!



●翠渓会・渓流JITEN & NAVI
http://www.suikeikai.jp/keiryujitennavitop

渓流でイワナなどを狙う釣り人に愛用されているサイトです。渓流釣りの初心者から上級者まで楽しめる手軽な渓流を紹介、地域ごとの実用的な情報が満載されています。
また、日帰り温泉などの観光情報も掲載されているので、おでかけに便利な情報サイトになっています。
もちろん、イワナなどがいる美しい渓流は、景色も美しく、水の流れや小さな滝なども点在しています。
釣りをしない人にとっても、美しい渓流の写真をものにするには最高の舞台といえるでしょう。地域ごとに渓流情報が掲載されているので、おでかけしやすい地域を選んで、カメラと三脚を手にでかけてみませんか?

「記録と記憶」岩﨑 孝さん撮影
復興の歩み大賞(フォト)
https://www.ur-net.go.jp/fukkou-photosketch/contest2018/

UR都市機構が主催する写真とスケッチのコンテストです。
あの大震災から歳月が経ちました。被災地の復興も進んでいますが、それは一歩一歩と段階を踏んでおり、まだまだ時間がかかります。そして、決して風化させてはいけない出来事です。
復興への歩みを広く発信し、復興に関する思いなどを伝えるためのコンテスト。プロカメラマン、プロの画家以外の一般の方が応募できます。
応募期間 :
2018年9月17日(月)
応募形態 :
ホームページよりPC版応募フォーム、スマホ版応募フォームを利用して応募。もしくは、応募用紙をダウンロードして必要事項を記載して郵送。同時に4作品まで応募できます。 タイトルとメッセージを添えて応募してください。
デジタルデータは1点当たり1MB以上5MB以下。プリントは2Lサイズを推奨。
賞品など :
大賞/商品券10万円分 フォト・スケッチ各1点
優秀賞/商品券5万円分 フォト・スケッチ合わせて5点ほか
発表と作品展
11月30日にUR都市機構ホームページで受賞作を発表。2019年2月~3月頃に岩手、宮城、福島県などで作品展を開催予定。
編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。
カナダ東部の最大の観光スポットはナイアガラでしょう。圧巻の大きな滝、そして周囲で作られるカナディアンワイン。緑と水の恵み豊かな幸せの大地です。(※撮影/篠遠 泉)
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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